【連載】

事例で学ぶiPhone/iPad活用術

61 八光建設がiPhoneと固定電話の内線化を実現 - 2割の通信費を削減

  [2012/05/01]

八光建設は1964年創業の、福島県に本社を置く建設会社である。北海道から東京まで東日本を中心に展開し、建築および土木に関する企画開発から設計・施工・管理までを手がけている。

同社は、地方のゼネコンとして公共事業を中心に展開してきたが、今では民間からの需要が8割前後を占めている。IT技術を積極的に取り入れてきた同社は、工事現場へWebカメラを設置して工事の進捗確認や状況を顧客に確認してもらうなどの手法も取り入れてきた。同社は業務効率向上と通信費削減のため、2011年12月にグループ企業全体で固定電話と業務用携帯電話iPhoneの内線電話化を実現させた。

固定電話とiPhoneを組み合わせた内線電話化は、アイソルートが提供する「SmartFMC」というソリューションが実現する。iPhoneにインストールしたソフトウェア(SmartFMC)とPBX(構内交換機)の機能を組み合わせることにより、iPhoneへの内線転送が可能となる。また、iPhoneから発信する際にPBXを経由することで、会社の固定電話番号からの発信が可能になった。例えば、福島県郡山市なら「024-9-**」などで始まる固定電話番号からの発信へ変換される。

SmartFMCの機能。相手の電話番号をダイヤルするだけで、事務所(PBX)経由の発信が可能

SmartFMCの機能。よくかける相手をお気に入りに登録

同社の専務取締役 園部好洋氏は、SmartFMC導入の経緯について次のように語る。

「2011年12月に既設の固定電話機器がリース満了を迎えようとしていました。リース満了後は、新しいビジネスフォンを導入する計画もありましたが、それでは従来課題となっていた担当者不在時の折り返しの対応や、通信費用の削減にはつながりません。固定電話のビジネスフォンに固執せず、現在利用中の携帯電話を活用しながら業務効率を向上させ、通信費用の削減が可能になる新しいシステムを検討していました。会社にかかってきたお客さまからの電話を内線として社員の業務用携帯電話へ転送できれば、お客さまとその場で話ができます。2011年1月にソフトバンクからiPhoneを利用した内線電話ソリューション「SmartFMC」の提案を受けて商談が進み、同年12月導入に至りました」(園部氏)                       

八光建設 専務取締役 園部好洋氏 

ラボット・プランナー 統括マネージャー 七海学氏

iPhoneを活用して内線電話化を推進していたグループ企業のラボット・プランナーで統括マネージャーを務める七海学氏は、「業務用携帯電話はソフトバンクのフィーチャーフォンを利用していましたが、3年を経過し機種変更の時期を迎えていました。後継の携帯電話を選定していた際、全国的にスマートフォンがシェアを伸ばし、多くの企業でiPhoneを導入しビジネスに活用している話を聞いていました。そのため当社もビジネスでの活用を期待して、グループ会社全体の業務用携帯電話60台をすべてiPhoneに機種変更しました」と語る。

SmartFMCにより月額通話料金が削減

SmartFMC導入後、固定電話と業務用携帯電話は次のように活用されている。工事担当者が外出している際に顧客から担当者宛に電話があった場合、社内スタッフが電話を一旦保留、担当者のiPhoneへ内線で呼び出しを行う。呼び出された担当者は、内線通話を切ればそのまま顧客との通話が可能になる。顧客からの電話をすぐに受けられる体制になったため、迅速な対応が可能となり、仕事が円滑に進むようになった。

SmartFMCを導入したことで、グループ会社で個別に固定電話設備を導入するよりも、初期費用や工事期間が圧縮された。月額基本料金も、各施設での契約回線が本社に一元化されたことで、固定電話契約数が減少して削減された。さらに、ソフトバンクテレコムの「おとくライン」も導入。iPhoneからの発信が、SmartFMCによりこのおとくラインからの発信に変換されるため、月額通話料金の削減にもつながった。

顧客満足度の向上を実感

導入前のグループ全体の通信費用は毎月およそ55万円で、内訳は携帯電話がおよそ50万円、固定電話が5万円前後となっていた。導入後は、およそ2割前後の通信費用が削減された。

八光建設の常務取締役 佐藤義幸氏は、「内線電話化は業務効率を向上させ通信費用の削減が目的でしたが、副次的な効果もありました。それは顧客満足度の向上につながったことです。お客さまは折り返しの電話でなくその場で担当者と会話ができ適切な回答が得られます。お客さまの立場になれば、その場で会話できることが理想ですから満足度の向上につながります」と語る。

八光建設 常務取締役 佐藤義幸氏

ラボット・プランナー 取締役 薄井康氏

iPhoneのほかの活用方法について、ラボット・プランナー 取締役 薄井康氏は次のように語る。

「従来の携帯電話は画面が小さく画素数も低かったために、現場の写真撮影時には不向きで、デジタルカメラを常に携帯していました。iPhone4Sのカメラは800万画素ありますから、簡単な現場写真はデジタルカメラの代わりに活用できます。さらに初めての現場へ訪問する際は、iPhoneのアプリケーション「マップ」を活用して現場までの道順を検索できますから、自動車にナビゲーションがなくても安心です」(薄井氏)

今後同社が次の段階として見据えるのは、現在活用しているiPhoneを使った外出先での勤怠報告や災害時の安否確認である。業務の拡大をしていくうえで、良いサービスを取り入れ、さらなる業務改善を図っていくという。

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