【コラム】

ストリートインタビュー

71 携帯電話を自国風にカスタマイズするIT先進国の会社員

山田久美  [2001/11/22]
ID:068
氏名:池尚彦(チー・サン・ウォン)
年齢:32歳
職業:会社員
遭遇場所:有楽町

携帯電話:ドコモ「N501i」

1カ月の携帯電話使用料金:8,000~10,000円

今回は、韓国に本社を持つ現代ジャパンの池尚彦(チー・サン・ウォン)さんです。有楽町の電気ビル内にあるオフィスからお届け致します。

チーさんは日本語がとてもお上手ですが、いつ頃、日本にいらしたんですか?「僕は、韓国で生まれ育ったんですが、高校卒業後、日本の大学に入学したんですよ。何故、日本の大学を選んだかというと、外国に行きたかったからと、日本が韓国に近い国だったから。本当は、大学卒業後、帰国予定だったんですが、ちょうどその頃、韓国では、金融危機が起こっていて、みんなに "今、帰ってくるな"と帰国を反対されて……。やっと最近、立ち直ったところなんですけど、景気が良くなってから、帰国した方が良いだろうということで、大学卒業後、日本で就職することにしたんです。とはいえ、このところ、米国の経済状況が悪化しているので、やっぱり、景気はそれほど良くないですね。日本同様、韓国も輸出に頼る国ですし、輸出先は米国がメインですからね」


韓国の大手商社「現代(HYUNDAI)」の日本法人「現代ジャパン」

日本のIT化は、韓国にかなり遅れを取っていると聞きますが、それはいつ頃からですか?「日本に来たばかりの頃は、日本の方が進んでいると思ったんですよ。でも、その後、日本は、ISDN中心にインフラを整備し始めましたよね。でも、韓国では、1997年頃から、米国で開発されたADSLのAタイプを、導入し始めたんです。ADSLなら、今までの電話線をそのまま使うので、大きな工事が不要だったため、急速に浸透したんです。国が小さく人口密度が高いので、やりやすかったっていうのもあったでしょうね。今では、国民全体の70%が、1家に1台、PCを持っているんじゃないでしょうか。僕の実家でも、PCを持っていて、仕事から帰るとよく、韓国の家族とネットミーティングをやっています」

では、チーさんのお仕事内容を教えて下さい。「今年の9月に、情報通信チームという部署に移ったばかりで、その前は、韓国から鉄とかパイプとかを輸入してきて、日本で販売する業務を担当していました。今は、USBの外付けHDやPCなどを、企業向けに営業、販売しています」

「日本の開発会社と手を組んで、VoIP技術を使ったIPフォンを、企業向けに販売する予定もありますが、今は、パートナーを探している段階です。IPフォンのメリットは、インターネット網を使うので、海外にかけた場合、とにかく、電話代が安く済むこと。弊社みたいに、日本が現地法人で、本社が外国にある企業の場合、本当に安いですよ。送信者側が、IPフォンで、受信者側が普通の電話機でも、かなり安くなります。それに、いつも連絡を取り合っている相手であれば、同じIPフォンを設置することで、電話代はタダになります。韓国の本社の方にも、当然、同じIP電話機を設置していますから、電話代は全くかかっていないことになります。音質などもほとんど変わらないですよ」

全社で導入しているIPフォン
韓国本社との通話も一切無料でかけられる

今後、急速に広まりそうなIPフォンの出現で、電話代が、距離や時間帯によって変わる時代は、ここ数年で終わりを告げそうですね。

ドコモの「N501i」は、朝の通勤ラッシュ時に新聞代わりに使っている。待ち受け画面は母国韓国の国旗で、着信メロディは国歌だそうです

ところで、携帯電話はお使いですか? 「仕事で使っています。去年、出たばかりの時に買ったNEC製の『N501i』です。iモードに興味があったのと、その頃、画面が一番大きくて、新製品だったので、これを選びました。iモードは、電車の中で、新聞の代わりに、ニュースサイトを読むことに使う場合が多いですね。毎朝、産経新聞のサイトをチェックしています。満員電車の中って、やることないし、苦しいじゃないですか。携帯電話に集中すれば、そんなに苦しくないですから。あと、韓国の新聞の日本語版を読むこともできます。朝鮮日報のサービスをやっているんですよ。これを見れば、日本の新聞では知ることのできない韓国の事情がわかります」

新聞を小さく折りたたんで、上手に読んでいるサラリーマンも多いですよね。「新聞を満員電車の中で読むのは、無理があります(笑)。iモードは、これぐらいしか使っていないですね。メールは、家にも会社にもPCがあるので、携帯電話ではやらないです。主なiモードの用途はニュースサイト閲覧ですね。待ち受け画面は、韓国の国旗です。着メロは遊び半分で、韓国の国歌を入れています。でも、仕事中はバイブにしています」

「携帯電話は、韓国よりも日本の方が進んでいますよ。韓国人は、通話が多いと思います。iモードのようなサービスは、あることはありますが、あまり使っている人はいないですね」

USB2.0対応のポータブルHDは、薄くてコンパクトで最大30GBの容量。来年早々に量販店で発売予定の商品だそうです

「次に、モバイル・デジタル機器として、是非、紹介したいのが、USB2.0対応のポータブルHDです。実は、弊社で、来年早々から量販店で売りたいと思っている商品なんです。色は、赤、黒、青、シルバーの4色があって、USBケーブルでPCとつないで、外付けHDとして使えるものです。最近は、HDの容量も大きくなってきていますが、まだまだ、小さいじゃないですか。その代わりに、外付けHDも販売されていますが、どれもでかくで、持ち歩けないんですよね。でも、これなら、ケースはアルミ製で、重さ127gなので、簡単に持ち歩けます。6GB~30GBを用意していて、30GBのものは、3万円以下で販売する計画です。USB2.0なので、転送速度が早く、映像とかを入れることも簡単にできるようになります。これの前は、USB1.1対応だったんですが、1.1から2.0に変わることで、ファイルの転送速度は、30~40倍になります。1.1対応の商品も、米国やヨーロッパでは、結構売れているんですよ」

便利そうですね! 30GBで3万円以下なら、かなり嬉しいかも…。薄型コンパクトで、持ち運びもすごく楽そうですね。

会社所有のソニーのマビカは、韓国の本社とのやり取りに大活躍。記録メディアがFDなのでとても便利とのこと

さて、次にデジカメですが、これはチーさんの私物ですか? 「いえ、会社で2年ほど前に買ったソニーのマビカ『MVC-FD85』です。幕張メッセや東京ビッグサイトなどで、さまざまなイベントをやった際に、会場の様子などを撮影して、韓国の本社にメールで送ったりしています。それから、前の部署にいた時は、鉄鋼関連の業務だったので、お客さんからのクレーム内容を、韓国の本社に報告する際に使っていました。例えば、鉄板の表面に傷があった場合、それを本社に説明しなきゃならないじゃないですか。どこの部分にどれくらいの傷があったとか…。それを、文章や口で説明するよりも、傷の画像を撮って送った方が、状況を簡単に相手に伝えることができるんです」

「それから、多少かさばりますが、記録メディアがFDなので、いちいちPCにつなぐ必要がなく、PCで画像を見たい時、非常に便利ですよね。それにメモリースティックって、すごく高いじゃないですか。ビックリしました。でも、FDなら、気軽に、"1枚下さい"とか言えますしね(笑)」

色々と興味深いお話しをどうもありがとうございました!ではまた次回です。

日本の大学を卒業後、そのまま日本で就職をしたチー・サン・ウォンさん

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