この連載では、ネットワークカメラのセットアップ方法を解説すると共に、利用方法や使い勝手についてもレポートしていきます。第一回では、ネットギア製Arlo Q Plusのセットアップについて解説しました。第二回の本稿では、Arlo Q Plusの利用方法について解説します。

本連載の予定
1回目・・・Arlo Q Plusでの設定作業解説
2回目・・・Arlo Q Plusでの利用、レビュー(本稿)
3回目・・・BB-ST162Aの設定作業解説
4回目・・・BB-ST162Aの利用、レビュー
5回目・・・P1364の設定作業解説
6回目・・・P1364の利用、レビュー
※4回目、6回目の連載では、Arlo Q Plusと比べてどのような使い分けができるか、という目的に応じた製品を選ぶポイントについても解説します。

Arlo Q Plusの使い方

Arlo Q Plusはブラウザ上で「arlo.netgear.com」を表示後、メールアドレスとパスワードを入力し、ログインして使います。トップ画面では、現在カメラで映しているLive映像を見る事ができます。

本体のマイクから拾える音も聞こえます。操作は、ズーム、一時停止、録画、スナップショット等アイコンですぐ実行できるようになっています。スマートフォンからの操作もほとんど同じです。スマートフォンで操作している時、マイクのアイコンをタップすると、こちらの音声を本体のスピーカから発信する事ができます。また、録画した動画やスナップショットを見るためには、ライブラリを選択します。

見たい動画やスナップショットを選択して再生したり、ダウンロードしたり、削除もできます。動画やスナップショットが複数ある時は、画面右上の「選択」をクリックすると複数選択可能になるため、一括してダウンロードしたり削除したりできます。

画質

Arlo Q Plusは、240p、360p、480p、720p、1080pの解像度をサポートしています。デフォルトは720pです。720pはハイビジョンと呼ばれ、1280×720ピクセルの解像度です。720pあれば、スマートフォンやパソコンで全画面表示した時でも綺麗に表示されます。更に解像度が高い1080pはフルハイビジョンと呼ばれ、1920×1080ピクセルです。解像度が高い程綺麗になりますが、データ量も大きくなります。以下は、240pから1080pで30秒間録画した時のデータ量です。

データ量は参考値で保障するものではありません

データ量が多くなると、保存できる容量が沢山必要になりますし、再生まで時間がかかります。また、外出先からスマートフォンで再生する際は、通信速度制限も気にする必要があります。例えば、上記表のデータ量であれば、1080pの時は約100分で1GB(=1,000,000KB)になりますが、720pの時は約250分、480pでは約500分参照できます。つまり、外出先からスマートフォンで使う事が多い場合、許容できる画質の範囲で解像度を下げると、通信量を抑える事ができます。解像度は、「設定」→「Arlo Q Plus選択」→「録画の設定」で行えます。

赤枠部分で解像度を選択すると、すぐに反映されます。また、Arlo Q Plusは夜間でも撮影できるようLEDが搭載されています。

夜間、部屋の照明を切った状態でも撮影が可能です。

クラウドの利用

Arlo Q Plusは、クラウド経由でLive映像や動画、スナップショットを見る事ができます。クラウドとは、インターネットにあるサーバ等の事です。Arlo Q Plusを購入すると、クラウドの無料プランが使えます。無料プランでは、1GBの保存容量があります。先ほどの表を例にすると、720pの解像度であれば約250分間の動画が保存できます。クラウドを利用するメリットは、必要に応じてプランが変更できる点です。以下は、Arlo Q Plusを利用する時のプランです。

最初はBasic(無料)プランを利用し、保存容量が増えたりカメラの台数が増えたりした時、PremierやEliteプランに変更できます。クラウドのもう1つのメリットは、インターネットから自由に使える事です。スマートフォンから動画を見るためには、そのデータにアクセスできるようにする必要があります。自宅や企業内にデータを保存すると、インターネットからアクセスできるようにするのは困難で、ネットワークの知識が必要です。クラウドの場合、インターネットから自由にアクセスできるため、外出先のパソコンやスマートフォンから動画やスナップショットを簡単に見る事ができます。

録画タイミング

録画のタイミングは、デフォルトが動作・音声検知です。人が動いたり、音が鳴ったりすると録画を開始し、登録したメールアドレスに通知メールが送信されます。動作・音声検知は、録画を開始した時には人が通り過ぎていたといった事態が発生しやすいのですが、Arlo Q Plusは約1秒さかのぼって録画を開始できます。検知した時の録画時間や検知の感度、検知の範囲(ゾーン機能)、通知方法、検知しない等の設定は「モード」→「警戒の右にある矢印」→「編集」を選択すると変更できます。また、検知する時間をスケジュールする事もできます。「モード」→「スケジュール」を選択すると以下の画面になります。

デフォルトで上記のように月曜日から金曜日の8:00から17:00まで動作する設定がされています。緑部分をクリックして編集したり削除したりできます。また、右上の「+追加」をクリックして動作する曜日や時間帯を設定できます。監視の目的であれば、深夜や留守にする時間帯を警戒にしておくと、不審者の検知ができます。なお、CVR(Continuous Video Recording)プランを購入すると、24時間連続録画が可能になります。

おわりに

今回の記事を執筆するに当たり、Arlo Q Plusをネットギア製LANスイッチGS108EPPとGS408EPPに接続して検証を行いました。GS108EPPとGS408EPPはPoE(Power over Ethernet)に対応しているため、電源はツイストペアケーブルから供給されます。今回の検証でもArlo Q Plusを何か所かに設置しましたが、電源の心配をする事なく設置できるのは便利です。また、安定したネットワークでないと映像が途切れる事がありますが、映像も途切れる事なく表示されました。次回は、Panasonic製BB-ST162Aのセットアップについて解説します。

のびきよ

2004 年に「ネットワーク入門サイト」を立ち上げ、初心者にも分かりやすいようネットワーク全般の技術解説を掲載中。著書に『短期集中! CCNA Routing and Switching/CCENT教本』、『ネットワーク運用管理の教科書』(マイナビ出版)がある。

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