第10回 iPadでEvernoteを便利に使おう

最近、クラウドサービスが増えてきたのはPC、スマホ、タブレットと複数の端末で同じ情報を扱うために便利なサービスだからだ。クラウド上にデータをアップしておけば、それぞれの端末で専用アプリやWebブラウザを使ってデータにアクセスして利用することができる。ひとつのデータを扱えるため、例えばiPhoneで更新したデータは他の端末でも最新のものを扱うことができる。

iPhone、iPadとPC、Macといった関係であれば、iCloudを使うことで住所録やWebのブックマーク、メモなどかなりの部分を同期して利用できる。しかしそれらを使うアプリは限定されており、他のクラウドサービスを組み合わせた方がより便利に使うことができるはずだ。

様々な情報の扱いはEvernoteで

様々な情報をあらゆる端末で使うことができる便利なクラウドサービスがEvernoteだ。Evernoteは無料で使うことができるクラウドの情報クリップサービスで、無料版では月に60MBまでのデータをアップロードできる(有料版は月額450円で1GBまで)。ノート1つあたりの容量は25MB(有料版では50MB)で、PDFや画像も利用可能だ。デスクトップ版、iOS版とも専用アプリがあり、同期して使えるのでどの環境でも最新のデータを参照して利用できる。ノートを開いてテキストを書いて保存したり、Webページをコピー&ペーストで保存するメモアプリと言った使い方だ。文書の内容は検索でき、PDFデータの場合も文字列をスキャンして検索で扱える機能があるため、他のデータと同じように検索で扱うことができる。

ノートの分類はカテゴリ別にノートブックを作って行う。例えば「レシピ」というノートブックを作り、Webで気になった料理のレシピをコピー&ペーストで保存したあと、カテゴリをレシピにすればOK。PC版ではノートブックにドラッグ&ドロップで分類できる。

さらに多くのアプリがEvernoteとの連携が可能なので、ニュースアプリからEvernoteへ直接クリップと言った使い方もできる。他のクラウドメモサービスもあるが、他アプリとの連携という部分で圧倒的に有利なこともEvernoteを使う理由のひとつになるだろう。

筆者は仕事の打ち合わせノート、レシピ、Webニュースの切り抜きや旅行時にオンライン発行したチケットなども保存しておくようにしている。利用するデータを一ヶ所に保存しておくことで、「常にここにいけばデータがある」状態を作ることが大切。その点、どんなデータも扱えるEvernoteは便利だ。

Evernoteの基本画面。ノートは最新のものから順に、ノートブックはカテゴリ別に分類されている。位置データなども活用して分類される

PDFデータなどを読み込ませておけば表示が可能だ。必要な資料などをまとめて保存するのに使おう

Evernoteをさらに便利に使えるアプリを利用しよう

面倒なのはWebページをクリップするときの方法だ。Webページの表示中にブックマークを呼び出すことでWebページをEvernoteに保存することができる「ブックマークレット」を作ることが推奨されているが、ブックマークレットを作るというのが分からないという人には敷居が高いかもしれない。

そこで活用したいのがコピーしただけで内容をクリップし、Evernoteに送ることができるアプリだ。『EverClip』というアプリは一度起動してEvernoteと連携させておくとバックグラウンドで稼働する。コピーした項目をクリップボードのようにいくつも保存し、Evernoteに登録することができる。Webページ、PDF、画像、テキストなどがそのままクリップでき、WebページについてはURLをコピーするだけで丸ごとページをクリップできる。

コピーした項目はバックグラウンドで処理されて一覧で表示される。Webページだけでなくコピーできるアプリならなんでも使えるところもポイントだ

読み込んだデータは右上の矢印ボタンでアップロードし、Evernoteに保存できる

もうひとつ、Evernoteをメモ帳として使いたい人にオススメなのが『Textever Pro』だ。起動してすぐメモを取ることができ、写真を添付したりチェックボックスなどを使った文書を作ることもできる。更新されたメモはオンライン時に自動的にEvernoteに同期される。またEvernoteからメモをインポートすることもできるので、他の端末で作った文書を読み込んで閲覧、編集も可能だ。サクサク使えるメモ帳としてEvernoteを活用したい人なら便利に使えるはずだ。

メモモードで扱いやすいのが特徴。写真データを複数添付したり、チェックボックスなども利用できる

書いたデータは自動的にEvernoteに保存される。またノート一覧ページでEvernoteのノート一覧から選んでインポートし、編集することもできる