育児と仕事の両立、第1子の産育休から復帰の場合は全くイメージができず、悩む人も多い

保活を進めていくと同時に、だんだん近づいてくるのが職場復帰の日。頑張って保活を進めつつも、いざ復帰が現実的になってくると、復帰に迷ってしまう人は多いのではないでしょうか。筆者がこれまで相談を受けた中でも、保活の悩みを紐解いていくとその根っこには復帰に対する不安や迷いが渦巻いていて、それが保活の大変さと相まってとても複雑で大きな問題に見えてしまっているケースがよくあります。

悩みのポイントは細かく見れば人それぞれ違いますが、ちょっと俯瞰して見ると結構みんな似たようなことで悩んでいるもの。私はこれまでたくさんの復帰前ママを見てきた中で、そう思うようになりました。では、具体的にはどんな事で悩んでいるママが多いのでしょうか。

「知らない」、だから「分からない」と思い悩むパターン

これは復帰前ママに最もよくあるパターンの1つで、「私、いつ復帰するのがベストなの? 」といった声がその一例。自分は知らないけれど、誰か(専門家や子育て経験者などをイメージしていることが多い)が正解を知っていると思っていて、その正解を教えてもらえば悩みは解けるはずと模索するパターンです。しかし、育児書を読んでもあなたにベストな復帰時期は分かりませんし、先輩ママに相談しても人によって意見はバラバラで、それ自体が答えにはならない事の方が多いでしょう。結局のところ、専門家や経験者の情報を判断材料として自分で答えを導き出すしかありません。自分で考えて自分で決めるという行為は、当たり前のようでいて慣れるまでは難しいかもしれません。それでも復帰に向けたトレーニングだと思って苦手でもトライしてほしいと思います。

重要な「あの人」が不在のまま悩み続けるパターン

「朝、保育園に送っていくのは夫にやってもらいたいけど……」といった風に、パートナーや家族に協力してもらいたいけれど、その相手と話をする前から「協力してもらえないかも」と及び腰になって、結局何も言わないまま悩み続けるパターン。パートナーや家族は、子育てと仕事を両立していくには欠かせない味方ですので、彼らが何にどう協力してくれるかでママ自身の行動も大きく変わります。

上記の例で言えば、保育園への登園は毎朝パートナーが担当すると決まれば、出社時間や職場での時間の使い方を復帰前から考えておくことができます。逆に言うと、そこが不確定なままだと、ママが登園するパターンとそうでないパターンの2通りを想定して復帰準備を進めることになり、シミュレーションが複雑になります。実際には登園だけでなく、降園時や急なお迎えの際の対応、帰宅後の家事分担など様々な事について考えていかないといけませんので、いちいち複数パターンに分けて想定しておくのは不可能です。

「あの人に協力をお願いしても聞き入れてもらえないかも」「お願いして拒否されたらどうしよう」と考えて、言い出せずに悩むママは本当に多いのですが、復帰する前に少しでも話し合う時間を持つようにしてもらいたいと思います。

※画像は本文と関係ありません。

著者プロフィール

株式会社ここるく 代表取締役 山下真実
「わが子を大切するために、ママが自分自身を大切にできる子育てスタイル」を提案し、人気のレストランが託児付きで楽しめるサービス「ここるく」を運営するママ起 業家。
投資銀行や金融系コンサルなど金融業界でキャリアを積みつつ、2011年に第一子を出産。初めての子育て中に「今まで気にもとめていなかった当たり前の事が、産後は一 気にできなくなるんだ! 」と感じたことがきっかけとなり、現代に合った子育て支援を実現するため2013年に株式会社ここるくを設立。また、広範な情報収集と体系立て た理解をモットーとした独自手法による保活情報や両立アドバイスも人気で、「実践的で分かりやすい」と雑誌等でも監修多数。
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