今後のAIであるが、短期的にはAI担当のVPを雇い、AI機能を全社的に利用できるようにするとかして、AIの利用を現在のビジネスにちりばめる程度であるが、長期的には、より深く、AIをビジネスに組み込んでいくことが必要になる。また、AIを使った新しいビジネス戦略が必要になる。

今後の短期、長期のAIに対する対応

現在は、基本的なCNN、そしてキャプションを付加するネットワーク、音声を認識するRNNなどが実用化されている。

現在は、基本的なCNN、キャプション作成用ネットワーク、時系列データを扱うRNNなどが使われている

しかし、ニューラルネットワークの適用分野が広がるにつれて、異なる形状のネットワークも必要になってくると考えられる。その場合には、まず、トレーニングデータを上手く扱えるネットワークを作り、それがテストデータを上手く扱えるかをチェックし、問題があれば、ネットワークの変更や、学習データの追加などの対応を行うことになる。しかし、新たなネットワーク構造を作る場合などは、どのような構造が良いかは、研究者の勘に頼るBlack Magicという部分も出てくる。

新たな分野に対応するには、新たなネットワーク構造が必要になるケースも出てくる。基本的な2重ループの考え方は同じであるが、どのようなネットワーク構造が良いかなど分からない部分も多い

いずれにしても、AIの精度を向上させるためには、より強力なコンピュータを必要としており、スーパーコンピュータの発展が不可欠である。一方、AIはHPCの主要な用途の1つとなり、HPCの研究に貢献するという関係になるのが望ましい。

細かく言うと、AIの処理にはAll-Reduceのような通信の性能やPoint-to-Pointの通信性能の改善が望まれる。また、より良いプログラミングモデルも必要であり、MPIの改善が望まれるという。

今後のAIとHPCの望ましい関係

そして、AIを理解することも重要で、Ng氏のオンライン教育のCourseraや新著のMachine Learning Yearningを参照することを勧めた。