【コラム】

ストリートインタビュー

53 「モバイル虎の穴」を運営するコンサルタント

    山田久美  [2001/07/05]
    ID:053
    お名前:山下眞一郎
    年齢:38歳
    職業:コンサルタント
    遭遇場所:羽田空港

    携帯電話:ドコモ 「SH821i」

    1カ月の携帯電話使用料金:?

    今回は、富士通南九州システムエンジニアリングで、インターネットを利用したビジネスに関するコンサルタントのお仕事をしていらっしゃる山下さんです。熊本県在住で、東京には2週間に1回の頻度で、出張で来られるとのこと。この日も、会議で上京されるというお話を聞き、羽田空港で待ち合せさせていただきました。

    山下さんは、1997年3月の立ち上げ以来、累計274万(!)という驚異的なアクセス数を誇るサイト「モバイル虎の穴」を運営されている方。1日、4,000~5,000件のアクセスがあるといいますから、このインタビューが掲載される頃には、さらに記録は更新されていることでしょう。他にも日経BP社のサイトIT Proなどで、セキュリティに関する記事を連載されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

    まず、「モバイル虎の穴」を始められたきっかけから教えて下さい。「5年ほど前、"今後、米国で流行るもの"をキーワードに、仕事で、米国に視察に行ったことがありまして、その時、会社訪問などをしてわかったことが3つあったんです。1つ目が、当時UNIXが主流の中にあって、インターネットでもWindows系が台頭してきそうだということ。2つ目が、"on the road"。3つ目が、"behind firewall"です。"on the road"とは、直訳すると"道の上"ということになりますが、これは、モバイル端末のことで、道の上やどこからでも、情報を入手したり発信したりできるという意味です。また、"behind firewall"とは、firewallの後ろ側、つまりイントラネットのことです。インターネットの技術を社内に生かし、早く安くシステムを構築しようというもので、当時、イントラネットという言葉がなく、こう呼んでいたんですね。視察を終え、帰国後すぐに、会社でプロバイダーを始めることになったのですが、Windowsを本格的に採用したプロバイダーは、弊社が日本初だったので、Windows関係の質問が全国から多数寄せられました。また、モバイルに関しましても、雑誌などで調べた情報を発信したいと思いまして、会社の業務の一環として、サイトを立ち上げることになりました。それが『モバイル虎の穴』です。なので、このサイトは、更新などはすべて私1人でおこなっていますが、個人運営ということではなく、あくまで会社で管理しているものなのです。アクセス数を伸ばした要因としては、土日も盆も正月もなく、"必ず毎日更新する"という企画が受けたこと。それから、何より、自分自身が楽しんでやっているからということだと思います」

    ドコモのスーパードッチーモ「SH821i」は、携帯電話とPHSの両方で同時に待ち受けられる
    ケータイは腰に装着

    さて、山下ご愛用のモバイルグッズを是非見せて下さい! 「まずケータイですが、これはドコモのスーパードッチーモ『SH821i』。PHSと携帯電話とiモードができるというもので、カラー液晶で、PHSと携帯電話を同時に待ち受けできるのは、この機種だけです。他の機種は、どちらかに自分で切り換える必要があるんです。普段の使い方としては、まず、自分宛に届いたメールをiモードに転送して出先から読む。最大250文字ですので、それより長いメールを読みたい時は、iモードのオプション機能であるリモートメールを使っています。以前、iモードがなかった時代は、ポケベルにメールの着信情報を転送していたんです。PHSと携帯電話を両方持ち歩いていた時期もありますが、今はこれ1台だけです。かかってくる場合は携帯で受け、電話をかける場合とデータ通信の場合はPHSという使い分けをしています。携帯は音が悪いので、ビジネスとしては、恐くて使えません。肝心な話しの時ほどよく聞こえませんから。お客様からのクレーム対応といった仕事の際、会話が聞き取り辛いというのは最悪です。お客様もイライラなさいますし、こちらもハラハラしますからね」

    山下さんの超お気に入りのPDAはヒューレットパッカード社製の「HP 200LX」
    全く同じものをナント4台も持っている!

    「次にPDAですが、この話をし出すと止まらなくなります(笑)。これは、ヒューレットパッカード社の『HP 200LX』という機種で、7~8年前から愛用しています。途中、PalmやCE機に浮気した時期もあるんですが、結局ここへ戻ってきてしまいました。ところがこの機種、1999年10月に製造中止になってしまったんですよ。ですので、そのニュースを知った段階で、一生困らないようにと、これ以外にも予備機を3台買い足し、全く同じものを合計4台持っています」

    外部メモリーは、220MBのフラッシュカード

    余程、この機種に惚れ込んでいるんですね! 魅力は何ですか? 「まず、単3電池2本で駆動すること。キーボードが付いていること。Palmは結局、ペン入力にストレスを感じてしまい、使うのを止めました。長文入力には向きませんし……。それから、"Month at a Glance"といって、1カ月分のスケジュールを、一画面に項目まで表示する機能を持っていること。それができるのはこの機種だけです。私の場合、1カ月分のスケジュールを見ながら、予定を立てていくので、この機能は不可欠なんです。あと、壊れにくいこと。他のPDAは落としたりすると、すぐに液晶画面が割れてしまったりするのですが、これは大丈夫です。それから、ソニーの『電子ブック』のデータを閲覧できる「EBR」というフリーソフトがあること。外部メモリには220MBのフラッシュカードを使っています。私の場合、電子ブックのデータだけを買ってきて、これに入れて使用しているんです。標準の内部メモリは2MBなのですが、32MBに増設し、クロックも倍のスピードにカスタマイズしてあります。また、日立デジタル平凡社の『マイペディア』という百科事典や朝日新聞社の『知恵蔵2001年版』も入っているので、どんな調べものも簡単にできます。例えば『マイペディア』には、1,600ページ分、62,500項目が収録されているので、それを丸ごと持って歩けて、すぐに検索できる快感は最高です。いわば、私の脳みそ代わりなんです。なので、睡眠と入浴の時以外は肌身離さず持っています。メガネと一緒で、これがないと生活ができません。もはや空気のような存在ですね」

    何故、製造中止になってしまったんですか?「MS-DOS機なので、本と睨めっこをしながら設定等をしていかなければならず、使いこなすのに手間がかかるんですよ。他機種に比べて敷居が高いということで、売れなくなっちゃったんでしょうね」

    HP 200LX専用ケースは米国から商社を通し100個単位で購入したもの。パターン別に全部で8個持っているとのこと!

    「ケースも専用のもので、ズボンのベルトに装着して、いつでも取り出せるようにしています。実はこれは米国製で、日本では売っていないもの。どうしても欲しかったのですが、商社を通して100個単位でしか販売できないと言われて、"eビジネスを実践しましょうよ"って会社を説得しました。『モバイル大好き!』ってサイトを会社のサーバーに立ち上げて、そこで売ることにしたんです。すると、2週間で400個が飛ぶように売れました。いくつかパターンがあって、私自身もそこで8つほど買いました(笑)。仕事柄、色々な企業に行って、"インターネットならこんなこともできます、あんなこともできます"って営業するわけじゃないですか。でも、"本当にできるんですか? あなた実績、持ってるの?"って聞かれてしまうんです。そんな時、実際に『モバイル虎の穴』や『モバイル大好き!』を見せれば、大きな説得力になります。このサイト自体、文字ベースで、特にデザインにこだわっているものでもありませんから、コストはほとんどかかっていません。個人でも運用が可能な範囲なわけです。ただ、"毎日更新"をうたい文句にしているというだけ。要はアイデア勝負なので、それを"一緒に考えていきましょうよ"と、お客様をお誘いし、ご提案するわけです」

    なるほど、面白いお話ですね! コンサルタントという職業柄、実践の好例として、サイトを運営していらっしゃるわけなんですね。しかも楽しみながら。

    ところで「HP 200LX」は、ネットに接続しても使っていらっしゃいますか? 「いえ、今は、これで見なければいけない情報がないので、ネットにはつないでいません。手軽さではiモードの勝ちです。iモードがなかった頃は、ポケベルではメールが読めないので、これで読んでいました。これ以外に、仕事では、8年前からずっとノートPCを持ち歩いています。ネットはノートPCで見ます。今使っているのは、富士通の『FMV-BIBLO MFシリーズ』です。これを選んだ理由は、OSがWindows2000であることと、CD-ROMが付いていること。モニター画面がSVGAサイズと大きめな割りに、重量が2kgと比較的軽めなこと。あと、大きなポイントが、外部ディスプレーのコネクターが標準で装備されていることです。仕事先でプレゼンをするのに、プロジェクターに接続することが多いのですが、以前使っていたソニーの『VAIO C1』だと、変換コネクターを別に用意しないと駄目だったんです。1度、そのコネクターを持って出るのを忘れてしまい、仕事先で真っ青になった苦い経験があるもので、標準装備されていれば、そういった心配が要らないというわけなんです」

    富士通のノートPC「FMV-BIBILO MFシリーズ」も仕事の必需品。外部ディスプレイコネクター装備がポイントで、この機種をセレクト
    ゼロハリバートンのアタッシュケースは15年間愛用

    「あと、商売道具を持ち歩くためのゼロハリバートンのアタッシェケースは、15年前に購入したものです。買う時は多少高価だと思いましたが、これだけ使えば、元は十分取れましたよね。実用性に耐え得る良いものを、長く、愛着を持って使うのが好きなんです」

    興味深く貴重なお話をどうもありがとうございました! では、また次回です。

    ITビジネスに関するコンサルタントをやっている山下さん

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