代官山駅から徒歩10分弱。旧山手通り沿いに周囲とは雰囲気の異なるエリアが……。中をのぞくと、そこにはログハウスや不思議な形の家が並んでいます。ここは「BESSスクエア」。一般的な総合展示場とは異なる、一風変わった住宅展示場です。でも、ログハウスといってもスタイルはさまざま。訪ねると、木の家の魅力にはまってしまうに違いありません。

展示場の入口。一歩足を踏み入れると、代官山とは思えない異空間が広がる

女性主導でデザインしたログハウスも新登場

都内唯一のログハウス展示場には、多いときで月に400組以上が見学に来るとのこと。代官山を散策していて「なんだろう?」とぶらりと立ち寄る人も少なくないそうです。都心に突如現れたリゾート地といった雰囲気で、ただ家を見るだけでも想像以上に楽しめます。

そして、ログハウスに特に関心が強い人でなくても、ぐっと興味がわいてくることでしょう。何よりも、今までのログハウスのイメージががらりと変わってしまうはず。まずは、女性主導でデザインした新商品「あきつログハウス 日々の家」を見てみました。

「あきつ」とはトンボの古い呼び方。日本では古来より縁起のいい「勝ち虫」として親しまれてきました。国産杉を使った和風の家は、上品なたたずまい。ログハウスの無骨さや男っぽさはありません。

屋内は、すべてが明るい木材でつくられた普通の家といった感じ。中央の大きな吹き抜けが開放感をもたらします。キッチンは仕切られた半独立型となっているなど、女性らしい細やかな配慮がされています。「どうせログハウスなんて、男が好きなだけでしょ」。なんてことを言われている方は、ぜひこの家を見せてあげるべきです。

「あきつログハウス 日々の家」。丸太ではなく四角くカットされた角ログが使われていて、普通の住宅街にも溶け込みそうな外観

1階には16.6畳のリビングと8畳の寝室、4.4畳のキッチン、洗面所、トイレ、風呂場がある

女性ならではのデザインによって、使いやすい機能的なキッチンとなっている

ロフト(2階)の9.5畳のスペース。窓が大きく取ってあり、吹き抜けとなっているので、とても明るい

ログハウス以外にも超個性的な「ドームハウス」などなど

「BESS」の前身である「ビッグフット」が誕生したのは1986年のこと。単にログハウスを販売するということではなく、「楽しむ」ことをテーマに新しいライフスタイルを提案してきました。その発想に満ちあふれているのが「ドームハウス」。登場したのは1989年です。

三角形を基本とした構造は幾何学を応用していて、外圧にとても強いとのこと。ログハウスも重量があるため、一般的な家よりも耐震性がありますが(阪神・淡路大震災レベルの耐震実験でも問題なし)、ドームハウスはまったく異なる合理的な構造で強度があるのです。

「ドームハウス」には「遊び心」が充分に感じられますが、それはほかのシリーズにも共通しています。都市でもマッチするスマートな外観の「ワンダーデバイス」は、都市型スローライフ住宅と呼ばれています。屋内はもちろん木造りで、広さが充分に活かされています。アウトドアを楽しむファミリーにはぴったりといったところ。

一方、「ジャパネスクハウス 程々の家」は、まるで古民家を思わせるシブさ。ここに暮らすのは年齢層の高い人かなと想像しますが、ただ伝統にこだわるわけではなく、シンプルで生活しやすい空間となっていて、まさに「ほどほど」のバランスが絶妙です。

展示場の中でも最も目を引く「ドームハウス」。「家ごと遊んでいる」感覚がたまらない

「ファインカット ログハウス」。4種類から外壁の色をえらぶことができるので、街並みに調和しつつ個性が発揮できる

たっぷりと陽光が入るので、実際よりもゆったりとした空間に感じられる

こんな部屋なら、子どもたちの勉強もはかどるかもしれない

暮らしが変わるログハウス

「BESSスクエア」には6つの建物がありますが、ログハウスのダイナミックさが最も感じられるのは「カントリーカット ログハウス」でしょう。屋内に入ると、その天井の高さ、広々とした空間にびっくり。ラフな風合いの木がなんとも言えません。「ファインカット ログハウス」はかわいらしい外観で、自然でありながら洒落ています。壁の色も選択可能。個性的なアレンジが実現できます。

一般の家では感じられない魅力がそれぞれのログハウスにはありますが、人の体と心にいいというのも大きな特徴。断熱性があり、湿度も木が調節するので生活は快適ですし、木が出すフィトンチッドや木目などはリラクゼーション効果があります。子どもの喘息がよくなったという例もあるそうです。

耐震性があることは前述のとおりですが、実は耐火性も高いとのこと。太い木材は表面が焦げるだけで燃えにくく、また有毒ガスも発生しません。家そのものの耐久性も100年、200年は当たり前(!)なのです。なお、耐火性が認められ、2000年代からは市街地にログハウスを建築することが可能になりました。

実際にログハウスライフを体験

「見るだけではなく、実際に滞在してみたい」。展示場を訪ねた人ならそう思うことでしょう。「BESSスクエア」では、毎週末金曜日と土曜日の午後5時30分から午後8時30分まで、好みの家で過ごす「モデルハウス貸切体験」(3,000円、4名まで、軽食付、要予約)も実施しています。

さらに、タイムシェア別荘「フェザント山中湖」では、1週間単位の利用権(10年~)で、気軽に別荘生活を楽しむことができます。富士山を望む山中湖湖畔に広がる6800坪の敷地は、それだけでも贅沢な環境。緑の木々の中に16棟のBESSの家(うちログハウスは13棟)が点在し、ペットも泊まれる家も7棟あります。

「男の夢」だけではなく、新しいライフスタイルを手に入れるログハウス。今年は真剣に考えてみては?

手前が「程々の家」、奥が「カントリーカット ログハウス」。どちらも屋根が特徴的だ

「程々の家」の2階ロフトスペースから居間を見下ろす。玄関は民家風で趣がある。立派な梁や柱の雰囲気もいい

「カントリーカット ログハウス」に入ると、天井までの吹き抜けが気持ちいい空間を演出していた

「ワンダーデバイス」。木製のテラスはどのログハウスにも共通しているが、ここでも家と一体となっている

玄関を入ると、どのログハウスよりも広々とした空間が広がっていた。すでにアウトドアの雰囲気に満ちている

ログハウスにはやはり薪ストーブがよく似合う

「フェザント山中湖」はひと味違った別荘生活が満喫できる