【連載】

メタボ撃退! 食べながら内臓脂肪を減らす外食ガイド

1 メタボリック・シンドロームとは

    大柳珠美  [2007/12/06]

    こんにちは。管理栄養士の大柳珠美です。このコラムでは、忙しいビジネスパーソンでも手軽に実践できる内臓脂肪を減らす食生活情報を、お伝えしていきます。

    メタボリック・シンドロームとは

    最近、お腹まわりが気になる。運動はほとんどせず、外食が多い。若い頃より太った。健康診断で異常を指摘された。という方はいませんか。 「もしやメタボリック・シンドローム!?」と心配されているのかも知れません。

    メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)は、お腹まわりにたまった内臓脂肪が原因で、高血圧、高血糖、高中性脂肪、高尿酸などが発生しやすい状態を言います。また英語では「Metabolic syndrome」と表記し、医学的には「代謝異常症候群」と言えます。内臓脂肪がたまり、メタボリック・シンドロームと診断されたまま放っておくと、動脈硬化や脳血管障害など命にかかわる病気の発症が心配されています。

    メタボリック・シンドロームの診断基準

    (該当するものにチェック)

    ステップ1

    腹囲系
    □男性85cm以上
    □女性90cm以上
    ↓(ステップ1に当てはまる方はステップ2へ)

    ステップ2

    脂質代謝異常

    □中性脂肪150mg/dl以上
    □HDLコレステロール40mg未満
    □上記の治療をうけている場合

    血圧異常

    □収縮期(最高)血圧130mmHg以上
    □拡張期(最高)血圧85mmHg以上
    □高血圧の治療をうけている場合

    糖代謝異常

    □空腹時血糖110mg/dl以上
    □糖尿病の薬物治療をうけている場合
    *ステップ2の2項目以上に該当する場合、メタボリック・シンドロームと診断されます。

    なぜ内臓脂肪がたまると良くないのか。そのわけは、脂肪細胞から分泌される「生理活性物質(後ほど解説します)」に隠されています。通常、食べ過ぎや運動不足などで余ったエネルギーは中性脂肪となって脂肪細胞に蓄えられていきます。その結果、内臓脂肪が肥大し、悪玉の生理活性物質が分泌されるのです。

    悪玉の生理活性物質にはいくつかの種類があり、動脈硬化を促進するものや高血圧や高血糖を引き起こすものなどがあります。この生理活性物質によって、「肥満ホルモン」と呼ばれているインスリンがたくさん分泌してしまう「インスリン抵抗性」が起こり、太りやすい悪循環に陥ってしまうので要注意です。

    生理活性物質

    悪玉(作用) 善玉(作用)
    PAI-1(血の固まりを形成しやすくする)
    TNF-α(糖をエネルギーとして利用できなくする)
    アンデオテンシノーゲン(血圧を上昇させる)  
    アデイポネクチン(糖をエネルギーとして利用しやすくする) 

    高血圧、高血糖、高中性脂肪などの生活習慣病は、全て内臓脂肪の蓄積から引き起こされているものと考えられています。ですから大事なことは"根を摘む"こと。つまり、内臓脂肪を減らすことなのです。

    では、どうすればいいのか? よく、健康本などでも書かれているのが、エネルギー制限。そんなことは分かってはいるけれど、エネルギー制限は面倒、残業ばかりで外食に頼らざるを得ない、接待で飲酒はやめられないなど、思っている人が多いのではないでしょうか? メタボリック・シンドロームに気をつけて欲しい忙しいビジネスパーソンほど「メタボリック対策は所詮、無理」と諦めているように感じます。でも大丈夫。内蔵脂肪を減らすためには、厳しいエネルギー制限や脂質カットばかりを気にする必要はありません。肝心なことは「糖質」を意識した食事を心がけるであり、外食でも十分、内臓脂肪を減らすことができるのです。

    この連載では、「レストランやコンビニ、居酒屋など外食と中食の食事だけで内蔵脂肪を減らす」ことを目標に、糖質過多にならないメニューの組み合わせ方、食後高血糖を防ぐ小鉢の選び方や付け合わせの上手な残し方などについてナビゲートしていきます。

    次回は、内蔵脂肪を増やす原因にもなる「食後高血糖」のメカニズムについてご説明していきます。

    (イラスト:いいあい)

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