これまでの記事で検証したとおり、重曹を水に溶かした重曹水は、汚れ落としや消臭に便利に使えることがわかった。シュッとスプレーしただけで、油臭さや玄関のニオイがスッキリしたのには驚きだ。今回は重曹をパウダー状のまま使用。オリジナルの消臭剤の作り方を紹介する。(→重曹スプレーの作り方はこちら)。

空いている容器に重曹を入れるだけで消臭剤ができる!

エッセンシャルオイルで自分だけの香りに

重曹は白くサラサラとしたパウダー状の物質。お菓子の膨張剤としても使われるなど、安全性の高い素材だ。弱アルカリ性という性質のため、汗や靴などから漂う酸性のニオイを中和して消臭する働きがあるという。

今回は、家の中でも特に生活臭が気になる「げた箱」「冷蔵庫」「トイレ」に重曹で作った消臭剤を置いて、その効果を検証してみた。消臭剤を作る……というと難しそうだが、実際は空いている瓶やプラスチックの食品保存容器などに重曹を入れるだけなので誰でもできる。

口が広い瓶なら、スプーンなどで入れてもOK

重曹だけでも消臭剤は作れるが、エッセンシャルオイルを加えれば、オリジナルの香り付き消臭剤ができる。エッセンシャルオイルは、植物の花や果実の皮、樹皮、葉、種子などから抽出した100%天然の揮発性オイル(精油)のこと。雑貨店やアロマショップなどで入手可能だ。コストを抑えて手軽に作りたいなら、100円ショップなどでも購入できるアロマオイルやフレグランスオイルを使ってもいいだろう。

好みの香りのエッセンシャルオイルを使って作ろう

筆者が今回使用したのは、「ラベンダー」「オレンジスイート」の2種類のエッセンシャルオイルだ。

まず、穴が空いていないビニール袋に重曹を入れる。作る消臭剤の量によって異なるのだが、今回は300gを使用した。その中にラベンダーのエッセンシャルオイルを2~3滴加え、ビニール袋の口を閉じて振り混ぜ、エッセンシャルオイルと重曹をなじませる。

重曹の中にエッセンシャルオイルを入れる

最後に、エッセンシャルオイルがなじんだ重曹を空き瓶や食品保存容器などに移せば完成だ。そのままでも使えるが、ガーゼや綿など通気性のよい布などをかぶせ、ゴムでしっかりと閉じれば重曹がこぼれる心配もない。容器は紙コップなどでもOK。また、適当な布が見つからない場合は、キッチンペーパーやティシュペーパーでもフタとして代用できる。

左から、空き瓶を使ったもの、タッパーを使ったもの(フタとしてティッシュペーパーを使用)、紙コップを使ったもの。

今回は300gの消臭剤を複数の容器に分けているが、「試しに1個だけ作りたい」という場合は、ビニール袋を使わず空き容器に直接重曹を入れ、その中に1滴ほどエッセンシャルオイルを入れて混ぜる、という方法でもいいだろう。

少しだけ作りたい場合は、空き容器に入れた重曹の中にエッセンシャルオイルを直接入れてもOK

容器も代用可能

適当な容器がない場合は、使わなくなった靴下(穴が空いていないもの)や、布製の小さな袋(巾着など)、不織布でできたお茶フィルターなどでも作れる。今回は、靴下と巾着、コーヒーフィルターでもラベンダーの香りの消臭剤を作ってみた。靴下など筒型の布は、牛乳パックにかぶせて重曹を入れるとこぼれにくい。

左から、布でできた袋に入れたもの、コーヒーフィルターに入れたもの

牛乳パックに靴下などをかぶせると、こぼれずきれいに入れられる

ムッとするげた箱のニオイが消えた!

ラベンダーのエッセンシャルオイルを入れた消臭剤は、靴のニオイが気になるげた箱へ。60cm×180cmのげた箱にジャム瓶を使った消臭剤を2つセットした。特にニオイが気になるブーツには、靴下で作った消臭剤をイン! 運動靴にも小さめに作った消臭剤を入れておいた。

靴箱に入れてみた(写真は段の一番端)

翌日。玄関に出るとほのかにラベンダーが香った。げた箱を開けるときは、いつも特有のムッとするニオイを感じていたのだが、今回はそのかわりにラベンダーの香りが漂う。

芳香剤を使うと、いやなニオイと混ざり合ってより複雑なニオイになるということがあるが、重曹の消臭剤の場合はそれがない。靴下に重曹を入れたブーツと運動靴のニオイもすっきり消えている。玄関全体に漂うラベンダーの香りがきつすぎないのもポイントだ。

ブーツに靴下で作った消臭剤を入れた。ニオイが消えてラベンダーの香りがあたりに漂う

トイレや冷蔵庫などでも検証

オレンジスイートのエッセンシャルオイルを入れた消臭剤はトイレに1つ置いた。ちなみに、トイレの広さは1畳ほどで、容器は直径8cmのものを使用。

トイレの隅に芳香剤を置く

ラベンダーに比べると少し弱いが、トイレを空けるとほのかにオレンジの香りがした。ただ、独特のアンモニア臭はあまり変わった気はしなかった。重曹スプレーで消臭を試した時と同じく、トイレのアンモニア臭は重曹と相性の悪いニオイであるようだ。

次は、こぼれた牛乳や調味料、生もの、その他いろいろな食材のニオイが混ざっている冷蔵庫(345L)に、8cm角の食品保存容器を2つ入れてみた。食品を入れる冷蔵庫なのであえて香りはつけず、重曹のみを入れたものを使用。ついでに、重曹スプレーで冷蔵庫内を軽く拭き掃除してみた。

消臭剤を置いて2日。それまでは冷蔵庫を開けるたびに複雑なニオイがしていたが、徐々に気にならなくなってきた。少しずつだが、効果を実感できる。

冷蔵庫にはタッパーに入れた無臭の芳香剤を

使い終わった重曹も有効活用しよう

重曹を使った消臭剤は、げた箱と冷蔵庫のニオイに特に有効であると感じた。重曹スプレーと併用することで、より効果が高まるような気がする。

作った消臭剤は、「ニオイがあまり取れなくなってきた」と感じたら替え時となる。使い終わったあとの重曹は、捨てずに掃除などで使い切るといいだろう。