【コラム】

ストリートインタビュー

57 HP社のモバイル端末を使い続けてきたラジオプロデューサー

    山田久美  [2001/08/02]
    ID:057
    お名前:伊藤浩一
    年齢:38歳
    職業:会社員
    遭遇場所:お台場「ニッポン放送」内

    携帯電話:ドコモ「F503i」

    1カ月の携帯電話使用料金:15,000円

    今回は、お台場にあるニッポン放送の社内からお届けします。インタビューに協力して下さったのは、「オールナイトニッポン」などの番組を担当していらっしゃる、同社プロデューサーの伊藤さんです。伊藤さんは、自他共に認めるモバイル端末フリーク。数々の貴重な歴代機種を見せていただきました! 盛りだくさんの内容なため、2週に分けてご紹介します。

    まず、伊藤さんが運営されている『伊藤浩一のパソコン日記』からお伺いします。もうすぐ、アクセス数63万件(!)に届きそうな勢いですが、いつ立ち上げられたのですか? 「1997年の5月です。ラジオ番組のプロデュースの仕事をしているので、最初は、自分が担当している番組のサイトを勝手に作っていたんですよ。ところが、仕事でやっていると、番組が終わっちゃった場合、著作権の関係で、サイトも閉じなくてはいけないんです。それが虚しくて、ならば、自分個人のサイトを作ろうと思い立ったのがきっかけです。もともとモバイル端末が好きで、ずっと愛用してきたので、モバイルとPCに関する情報を日記形式でアップしています。最近買ったPDAに関して、どこが使いやすい、どこが使いにくいといった内容が多いです。ネタは、暇がある時に書きためています。サイトの更新とメールマガジンは、毎日やろうと思っています」

    サイトのアクセス数がすごい数ですが、どういった方が見に来られるんですか? 「立ち上げた当初は、モバイルに関するサイトを作っている人があまりいなかったので、リンクを張り合って、お互いに助け合ったりしていました。今は、モバイル端末が出るとすぐに買って、その日のうちに日記をアップするんで、新製品の発売日にその機種名で検索すると、僕のサイトがすぐにヒットするみたいです。サイトを見にくる人は、その機種を買いたい人がほとんど。買った後、"これは、どう使うんですか"といった質問のメールが来て、そこからコミュニケーションが始まることもあります」

    ヒューレット・パッカード社の「HP200LX」

    「何故、モバイル好きかというと、うちの会社って特殊で、大部屋システムというのを取っていて、個人のデスクがないんですよ。僕の部署では、でかい机が4個ほどあって、それを約20人でシェアして使っているんです。外部スタッフや放送作家さんが多いので、このようなやり方をしているんですが……。そういった環境の中で、インターネットやメールをやらなきゃならないんで、モバイルできるということが、いわば必須条件なわけです。それで、1995年に『PowerBook145B』、その後『PowerBook520C』を買って、番組の専用サイトをPowerBookで作っていました。そのうち、知り合いで、ヒューレット・パッカード社の『HP200LX』を使っている人がいたので、僕も使い始めて、それ以来、ずっとヒューレット・パッカード社のモバイル端末を使い続けてきました」

    「『HP200LX』には、マイクロソフト社のDOSが乗っていて、元はただの電卓です。日本語は使えない環境だったんですけど、ニフティのFHPPCっていうフォーラムの方が有志で、日本語ソフトとかを作り始めたんです。それで、どんどん日本語化していったり、ユーザー同士で、回路にモデムを差し込んで、通信できるようにしていったという、面白いマシンなんです。内蔵メモリは2MBしかありませんが、僕の場合、HP200LXはメール用、PowerBookはサイト作成用といった感じで、併用していました」

    1997年7月に購入したカシオの「カシオペア」

    「その後、1997年7月に、WindowsCE機であるカシオの『カシオペア』が出たので、購入しました。PowerBookとHP200LXの2台でやっていることを、これ1台でやってしまおうと思ったからです。これを使って、自分でHTMLのタグを書いて、サイトの作成をしようと思い始めたんです。ちょうどその頃に、『パソコン日記』を立ち上げました。でも、現実的には、OSが不安定だったり、HP200LXの方が使いやすかったりで、HP200LXユーザーは、カシオペアには飛びつきませんでした。とはいえ、インターネットということに絞ると、カシオペアの方が有利です。HP200LXは、HTMLの表現に制限がありますが、カシオペアはパソコンに近い状態で、サイトが閲覧できるんですよ」

    Macユーザーの伊藤さんですが、カシオペアは、WindowsCE機ですよね。「何としてもカシオペアに移行したかったので、結局、Windowsのデスクトップを買いました(笑)。なので、現在、仕事ではMacのiBook、プライベートではWindowsを使っています」

    NTTパーソナルの「パルディオ321S」は、モデムカード付きのPHS

    「次に、NTTパーソナルの『パルディオ321S』というモデムカード付きのPHSを購入しました。電波のつながりにくいところでは携帯電話、それ以外は、パルディオ321Sを使って、カシオペアをネットにつなげていました。パルディオ321Sって、電話機としても使えるし、カードスロットに挿しちゃえば、ケーブルにつなぐ必要もないですし、便利ですよね」

    「カシオペア以外、NECも同じ大きさの『モバイルギア』を出したんですけど、何故かミニキーボード付きのPDAって、日本では売れないんですよ。結局、日本のメーカーは、あまりCE機を作らなくなってしまって、そんな中で、孤軍奮闘したのが、ヒューレット・パッカード社だったんです。以来、僕は、ヒューレット・パッカード社のモバイル端末を追い続けることになってしまったんです」


    1998年に買った「HP620LX」は、カラー液晶モニター搭載

    「1998年に出た『HP620LX』は、HP200LXを踏襲しつつ、モノクロからカラーに移った最初のモデルです。"これは来た!"と思いましたね。"カラーだ! しかも前機より倍ぐらい処理速度が早い! やったー! "みたいな感じで、すぐに飛びつきましたね。しかもOSが、1.0から2.0に上がって、すごく安定性があるんですよ。でも、いかんせん、でかくて重たい! HP200LXユーザーが、HP620LXに移ったかというと、そうではなかったですね」

    「このHP620LXは、HP200LXが日本語表示をするためにすごく頑張らなきゃならないのに比べて、買ってすぐ日本語表示できるんで、その辺の愛情の大きさに、やはり違いがありますよね。その後、ちょっと軽量化された『ジョルナダ680』、そして、今現役で売られている『ジョルナダ720』を、出る度に買いました。680と720との違いは、CPUです。680には日立のCPU、720にはStrongARMというCPUが乗っていて、処理速度が上がっています。僕は、これらを、いつもジーパンの後ろポケットに入れておいて、電車の中とかで、使いたい時に出して文字を打ったり、スタジオに行く時、必ず持っていって、メールのチェックをしたりしていました」


    「HP620LX」の後継機「ジョルナダ680」
    現在売られている最新機種「ジョルナダ720」

    「そんな中、"Palmもいいな~"みたいな気持ちが芽生えて、ハンドスプリング社の『Visor』を買ってみることにしました。今まで、Palmって、インターネットに弱かったんですよ。僕は、ネット接続が必須条件だったので、スプリングボードが付いていて、拡張性があるVisorに惹かれました。でも、中々グラフィティという入力方法に慣れなくて、結局、挫折しちゃいました。で、ジョルナダ720に戻ろうかなとも思ったんですが、どうせなら、手書きのWindowsCE機に行っちゃおうかなということで、COMPAQiPAQを購入することにしました」

    ハンドスプリングの「Visor」はグラフィティ入力で挫折
    現在、超愛用しているCOMPAQの「iPAQ」

    「iPAQ は、PocketPCというWindowsCEから派生したOSを乗せていて、CE機が2回タップで起動するのに比べて、1回タップで起動しちゃうんですよ。スケジュールボタンを押しただけで、電源が入って起動してくれるのも便利ですね。メール受信をしたい時でも、3アクションでOK。それから、iPAQにはCFカードスロットが用意されているので、P-in Comp@ctを使えます。インターネットは、ほとんど見られます。CPUの処理速度が非常に早く、PCと遜色がありません。画面は狭いけれど、自分のサイトもきれいに見ることができます」

    「僕の場合、手書き入力は、キーボード入力より4倍くらい遅いです。でも、iPAQのCPUは非常に高速なので、文字認識も早く、ある程度、手書き入力の遅さをカバーできているような気がしています。今は、毎日これだけを使って、サイトを更新しています。iPAQでサイトを作っている人って、あまりいないかも知れないけれど、そういうこともできるんだよっていうのが、モバイルを長くやっている自分のこだわりです。1日に1,200字くらい書いています。日本語入力に関しては、ユーザーの間で、カスタマイズがはやっています。先読み辞書機能のシェアウェアを使えば、例えば、"PA"と入れると、"パソコン"って出てくるんです。文字の登録をしなくても、よく入力する文字は、ソフトの方で学習して先読みしてくれるんです」

    「iPAQになってから、スケジューラーも調子いいです。『さいすけ』というソフトを使っているのですが、月間表示できるんですよ。WindowsCE機はもともと月間表示できないんです。でも、やっぱり一番使いやすいスケジューラーは、HP200LXですね。HP200LXは、機種変更した97年から、我慢して使っていないです。1回、次の機種に行ったら、前の機種は使わないようにしています。ジョルナダ680から720に移った時、CPUが倍の速度になったのは良いのですが、CPUの種類が変わっちゃったので、カシオペアでも、HP620LXでも、ジョルナダ680でも動いていたソフトが、ジョルナダ720に変えた瞬間、まったく動かなくなっちゃったんです。それで、すごく悩んだんですけど、速度を取ろうと決めました。で、一からソフトを集め直したら、使えるようになりました。機種を変えるって、エネルギーが必要ですよね。前の機種は絶対にしまって、使わないという風に強く決意をすることが大切です」

    「あと、iPAQでは、ニフティ提供のメールのFAXサービスを良く使っています。テキストサイズしか使えないですが、FAXソフトを立ち上げるより、ニフティにメールを送っちゃう方が早いです。相手が未受信だと何度も送ってくれるのもありがたいです。企画書はほとんどこれで作って、FAXしています」

    では、続きは次回です。お楽しみに!

    ニッポン放送の番組プロデューサーの伊藤浩一さん。ヘビーモバイラーです!

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