【連載】

家電・温故知新 ~今の当たり前を振り返る~

5 元祖ロボット掃除機の誕生から現在へ - アイロボット「ルンバ」

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数多あるロボット掃除機の中でも、いまやその代名詞的存在となっている「ルンバ」。2015年に発売された最新の「900シリーズ」は、シリーズとしては10番目にあたる商品です。

2002年発売の初代「ルンバ」

初代ルンバの登場は2002年。米マサチューセッツ工科大学(MIT)で人工知能の研究に従事していた3人の科学者が1990年に設立したアイロボット社によって発売されました。独自開発の人工知能をベースに、軍事用の地雷探査技術を組み合わせて開発されたものでした。

初代ルンバのサイズは、直径34センチ、高さ8.7センチ。このサイズは、2005年発売の「ルンバ・スケジューラー」まで引き継がれました。とはいえ、最新の900シリーズの直径が35.3センチ、高さ9.2センチと、今もあまり変わらないサイズです。

一方、本体の意匠やロゴといったデザインは最近のルンバとは大きく異なる印象。真ん中に「CLEAN」ボタンを配した円状のラインを基本に、メタリックな質感の"ハイテク"っぽさが前面になった現在のシンプルでクールなデザインから比べると、愛嬌のあるデザインでした。

ちなみに、現在のルンバシリーズに通じるデザインの原型となったのは、2007年発売の「500シリーズ」。デザインだけでなく、機能面でも大幅に刷新されました。本体の高さもこれ以降一貫して9.2センチに固定されています。

部屋の広さを設定せずにボタン1つに集約された「ルンバ500シリーズ」(2007年発売)。デザイン上も現在の製品につながる原型となった

機能面では、初代およびその翌年に発売された「ルンバプロ」、「ルンバプロエリート」までは、"Small"、"Medium"、"Large"の3つのボタンがあり、それを使って部屋の広さを設定する必要がありました。「CLEAN」ボタン1つで掃除をしてくれるようになったのは2004年発売の「ルンバ・ディスカバリー」からです。自動充電機能が搭載されたのもこの機種からで、翌年発売された「ルンバ・スケジューラー」からは、予約した日時に自動で掃除を始めるスケジュール機能が加わっています。

「ルンバプロ」(2003年発売)

「ルンバプロエリート」(2003年発売)

なお、アイロボット社がロボット掃除機の研究開発に着手したのは1997年。日本市場には、2003年にタカラ(現タカラトミー)から「@HOME ROBO ルンバ」の名で登場したのが初めてでした。2004年以降はセールス・オンデマンドが日本国内における総販売代理店となり、以降、2016年10月末には日本累計販売台数200万台が突破するまでルンバの普及に努め、2017年4月からは日本法人が設立されるに至っています。

「ルンバディスカバリー」(2004年発売)

「ルンバスケジューラー」(2005年発売)

いまや複数の日本の家電メーカーから発売され、消費者がさまざまな商品を選べるようになったロボット掃除機。しかし、ルンバが日本市場に参入した当初は、安全面から発売に慎重だったと言います。ところが、ルンバが日本家庭に瞬く間に受け入れられると、堰を切ったように各社も追随しました。

今これだけ日本家庭にロボット掃除機が定着したことを思うと、リスクを取ってでもイノベーションに賭けたメーカーや販売代理店の心意気は称賛に値すると思います。

近年のモデルである「900シリーズ」

取材協力・画像提供:アイロボット

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インデックス

連載目次
第6回 日本初の全自動食洗機 - パナソニック「MR-500」
第5回 元祖ロボット掃除機の誕生から現在へ - アイロボット「ルンバ」
第4回 日本初の電気冷蔵庫 - 東芝「SS-1200」と日立「K-40」
第3回 今のルームエアコンのスタンダードを作った三菱電機「霧ヶ峰」
第2回 日本初の電動マッサージチェア・フジ医療器「フジ自動マッサージ機」
第1回 国産初の電気洗濯機・東芝「Solar」

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