#"

「海外旅行のとき英語で会話をしたい」「せっかく習った英語、せめて簡単な日常会話くらいはできるようになりたい」「えーっ、突然会社が外資の下に、上司がアメリカ人になる!!」など、さまざまな理由で英会話が必要となるケースは珍しくありません。でも、英会話スクールは料金が高いし、定期的に時間が取れない、そこまで構えず気楽に話したい……、などなどの思いを抱く人も少なくないはず。そういう人には、英会話カフェがおすすめ。そこで得られるのは、英会話力、だけじゃないみたいですよ。

いつでも、自由に、外国人スタッフと英会話

目白通りか1本入った通りに建つビルにある。JR飯田橋駅東口からは歩いて5分弱

縁結びで大ブレイク中の東京大神宮の前を通ると、女性の列がずらり。「ちょっとお参りしてみようかな」と思ってましたが、この列にひとり並ぶというのは勇気が……、というより、取材に関係ないっ、と自分を一喝してスルー。今回おじゃました英会話カフェ「Leafcup」は、東京大神宮のすぐ近く、飯田橋駅からのアクセスが便利な場所にあります。

ビルの4階のお店に入ると、テーブルを囲んで談笑する(もちろん英語で)グループや、外国人スタッフと1対1で向かい合っている女性などがいます。カフェというよりは、誰かの家を訪ねたという感じ。ほんと、アットホームな雰囲気です。

代表の小林貫太さんが「Leafcup」を始めたのは、およそ3年前のこと。外資系の会社でシステムエンジニアをしていた小林さんは、仕事で英語を使うこともあり、ご自身も英会話カフェに通ったこともあったとのこと。しかし、コンピュータ相手の仕事に物足りなさを感じて、英会話カフェの運営に乗り出しました。最初はたいへんな思いをしたものの、経営は軌道に乗るようになり、現在では1日30人ほどの利用者があるそうです。今年の8月には横浜に2つめのカフェをオープンさせました。

「Leafcup」は15時から22時のオープン時間に、予約なしで訪ね、外国人スタッフたちと自由に英会話をすることができます(金曜日は15時~23時、土日は11時~19時)。料金は最初の1時間は1,000円、2時間目以降は30分ごとに400円で、ほかの英会話カフェに比べるとだいぶ安いといえるでしょう。部屋の一角にはポットが置かれていて、ハーブティーなどを無料で飲めます。

スタート時間などはパソコンに表示するシステムとなっている

ポットのハーブティーなどは無料。リラックスしながら英会話を楽しむことができる

初級者用のテーブルも予約制で用意

「英会話カフェなら、気楽にお安く英語が話せる! あ、でも、そんなに上手に話せないし、まわりの人がみんなうまかったらどうしよう……」。実際、そんな理由からためらう人もいるようです。そんな人のために「Leafcup」では初級者用のテーブルを用意。こちらは予約制ですが、その他のシステムは変わりません。

実際に初級者用テーブルにいた女性に話を訊くと、外国人スタッフは日本語もまじえながら、ゆっくりとペースをあわせていろいろ教えてくれるのでとてもわかりやすいとのこと。小林さんによれば、この初級者用テーブルから始めて、普通のグループにステップアップする人もたくさんいるそうです。

一般のテーブルでは、楽しそうな英会話が絶えません。ちょっとその様子を見せてもらうことに。フィリピン出身のアンジェリックさんを中心に、2人の参加者が会話をしています。「休みの日は何をしていますか?」。そうアンジェリックさんに聞かれて、それぞれ答えます。ゆっくりとした英語ですが、言葉に詰まるとアンジェリックさんが単語や言い回しを教えてくれたり、別の角度から質問をしてくれたりと、より正しい言い方がわかるような配慮も嬉しい。かといって、細かく文法の間違いを訂正されるわけではなく、スムーズに会話は進んでいました。

「それで、あなたは?」。「え? オレ?」。取材を忘れての必死の英会話。ものすごい久々なので(別にちゃんと話せるわけではありませんが)、とにかく言葉がなかなか出てこない。でも、そこをちゃんと少しだけ言葉を付け加えてくれたり、別の言い方で聞き返したりされるので、「そうそう、言いたかったのは、それっ」と納得。慣れてくると、英語がすぐ上手になるわけではありませんが、英語を話す楽しさが感じられてきます。

カフェに来る日本人は30代が中心だが、中学生から80歳くらいの人まで、その年齢層はとても幅広い

一番左がアンジェリックさん。彼女の明るさにグループの人たちも実に楽しそう

ほかの外国人スタッフもやって来て、途中から参加者も増えていった。日常の過ごし方や趣味など、話題の内容はさまざま。女性ばかりだと、やはりガールズトークで盛り上がるらしい

大切にしているのは、外国人スタッフの質

「Leafcup」を始めるに当たって、小林さんはシステムや料金など、さまざまなことに気を使ったと話します。そのひとつが、外国人スタッフのレベル。「ただ英会話の相手をするのではなく、きちんとひとりひとりが会話に参加できるように気を配ることができるスタッフを選ぶように心がけています」。そう話す小林さん自身、英会話カフェに通っているときは、お金を払っても人の英会話を聞くだけだったことがあったとか。その経験も生かされているようです。

実際、アンジェリックさんも、ひとりに会話が偏ることがないよう注意を払っているようでした。参加する方にとっても、英会話が目的なのですから、この点は重要です。英会話力をアップすることはもちろんですが、まず英語を話すということの楽しさを感じさせてくれるスタッフがいるということは、英会話カフェ選びの大きなポイントになるでしょう。

また「Leafcup」には英会話スクールも併設されていて、自分のレベルに合ったクラスでグループレッスンが受けられます。カフェでお喋りを楽しみ、スクールでさらに英会話力をブラッシュアップさせることも可能なわけです。初級者から上級者までを受け入れる体制が整っているのは、このカフェの強みとなっています。

日中は主婦や熟年層が多く、午後7時頃からは会社帰りのビジネスマンでにぎわう 写真提供 : Leafcup

カフェの上にあるスクールルーム。小ぢんまりとしていて、こちらもアットホームな雰囲気で授業が受けられる

実際に英会話に参加したのはわずかな時間でしたが、英語を話すこと、そして年代も仕事も英語を必要とする目的も異なる人たちの話が聞けたことは、大きな刺激となりました。 その日によって、また時間帯によって顔ぶれは違います。初対面の人と会話したり、顔なじみになった人とお喋りしたり、そもそもそういう場はなかなかないのでは? 英会話カフェ。結構、エキサイティングな場所っす。

クリスマス、七夕、ハロウィンなど季節のイベント、インターナショナルパーティーも開かれていて、誰でも参加可能。詳しくはサイトを 写真提供 : Leafcup