役所で必要な情報を得るためには……

前回の連載で自分の指数がいくつになるか把握してもらえたと思いますが、保活を成功に導く為には、もう一つ役所でぜひ行ってほしい大切なアクションがあります。それが、役所ヒアリングです。

どの保育園が狙い目? 情報を入手するヒアリングテク

これまでのプロセスでは、保活の神器の1つ目「地図」を使ってご自身の通園可能圏を設定しました。そして、その圏内に入る保育園をリストアップして2つ目の神器である「保育園リスト」を作りました。さらに前回は、神器3つ目である「指数」の持ち点を確認しました。ここまでのアクションを結果へと結びつけるために行うのが、役所でのヒアリングです。この役所でのヒアリングを通して、あなたの通園可能圏内に入る保育園のうちどの園が狙い目なのかという情報を得ます。

まず、作成した保育園リストを持って役所を訪れたら、リスト内の全ての園について、過去に入園した世帯の最低指数がいくつだったかを聞きます。つまり、過去であれば何点以上の指数で入園できたのか、という情報を入手するのです。過去と言っても、ひとまず直近の期初(4月度)の入園状況が分かれば良いと思いますが、複数年度分ヒアリングできる場合は聞いておくと良いでしょう(自治体によっては過去の指数に関する情報を開示していない場合もあります)。

あなたの指数が40点だとした場合、過去に50点以上の世帯しか入園していない園よりは、40点以下で入園できている園の方が可能性ありそうだな……という風に、狙い目の園を探すためにこの情報を活用します。

ここで一点補足しておきたいのですが、この過去の入園実績に関する情報は、あくまでも「過去」の話。過去の実績値から、あなたが申し込みする未来の指数を予測できるものではないことはあえて補足しておきたいと思います。とはいえ、私たち入園希望者に与えられる情報がとても限られている中では重要な情報であることには変わりありませんので、上手に活用していきたいと思います(上手に活用する方法は、この後の申込書を書く段階でさらに詳しく解説していきます)。

また、選考に際して指数とともに使われる課税額ランク等の情報についても、開示していればヒアリングしておきます。

最後に、ヒアリングを上手に進めるためのちょっとしたコツについて触れておきたいと思います。といっても、この連載コラムを見ながら保活を進めてきてくださった方はもうできていることではありますが……そのコツとは、事前にリストを作っていくこと。

ヒアリングする際は、当然のことながら役所の担当者に個別対応をお願いすることになります。担当者の立場からすると、漠然と質問されるよりも、質問の対象を明確に示してもらった方が断然対応しやすくなります。実際に、「過去の指数を教えてください」とだけ尋ねても回答が得られなかったけど、「A園とB園とC園について教えてください」とリストを見ながら聞いたら回答が得られたという体験談も多く聞いていますので、ぜひリストを作った上でヒアリングに行ってみてください。

※画像は本文と関係ありません。

著者プロフィール

株式会社ここるく 代表取締役 山下真実
「わが子を大切するために、ママが自分自身を大切にできる子育てスタイル」を提案し、人気のレストランが託児付きで楽しめるサービス「ここるく」を運営するママ起 業家。
投資銀行や金融系コンサルなど金融業界でキャリアを積みつつ、2011年に第一子を出産。初めての子育て中に「今まで気にもとめていなかった当たり前の事が、産後は一 気にできなくなるんだ! 」と感じたことがきっかけとなり、現代に合った子育て支援を実現するため2013年に株式会社ここるくを設立。また、広範な情報収集と体系立て た理解をモットーとした独自手法による保活情報や両立アドバイスも人気で、「実践的で分かりやすい」と雑誌等でも監修多数。
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