【コラム】

ストリートインタビュー

54 オーディオ理論「タイムドメイン」の伝道師

    山田久美  [2001/07/12]
    ID:054
    お名前:由井啓之
    年齢:65歳
    職業:会社社長
    遭遇場所:新宿御苑

    携帯電話:ドコモ「D209i」

    1カ月の携帯電話使用料金:?

    今回は、新宿御苑の近くにあるビルの一室からお届け致します。インタビューに協力してくださったのは、奈良県に拠点を持つベンチャー企業、タイムドメインの由井社長です。由井社長は、大手オーディオメーカーの研究室にお勤めの頃から、長年に渡り、独自の「タイムドメイン理論」に基いたオーディオスピーカーの研究・開発をおこなってこられた方。昨年11月には、20年以上に及ぶ研究成果である「Yoshii9」というスピーカーを、今年5月には「タイムドメインmini」という小型スピーカーの一般ユーザー向けの販売を開始しました。また、富士通のPC「FMV」用のスピーカーとしても採用され、高い評価を得ています。実はインタビュアー山田も、その音の迫力に一聴惚れし、「タイムドメインmini」を衝動買いしてしまったという事実があります。そんな由井社長に、すごい話をお伺いしちゃいました!

    さて早速ですが、小型・軽量、18,000円とお手軽な価格でありながらこの音質!と、山田も驚いてしまった「タイムドメインmini」について教えて下さい。「このスピーカーはアンプ内蔵で、左右合せて1.28kgと軽量なので、どこにでも持ち運ぶことができ、ラジオのチューナー、ポータブルCD、ノートPCなど、どんなものにつないでも迫力あるリアルな音を再現できます。これからの季節、野外でレジャーを楽しむ際に持って行かれるには、最適なのではないでしょうか」

    今日は、ソニーのCDウォークマン「D-E999」につないでいらっしゃいますが、高額で大掛かりな音響設備などなくても、この組合せだけで十分、迫力ある音を楽しめますよね。「このソニーのCDウォークマンは、タイムドメインminiのシルバーの外観にピッタリとマッチするというだけでなく、タイムドメイン理論に最もかなった商品なんです。ジャストCDサイズ。無駄なものが一切なく、最小なのがポイントです。大きなものでは、逆に、迫力あるリアルな音の再現は不可能なんです。このCDウォークマンをフランスに持って行った時、フランス人に、"化粧用のコンパクトか?"と聞かれました(笑)」

    ↑今年5月に発売を開始した「タイムドメインmini」はアンプ内蔵スピーカー。ソニーのCDウォークマン「D-E999」はコンパクト性がポイント

    →「Yoshii9」は、ユニークな形のスピーカー。インテリアとしてもスタイリッシュ

     

    「タイムドメイン理論や開発した製品のPR活動などのため、さまざまな国や地方に行くことが多いんですが、タイムドメインminiとノートPCさえあれば、どこの国に行っても、両者をつないで、簡単に音を聴いてもらうことができます。現在、私が持ち歩いているノートPCは、2週間前に買ったばかりの新iBook。これの前は、シェル形のiBookを使っていました。買い換えた理由は、こちらの方が、電池寿命が長いから。それから、CD-R/RWとDVD-ROMの両方のドライブを搭載することができるからです。鞄の中にすっぽりと収まる大きさも気に入っています。iBookでDVDソフトの映画を楽しむ場合でも、タイムドメインminiにつなげば、リアルな音を再現してくれるので、臨場感がぐっと増しますよ」

    新「iBook」は、2週間前に購入。CD-R/RWやDVDにも対応する。タイムドメインminiと接続すれば迫力あるリアルサウンドが楽しめる

    「iBookは、仕事のメインPCとして使っています。朝、まずメールをチェックして、それから、会社のサーバー上にある業務日誌や社員全員のその日のスケジュールを見て、商品の販売状況を見て……。社員は1人1台以上のPCを持っていて、社内ではAirMacという無線LANでつながっています」

    由井社長は、さまざまな国に行かれているようですが、奈良の会社にいることって、ほとんどないのではないですか? 「いえ、半分以上は会社にいます。建物の4階が宿舎になっているので、仕事が忙しい時はそこに泊まって、そのまま出社することもあります。ですから、建物から1歩も外に出ない日もあるんですよ」

    とおっしゃいながら、色々な国で、製品のプレゼンテーションをしている場面のスナップ写真のファイルを見せて下さいました。

    デジカメ「FinePix40i」は、携帯に便利なので選択。いつも持ち歩いている

    「これらの写真はすべて、このデジタルカメラ『FinePix40i』で撮ったものです。カメラも好きで、銀塩も含め、色々と使っていたのですが、今年に入ってからは、全面的にデジカメに切り換えました。以前は、デジカメというと、画質が良くなかったので、あまり使っていなかったのですが、今では、このようにA4サイズに引き伸ばした場合、銀塩カメラよりも、きれいにプリントアウトすることができます。FinePix40iを選んだ理由は、非常にコンパクトで、どこにでも持ち運び可能だから。会社には、カールツァイスレンズ付きのソニー製のデジカメもあるんですが、携帯するには大きすぎて不便なんです。なので、最近はもっぱらこれを愛用しています。ズームレンズが付いていないのもポイントです。ズームが付くとどうしても大きくなってしまいますから。小型で高性能というのが、私にとっては何よりの魅力なんです。あと、MP3プレイヤーにもなりますが、その機能は使っていません」

    ドコモの「D209i」は、社員全員が持っている。基本的に社内で固定電話機は使わないとのこと

    携帯電話は何をお使いですか?「ドコモの『D209i』です。フタが付いているのが良くてこれを選びました。社員全員がこれと同じ機種を持っていて、会社では、固定電話機は使っていません。外線がかかってきた場合、電話を取った人が、用事のある人に内線で回したり、その人が不在の場合は、伝言したりしなければならないのは、非合理的で無駄な作業だと思うからです。ところで、迷惑メールが多いので、アドレスを全く違うものに変えたにも拘わらず、出会い系のメールがまた入り始めています。誰かが、そういったアドレス情報を漏らしたのでしょうか」

    「その他に、いつも持ち歩いているものと言えば、シャープのザウルス アイクルーズ『MI-EX1』です。ザウルスは代々ずっと使っています。この機種を選んだ理由は、液晶画面の解像度が非常に高いから。他にもPDAは色々と出ていますが、例えば、自社のホームページを見ようと思った場合、ここまで細かくきれいに見ることができるものは、他にはありません。iBookとの使い分けとしては、日々のスケジュール管理やアドレス管理は、ザウルスでおこなっています。また、出先でメールを読む時は、簡単に立上げられるのでこちらを使っています。ザウルスでメールを読む場合は、サーバーからメールは削除されず、PCで読んで、初めて、サーバーから削除されるように設定してあります」

    「ザウルス『MI-EX1』の使い勝手ですが、旧モデルに比べて良くありません。例えば、旧モデルは、外部メモリーを、外部ディスクと同じように使うことができたんですが、このザウルスは、バックアップにしか使うことができません。なので、シャープには、"これは、ダメよ"っていうのをいくつが挙げて、直接、言ったことがあるんですけど(笑)」

    それにしてもこの皮のカバー、良い味を出していますが、ザウルス専用のものなのですか?「いえ。ザウルスって、買った時、変なカバーが付いてくるでしょう(笑)。あれを使うのはイヤなんで、システム手帳を壊して自分で作ったんです。それに、本体を両面テープで貼り付けてあります。PHSも含めてちょうどピッタリの大きさです」

    ザウルス アイクルーズ「MI-EX1」は、液晶画面の解像度の高さがダントツ
    ザウルスの皮製カバーは由井社長の手作り。良い味を出しています

    「最初にPDAを使い始めたのは、アップル社から発売された『マックポータブル』という機種です。バッテリーもかなり大きく、価格も140万円もしたのですが、当時勤めていた会社で買って、仕事で海外に行く際、いつも持ち歩いていました」

    えっ、PDAが140万円ですか! すごいですね。「20年近く前、Macがまだ、日本ではほとんど知られていない頃、私は、米国のニュージャージー、シカゴ、フランスのパリ、ドイツのデュッセルドルフ、韓国などといった世界各地と、電話回線を使って、Macのネットワークを構築していたんですよ。それは、音響に関する自分の研究内容や成果などを、世界各地にいる研究者たちなどと共有するためなんですが、今と同じ構成で、メールのやり取りも出来ましたし、サーバーにある書類を、ネットワークが構築してあるところであれば、世界中どこからでも見ることができました。米国とのネットワーク構築には、当時のKDDの人と一緒に実験をしたりしていたんです。」

    「その頃、米国は米国、フランスはフランスで、それぞれにコンピュータネットワークを持っていたんですが、Macならどれもエミュレート可能だったんです。そのうち、社内でも、離れた部屋に置いてあるPCを使って、別のPCを操作したりしていましたので、"電話回線を使って、そんなことができるんか"ってことになり、社内のネットワークも草の根的に広がったいったんです。その頃、社内ネットワークを構築しようと思ったら、イーサーネットという大袈裟なケーブルが要ったんですが、Macなら、ホーンネットと言って、電話回線を使って構築することができましたから、広がり方も早かったです。ホーンネットの方法論を、スタンフォード大学まで、わざわざ教えてもらいに行ったりしました」

    淡々と語っていらっしゃいますが、すごいお話ですね! インターネットの進化の過程を最先端の現場でリアルタイムに経験され、共に歩んでこられた、いわば、インターネットの生き証人ですね。スタンフォード大学に聞きに行ったという話も、山田がPCのサポートセンターに聞きに行くのとは、わけが違いますもんね。貴重なお話をどうもありがとうございました! では、また次回です。

    オーディオメーカー タイムドメインの由井啓之社長

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