【連載】

事例で学ぶiPhone/iPad活用術

68 英語教材をデジタル化してiPadで利用 - 年間数千万のコスト削減(動画付)

  [2012/06/14]

全国のショッピングモールを中心に、「0才からのこども英会話」をキャッチフレーズとして幼児英会話教室を展開している「セイハネットワーク」。イトーヨーカドー系列のショッピングモール店舗内では「ヒルトップ」ブランドでこども英会話教室を運営しており、その40教室にiPadを導入して英会話のレッスンに利用している。

より楽しめる英語教室の姿を求めて

ヒルトップではこども専門に少人数制でのレッスン体系を実践しており、年間カリキュラムのすべてにおいて外国人講師が担当可能な体制を整えている。対象年齢は0歳から12歳までと幅広く、レッスンの内容も多岐に渡る。

こども英会話 ヒルトップ

セイハネットワーク 開発部 西日本ブロック担当マネージャー 浜元良寛氏

セイハネットワーク 開発部 西日本ブロック担当マネージャーの浜元良寛氏は、同社が提供するレッスンの基本的な考え方を次のように説明する。

「教室の中で子供たちが喜ぶこと、この追求が原点になっています。レッスンを実施するにあたっては、どこの英会話スクールでもさまざまな教材を利用して子供たちの興味や理解度を上げようと工夫をしていますが、独自の仕組みでより楽しめるようなものはないだろうかと考えていました」(浜元氏)

近年、幼児英会話教室への参入企業も増えており、いかに他と差別化を図るかが重要な課題になってきている。そこでセイハネットワークでは、ヒルトップブランド展開の1つの推進力として、レッスンで利用する教材の「フラッシュカード」をiPadに置き換えた。 フラッシュカードとは、そこに絵で描かれた「もの」の単語を学ぶ教材。A5判ほどの紙のカードで、1セットが700枚ほどあり、フルーツや昆虫、体の部分など多くのグループからなっている。

レッスン中、講師がこれを掲げながら子供たちに単語を教えていくのだが、その重さは全部で4kgほどあり、厚みも百科事典並み。同社には女性講師も多く、その取り扱いに苦労しているという声も聞こえていた。

紙のフラッシュカード。手で動きを加えながらこどもたちに見せていく

また、これを1教室1セットで運用していたが、破れたりして1枚でも欠損すると新たなセットを発注しなければならなくなり、その費用も1回あたり5万円ほどと、決して小さい金額ではなかった。

「教室としても、手軽でかつ効果の高いものを探していました。そこで、レッスンでよく利用されているフラッシュカードを電子化し、こどもたちの学習効果を高めるとともに、効率化とコスト削減にも貢献できればと考えてiPadを導入しました」(浜元氏)

具体的なiPadの活用方法は、以下の動画を参照。


教材をiPad化、音や視覚効果で興味を引く

同社は40店舗でこのフラッシュカードをデジタル化し、iPadのアプリで再現した。カードをめくる際の動きや音、解答までのカウントダウンのタイマーなど、今まで各講師それぞれが工夫していた演出効果を取り入れている。また、ネイティブ外国人講師による主要単語の発音も取り入れられ、いつでもどこでも本格的な英語に触れることのできる、深みのある教材としての価値が生まれた。

iPadのフラッシュカードでは動きや音声が加わった

セイハネットワークが提供するレッスンの講師を担当しているロバート先生も、「何といってもデジタル化のメリットは大きいです。重さを気にせず扱えるようになり、破損や欠損もありません。アニメーションや効果音なども付いているため、子供たちもより集中していますし、iPadは楽しいといってくれています」と、教室でのiPad利用には好印象だ。 また、内容の更新があった場合も、今までは各店舗それぞれに発送していたが、iPad上でダウンロードするだけで最新のものとなり、効率化およびコスト削減が図れている。

「こどもたちの反応も速くなった」とロバート先生(中央)

企業活動のプラットフォームとしての利用も

セイハネットワーク 常務取締役 坂口真一氏

同社 常務取締役の坂口真一氏も、「iPadを活用することで、社内のムリムラムダをなくすという狙いもあります」と、教材のプラットフォームとしてだけでなく、経営の観点からビジネスのプラットフォームとしてもiPad導入の効果を期待していると明かす。

「フラッシュカードをはじめとする紙や事務処理に利用しているFAXなど、全体で数千万円単位のコストが低減できる見込みです」と坂口氏。社内資料である入学申込書や受付書、教材発注書、生徒管理票などすべてを電子化し、iPadで一元管理することで効率化を実施したいという。

また本部の管理業務の中の1つで、レッスンの行われ方や店舗周辺が清潔に保たれているかといった現場情報を、担当者が実際に店舗を訪れてチェックをしていたという。

「本社と教室との連絡手法としてFacetimeを利用すれば、こうした担当者の移動コストも削減可能ですし、先生間あるいは教室間でノウハウの共有なども考えられます。iPadひとつあれば、ビジネスの場面ほぼすべてで利用できると思います」(坂口氏)

今後は、全国の教室すべてに導入を拡大(全400台)していく予定だという。その後、全社員にも配布を検討しており、それが実現すれば、まさに全社でのリアルタイムな情報共有が可能となる。また、お客さまとのコミュニケーションツールとしての役割も付加されることになれば、今までにないサービスが考えられると期待を寄せる。

「これからもiPadで事業効率を上げながら、iPadを使った新商品の開発も同時に行っていきます。iPadのセキュリティには定評もありますし、MDMによる端末管理も行っているため、安心してビジネスに広く活用していけると考えています」(坂口氏)

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