10~50代の男女から年間200件以上の恋愛相談を受けている内埜さくら先生が、みなさまの恋愛のお悩みに回答する本コーナー。今回は、社内恋愛している彼にやきもちを焼いてしまう女性からのご相談です。

【相談】

5歳年上の彼と社内恋愛3年目の、20代後半女子です。最近、彼氏の態度に我慢の限界が近く、私がやきもちを焼いてしまうことが増えています。過去に一度「疲れた」と言われ、1年間デートやメールすらない冷却期間がありました。今の悩みの種はいくつかあります。

・社内で話しかけられてもないのに自分から女性に話しかけに行く。
・社内では私を無視・避けるなどの行為をしてくる。
・会社を出てから家に帰るまで何をしているのか不安で心配でたまらない。

彼に嫌われたくないのにやきもちを焼いてしまいます。どうしたらいいでしょうか。

【回答】

やきもちを焼く原因は、実は彼の行動から起こるものではなく、ご自身の心の中にあります。幼少期の体験にも関係するので文面だけで判断することは難しいのですが、相談者さんは心のどこかで「自分には愛される資格がない」と感じているのかもしれません。だから、彼が自分を最優先してくれないと、「自分は愛されていない→やはり自分には愛される資格がない」と不安に陥り、嫉妬してしまうのではないでしょうか。

以前、彼から「疲れた」と言われて距離を置いたとのこと。相談者さんは、「彼氏の態度に我慢の限界が近い」とお書きになられていますが、嫉妬心が起こるのはご自身の心の問題ですから、相談者さんの心のあり方を見つめ直さないと、次は彼から「別れたい」と言われてしまうかもしれません。しかも、文面を拝読する限り、相談者さんの言動はやきもちではなく、束縛に近い嫉妬心です。

では、束縛に近い嫉妬心とどう向き合えばいいのかと言うと、答えは以下の2つです。

■相手の行動を制限しようとしている自分を知る

「社内で話しかけられてもいないのに自分から女性に話しかけに行く」ことが悩みの種だとお書きになられていますが、これは、社会人として普通のことです。「社内に彼女がいるから職場では自分から女性には話しかけない」などという信条を貫いたら、業務に支障をきたします。例え話の内容が雑談だとしても、それはコミュニケーションの一環。この行動を禁止してしまうと、ひいては彼の出世にも関わります。相談者さんは、彼が仕事面で認められず、ただ自分だけを見つめてくれる相手がほしいですか? 一度、ご自身の心に問いかけてみてください。

「社内では私を無視・避けるなどの行為をしてくる」行動も、社内恋愛なら至って普通のことです。大半の男性は、社内恋愛が周囲にバレて冷やかされることを嫌います。しかも、もし別れるようなことがあればうわさ話のターゲットにされてしまい、仕事がしづらくなります。彼はそれを懸念して、あえてそういった態度をとっているのだと思います。もし結婚したとしても、交際中に仲が良かった姿を見せていたら、やはり冷やかされるでしょう。彼はそれを前もって回避しているのです。

「会社を出てから家に帰るまで何をしているのか不安で心配でたまらない」ともお書きになられていますが、相手の行動のすべてを把握したくなるのは、相手を信頼していない気持ちの裏返しです。

相談者さんは、「彼のことを最も信頼できて、一緒にいると一番、居心地がいい」から彼とおつき合いしているのではないでしょうか。そのシンプルな基本を、どうぞ思い出してください。

相手の行動のすべてを把握しようとするのは、単なる束縛です。束縛されると人は、その環境から逃げ出したくなります。思春期の頃、ご両親にどこで何をしていたかしつこく聞かれ、嫌な気持ちになった経験はありませんか? 相談者さんは彼に、それと同じことをしてしまっているのです。

ですから、相手の行動を制限しようとしている自分を、客観視する練習をしてみてください。相手行動を制限しようとしていると思ったら、グッとこらえて踏みとどまるのです。嫉妬心が起こる原因は、彼ではなく相談者さんの心の問題なのです。

■彼が離れたくないと思えるほど魅力的な女性を目指す

文面を拝読する限り、相談者さんは四六時中、彼のことばかり考えている印象を受けました。男性は、自分に対して一途な女性を好みますが、自分しか見えていない&自分が生活の中心、という女性を重いと感じる傾向があります。

ですから、彼を束縛したくなる気持ちがわいたら、ご自身にフォーカスを当ててみてください。相談者さんは現在、彼が離れたくないと思えるほど魅力的な女性だと自信を持って断言できますか? YESと即答できない場合は、他の女性と自分を比較して、「自分は下だ」と感じてしまうことも、嫉妬心が起こる一因かもしれません。彼を束縛せず、他人と自分を比較せず、彼が離れたくないと思えるほど魅力的な女性を目指しましょう。外見はもちろんですが、本を読んだり勉強をしたりして、人間性に深みを持たせることもわたしはオススメです。

シンプルな基本ですが、人は魅力的な人や物に吸い寄せられます。相談者さんが今よりすてきな女性になれば、やきもちを焼く暇がないほど彼と濃密な関係になれると思いますよ。

※写真と本文は関係ありません

著者プロフィール

内埜さくら(うちの さくら)
恋愛コラムニスト。2,000人以上の人物取材の経験で磨かれた、鋭い洞察力が武器。著書は『恋がガンガンうまくいく魔法のフレーズ80』(講談社)。無料のメール恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い。相談を休止中の場合もあるので詳細はブログまで。恋愛コメンテーターとして『ZIP!』(日本テレビ)、『スッキリ!!』(日本テレビ)、『ばらいろダンディ』(MX-TV)などのテレビやラジオ、雑誌にも多数出演。