【コラム】
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| ID:100 |
| 氏名:野田篤司 |
| 年齢:45歳 |
| 職業:宇宙機エンジニア |
| 場所:柏 |
| 携帯電話:ウィルコム「feel H" Panasonic KX-HS100」 |
| 1カ月の携帯電話使用料金:約4,000円 |
今回は宇宙機エンジニアの野田篤司さんです。
野田さんのご職業は宇宙機エンジニアということですが、まず、具体的なお仕事内容から教えて下さい。「例えば、服が欲しい、家が欲しいといった場合、服なら既製品、家なら建売を購入するという選択肢があります。でも、既製服や建売住宅ではない、オリジナルの服や家が欲しいとなると、デザイナーさんや建築設計士などに相談しに行くかもしれませんよね。で、宇宙で使うロボットが欲しい、衛星が欲しいなど、宇宙で何かをやりたい場合に最初に相談しに行く相手は誰か。それが僕なのです。
宇宙で使用する機器などの設計の第一段階のコンセプトデザインを行うのが仕事で、言うなれば、宇宙機のコンセプトデザイナーというわけです。また、機器の設計や開発に必要な設備、コンピュータ、ソフトウェア、人材などのセッティングも行っています。つまり、コンセプトデザイン、デザインの理論、それに必要なコンピュータやソフトウェアや人材などを用意するという、大きく分けて3つが僕の仕事で、それらを全部ひっくるめて、宇宙機エンジニアと名乗っているのです。このような仕事を行っている人間は、多分、日本には何人かしかいないと思いますね。ただし、相談を受け、実際に仕事に結びつく割合は2~3割程度で、実現化されないことの方が多いです。打率2割取れれば良いという世界です。宇宙飛行士からのオファーも1回ありましたよ。
そもそも、僕がこのような宇宙関連の仕事に最初に興味を持ったのは、36年前のことです。それは1969年で、小学3年生の夏休みのことでした。アポロ11号が月面着陸する様子をTVで見たのがきっかけで、結局、その時に受けた強烈なインパクトにとりつかれてしまったんですね。そして、その年の夏休みの工作に、アポロ11号の模型を作ったんです。ところが、本当はもっと大きくて精密なものを作りたかったのに、中途半端なものになってしまったという思いが子供ながらに残り、どうしても本物を自分の手で作りたいという思いを強く持ってしまったのです。
最初は、宇宙船を作るよりも宇宙飛行士になりたいと思っていたのですが、それよりも、自分には作ることの方が面白いような気がして、もしも宇宙飛行士になるとしたら、自分が作った宇宙船に乗りたいと思うようになっていったんです。自分の小学校時代の卒業の寄せ書きを見返すと、"将来、飛行機かロケットを作る人になりたい"と書いてあって、同窓会でたまに先生に会うと、"野田君、昔と全然変わっていないね"なんて言われます。僕自身、"僕はいつか自分で作った宇宙船に乗って宇宙に行くぞ!"と言っていた小学3年生の鼻たれ小僧の頃から、全然、進歩していないなぁと思います。しかも、夢の実現に向けて、研究を重ねれば重ねるほどゴールが遠ざかっているみたいで、それだけ、実現することが難しい夢だったということも、今改めて感じています。
一方で、僕はコンピュータも大好きなのですが、それもアポロ11号がきっかけなんです。同じく、忘れもしない1969年7月16日、TVで、アポロ11号の打ち上げの様子の録画を放送していて、それも、父親と一緒に見たんです。今でもその映像を鮮明に覚えているのですが、アポロ11号って、打ち上げの際、右か左に一度、大きく傾くんですよ。それをすぐにぐいっと戻して、まっすぐ宇宙に向かって上がっていくんです。ほかのロケットはそういったことはないのですが、11号だけが最初、"あ、失敗したのかな?"と思うくらい傾くんです。でも、すぐに体勢を整えて上がっていくんですよね! 僕はそのとき、父親に"あの宇宙飛行士はすごいね!"と言ったんです。すると、父親が「あれは宇宙飛行士がやっているのではなくて、コンピュータがやっているんだよ」と教えてくれたんです。それがコンピュータにもとりつかれたきっかけなんです。
つまり、アポロ11号をきっかけに、宇宙とコンピュータの両方にとりつかれてしまったというわけなんです。そして、中学生の頃から、徐々にコンピュータのプログラミングを始めるようになったんです。当時の中学生でプログラミングを始めていた人は、ほとんどいなかったと思います。そして、高校1年~2年の時、自分でコンピュータを作ったんです。当時としては珍しいことだったのですが、僕の通っていた中学・高校は進学校だったので、学校にコンピュータがあったんです。そして、数学の先生にプログラミングを教えてもらい、少しずつ覚えていきました。とはいえ、何ビット、何ステップ程度しか組めないような、今思えば、プログラム電卓にもならないようなものだったのですが、その頃は、それを使って連立方程式を解いたり、簡単なパズルをやったりしていましたね。
そして、自然な流れとして、どうしてもコンピュータが欲しくなり、高校1年~2年の春休みに、秋葉原でパーツを買ってきて自分で作ったんです。というか、当時は自作せざるを得ない環境だったんですよ。今にしてみれば、自分はビルゲイツに1年くらいしか遅れをとっていなかったんだな~ということがわかりますね(笑)。その自作のコンピュータもメモリが1KBしかないようなものでしたが、高校2年の11月の文化祭の時に、人対コンピュータによるオセロゲームというものを展示したんです。その時、僕以外にももうひとり、同じようなことをやって展示している同級生がいましたね。
回路図ももちろん自分で起こしました。回路図は『トランジスタ技術』とか『インタフェース』といった本で勉強しました。周りの反応は"変な奴"でしたね(笑)。でも、父親がハンダ付けを手伝ってくれたのを覚えています。今では、"あの頃、お前が趣味で始めたことが、このような一大産業になるとは当時は夢にも思わなかったよ"とよく言われます。父親はいわゆる金型屋で、町工場の親父です。ケータイのボディやMDプレーヤー、CDプレーヤーのハードを作るための金属の型などを作っています」
(インタビュアー=山田久美)
*次回に続きます。
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