今回は「重曹スプレー」を作る

掃除に洗濯にと幅広く使える「重曹」。この連載では、重曹を使って住まいを快適にするテクニックを紹介する。今回は、簡単にできる「重曹スプレー」の作り方を紹介したい。重曹を水で溶かしたものをスプレー容器に入れただけのものだが、これが油汚れに効果を発揮する万能スプレーになるのだ。

重曹で汚れが落ちるワケ

そもそも重曹とは何なのか。筆者はこれまでケーキを作るとき、重曹をベーキングパウダーの代わりに使用してきた。料理にも使える重曹だが、弱アルカリ性のため、酸性の物質と中和反応を起こす。油汚れは酸性の性質を持つ汚れのため、重曹で中和・分解できるというわけだ。

また、粒子に研磨効果があるためクレンザーとしても使用可能。しかも一般的なクレンザーほど粒子の硬度が高くないため、素材の表面を傷つけにくいのだ。また、少量なら口に入ったとしても人体には無害なので、既製洗剤に比べ安全性も高い。

道具をそろえよう

さて、「重曹スプレー」の材料は、「重曹」と「水」「スプレーボトル」の3つだけだ。今回、筆者は食用にも使える「食品添加物」と書いてある重曹を使ったが、掃除に用いるのであれば、ホームセンターなどで販売している「掃除用(工業用)」の重曹でも問題はない。違いは精製度の違いとキメの細かさであるようだ。100円ショップでも販売しているので、ちょっと試したい人は100円の重曹を利用してもいいだろう。スプレーボトルは100円ショップで購入。300ml入るものを選んだ。

今回は食用の重曹を使用

「食品添加物」と書かれているが、汚れ落としなら「掃除用」でも使える

スプレーボトルは100円ショップで購入

作り方も至って簡単で、重曹に水を混ぜるだけ。分量は水100mlに対して、重曹小さじ1杯。筆者が購入したスプレーボトルは300ml用なので、重曹は小さじ3杯用意した。

水100mlに対して、重曹小さじ1杯を使用する

ちなみに、小さじをもっていない人は、ペットボトルのキャップを利用すれば便利である。ペットボトルのキャップのおよそ半分くらいが、小さじ1杯のようだ。

ペットボトルのふたの半分くらいの量が、おおよその小さじ1杯

「重曹スプレー」を作る

それでは実際に作ってみよう。まずスプレーボトルに重曹を入れる。漏斗(ろうと)があれば便利だが、持っていないので紙の上に重曹を置いてから、ボトルに流し込む方法をとった。

紙を使って重曹をボトルに入れると、こぼれにくい

続いて水を入れる。水をボトル半分ほど入れた段階で、軽く振り混ぜて重曹を溶かす。水を全部入れてしまうと、ボトルの中で水が充満してしまい、うまく振り混ぜることができないためだ。その後、分量の水を全部入れれば、重曹水の完成である。1分ほどで終了。あっけないほど簡単だ。

半分ほど水を入れたら、一度軽くふって重曹をとかす

できあがったばかりの重曹水を、手のひらにスプレーしてみた。テクスチャーは粘度もなくさらさらしており、振っても洗剤のように泡立つこともない。色も全くついておらず、においをかいでみても、全くの無臭。コップに入れておいたら水と間違えてしまいそうだ。だが、手に付いた重曹水を洗い流すときに、わずかだがぬるつきを感じた。これが重曹の粒子の感触なのだろうか……。

さらさらしていて、触っても刺激も感じない

それにしても、いつも使っている家庭用の住居洗剤と比べると、色や香りにインパクトがなく、正直言って頼りなさを感じる。本当にこれで住宅の汚れが落ちるのだろうか? 半信半疑の中、次回は実際に重曹水を使って掃除をしてみる。