「恋のお師匠・ジュテーム清水」が毎週木曜にレッスン!

「あなたはそのままでいい。自分らしく生きていればいつか運命の男性が現れるよ」。こんな甘い恋愛アドバイスに真っ向から反論する男がいます。その名は、"ギターを教えなくても稼げるギター講師"こと清水邦浩くん。「恋のお師匠・ジュテーム清水」の変名も持つ彼は断言します。

「恋愛は楽器演奏と同じ。正しい方法論にのっとって努力(練習)を重ねることで必ずうまくなります。自己流のやり方で彼氏ができないのであれば、僕の方法を試してみてください。運命なんて今すぐ変えられますよ」

ギター教室の生徒たちの恋愛相談を受け続けて10年。清水くんはついに「恋愛力を高める方程式」にたどりつきました。音楽とビジネスの理論を組み合わせて編み出したその方法論を惜しみなく公開します。

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「2回目のデート」ができないあなたへ

すごく好みのタイプの異性と知り合いになって楽しく過ごすことができたとき、またすぐに会いたくなるものですよね。暑苦しく思われるかな、と心配しながらも何度も誘ってしまい、適当にあしらわれる。でも会いたい……。せつない片思いです。相手よりも自分の愛情のほうが大きい状況に悩み苦しむことが恋の本質なのだと思います。苦しいと同時に猛烈に楽しい。いまを生きる実感で満たされ、体が内側から元気になりますよね。

幸か不幸か、歳を重ねるにつれて「恋する力」は衰えていきます。20代の頃は毎月1人ぐらいのペースで恋していたのに、30代半ばを過ぎると1年間で一度も心を動かされることがなかったり……。「好きになれそうな人だけど、毎日のように連絡を取ったり、実際にデートするのは面倒くさい。付き合ったとしても、結婚するまでの煩雑さを想像すると気が遠くなる」と感じている人もいると思います。

「僕が提唱する恋愛力は『恋する力』ではありません。『彼氏を作る力』です。だから、理論の学習と実践で結果を出すことができます」と、笑顔で言い切る清水くん(36歳)。どこまでも現実的な男です。彼の本業はギター講師ですが、妙齢の女性(生徒)から毎日のように切実な恋愛相談を持ちかけられています。

「合コンで出会った男性と1回ぐらいはデートするらしいのです。でも、2回目、3回目がない。相手の男性から嫌われるのではなく、自分が『何か違うな』『もう無理』と思ってしまうようです」

異性よりも同性といるほうが気楽、という勘違い

清水くんの恋愛方程式(詳しくは第1回記事をご覧ください)を思い出してください。「恋愛力=好きな人リスト×リピート(接触頻度)×コミュニケーション力」でしたね。3つの要素のうち、どれか1つを突出して向上させてもいいけれど、それぞれの要素を少しずつでもバランスよく高めるほうが効率的です。

一方で、3要素のうちどれかがゼロに近いと、掛け算の効果で恋愛力は限りなく下がってしまいます。今回注目する「リピート」の要素で考えてみると、同じ相手とのデートの数を重ねないと恋愛関係に発展しようがないというわけです。

「デートがおっくうになる女性の気持ち、僕はわからないでもないんです。合コンやデートって、実際に行くまでが楽しいですよね。当日になると面倒くさくなったりします。僕は相手に色々と気をつかう性格なのでなおさらです。女性は、身だしなみも含めて"きちんとしなくちゃ"という姿勢が強いので、気が重くなってしまうのでしょう」

清水くんがよく耳にするのは、「初対面の男性と緊張してデートするよりも、気の置けない女友達と会うほうがはるかに楽しい。メイクも服装も適当で済む」という声です。そこで問いたいのは、優先すべきはデートなのか、それとも女子会なのか。

「目先のマイナス」ではなく「目先と将来のプラス」を考えよ

「デートが面倒くさくなったらこの図を思い出しましょう」と清水くん、この笑顔も思い出してください

ここで清水くんの眼鏡がギラリと光りました。「勘違いしてはいけません! 女子会は『消費』で、デートは『投資』です。消費は確かに気持ちいいけれどリターンはほとんどありません。投資をすることでのみ明るい未来が拓けるのです」

清水くんによれば、デートのリピートができていない女性は、「目先の面倒くささだけを見てしまっている」とのこと。白い紙に大きく十字を描き、横軸は「目先」と「将来」、縦軸は「プラス」と「マイナス」に分けて(写真のホワイトボードをご覧ください)、デートの効用を考えましょう。

「目先のマイナスは確かにあります。化粧が面倒くさい、相手に気をつかうなどですね。ここから一足飛びに将来のプラス(結婚できる、仲良くなったら他のいい男性を紹介してもらえるなど)に行くのは無理があるし疲れてしまいます。そうではなくて、目先のプラスを考える。デートをすれば、結果は出なくてもコミュニケーション力はアップするし、女子会とは一味違った店でおいしいものを食べられるかもしれません」

冷静に考えてみると、デートをすることでの「将来のマイナス」はほとんどありません。おっくうになる気持ちを抑え、少しの時間とお金(交通費と食費ぐらいですが)をかける決意をすれば、大なり小なりのプラスを得られるのです。ローリスクハイリターンの投資行動ですね。もちろん、人生には同性の友達も必要です。投資であるデートに前向きに臨むためにも、たまには気の置けない友達と遊んで(消費して)リフレッシュすればいいのだと思います。

今回は、デートの「リピート」をするための気持ちの高め方について清水くんの講義を受けました。女性との会食が大好きな僕には正直言って未知の世界でしたが、お誘いをしてもなかなか良い返事をしてくれない女性の心理は少しわかった気がします。来週は「コミュニケーション力」を学びましょう!

<著者プロフィール>
大宮冬洋(おおみや・とうよう)
1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)など。読者イベント「スナック大宮」を東京と愛知で不定期開催。食生活ブログをほぼ毎日更新中。

<協力者プロフィール>
清水邦浩(しみず・くにひろ)
ギター講師。愛知県岡崎市・蒲郡市で清水邦浩ギター・ウクレレ教室を経営。