「格安スマホ」という言葉を耳にしたことはありますか? Webページのバナー広告などでたまに見かけることがあるかもしれません。その名の通り、大手携帯電話会社よりも格段に安い料金でスマホを利用できるサービスのこと。安いのはいいけど、自分はiPhoneを使っているから使えない……とお思いかもしれません。が、そんなことないんです。iPhoneでも、格安で利用できるケースがあるんです。

ちなみに「格安スマホ」というのは通称で、本来はMVNO(Mobile Virtual Network Operator = 仮想移動体通信事業者)というのが正しいのですが、ここでは格安スマホで統一します。ご了承ください。

そもそも格安スマホとは?

格安スマホというと安いスマホを利用するようなイメージがありますが、実はiPhoneでも格安スマホのサービスを利用することができます。ん、どういうこと? 順番に説明していきましょう。

大手携帯電話会社はご存知のように国内のあちこちに基地局を建て、人の住むエリアに電波を届けるインフラを持っています。格安スマホの会社は、大手通信会社からこのインフラをまとめ借りし、利用者に回線を提供しています。回線の卸売りみたいなものですね。

なぜそれで安くなるかというと、ひとつはインフラを自前で持たないために保守整備コストが直接かからないこと。また、大手携帯電話会社のように全国に販売店を展開せず、多くはWeb上でサービスやサポートを提供しているため、場所代・人件費も大幅削減。さらに、多くの格安スマホ企業はCMその他の広告費も極力控えています。

自前でインフラを持たず、店舗や広告の費用も削減

ただし、その分マイナス面もあります。通信帯域は大手携帯電話会社の利用者が優先されるので、混雑時は通信が遅くなる場合があります。また、多くは販売・サービスのための実店舗を持たないため、サポートはWebページでのチャットや、電話・メールに限られます。

格安スマホの提供形態

格安スマホのWebサイトを見ると、多くの場合2種類のサービスが提供されています。ひとつはスマホ本体+SIMをセットで契約する、いわゆる従来型のサービス。もう一つは、SIMだけを契約して使うサービスです。SIMとは、携帯電話が通信するためのカギとなる小さなチップで、iPhoneの場合は側面の差し込み口に挿入されています。

格安スマホのサービス提供形態

iPhoneに挿入されているSIM

SIMだけあってどうするの? とお思いかもしれませんが、この場合は「SIMフリー」といわれる汎用型のスマホを自分で用意する形になります。従来、日本ではドコモで契約したらドコモの端末でドコモの回線を、auで契約したらauの端末でauの回線を使う仕組みが一般的でしたが、SIMフリー端末であれば回線契約はどの会社を利用しても通信が可能なのです。

SIMフリー端末なら、「回線契約」と「端末」を個別に選べる

iPhoneも例外ではありません。SIMフリーのiPhoneを用意すれば、格安スマホでSIMだけを契約し、通信を使用することが可能なのです。

次回は、SIMフリーのiPhoneと、現在使用中の(大手携帯電話会社で購入した)iPhoneをSIMフリーにする方法についてご紹介します。