基板の製造をP板.comに発注

基板はP板.com(ピーバンドットコム)に製造をお願いします。製造に必要なガーバーデータと、NCドリルデータを用意して、P板.comのWebサイトにアクセスします。そして、「1click見積り」を開いて、上にあるサービス選択で「製造」にチェックが入っていることを確認。後は必要な枚数や基板のサイズなどを入力するだけで完了です。

ここでは、レジスト色(基板全体の色)やシルク印刷色(文字などの色)も選ぶことができます。今回は、ハーブの鉢に刺さることを考えて、レジスト色は黒か白にしたいと思います。そこで、「バジルのきもち」(フォーク型)のレジストは黒、シルクは白、反対に「ローズマリーのきもち」(ティーカップ型)のレジストは白、シルクは黒、と決めました。ほかにも細かく指定する項目があるので、漏れがないように入力していきます。

なお、P板.comの料金は納期と製造工場によって変化します。コースは最短1日で製造を行うウルトラクイック、3日で製造のクイック、5日のノーマルというサービスがありますが、今回はできるだけ製造コストを抑えたかったため、5日のノーマルというサービスで発注しました。

はじめにP板.comのWebサイトにアクセスして、「1-Click見積り」をクリック

見積もりや注文を行うページに飛ぶので、そこで各種仕様などを入力

見積もりもできるので、当然ながら料金や出荷日・到着日も知ることができます

ガーバーデータと、NCドリルデータはプリント基板設計ソフトウェアが勝手に出力してくれるので、実は基板を作るというのはそんなに敷居が高いというものではありません。専用ソフトウェアを持っていない場合はP板.comがフリーで提供しているCADLUS DesignとCADLUS Xを使用すれば作ることができます。使い方はYoutubeなどにも上がっているので参考にしてみると良いと思います。

プリント基板設計ソフトウェアというのは、必要なルール(例えば最も小さい穴は何mmまでとかの情報)を入力して、そのルールに反した設計を行ってしまうとエラーを出してくれる機能があります(DRC:デザイン・ルール・チェック)。この機能はとても重要で、人的ミスの多くを発見することができます。しかしながら、この機能で発見できないミスもあります。今回P板.comにデータを送って製造してもらおうとしたところ、何もつながっていないパターンや、シルクスクリーンの幅が小さすぎるというミスの連絡をいただきました。

何もつながっていないパターン

おそらく、配線を引き回していて、やっぱり違うところにしようと変更したときに消し忘れたものでしょう。この例は、今回のような低速に動作する機器を作る場合には問題ありませんが、高速に動作する機器を作る場合には誤作動の原因になったりしますので、念のため消してしまった方が良いです。このようなミスは、本来は自分で見つけなくてはいけませんが、もしも最終的にミスがあってもその確認をとってくれるという対応は、基板が出来上がってしまった後で発覚すると基板そのものを作り直すコストがかかることも考えると、国内企業ならではのサービスという意味でも安心できるものです。

ちなみに、これらのミスを修正してデータを再度送信したところP板.comの後藤さんより、「土に直接挿さるものなので、鉛フリー対応の表面処理をしたほうが、植物にも優しいと思う。また土や水などによる侵食なども考慮すると、『電解金めっき(鉛フリー)』がお勧め」との指摘をいただきました。

普段、個人的な電子工作をする上であまり気にしていませんでしたが、環境配慮という意味ではとても重要なことですので、鉛フリーへの対応もお願いさせていただきました。

さて、基板の発注までの作業が終わりました。製造される基板がイメージ通りか、土に挿さったところがどのように見えるか。心配なことはたくさんありますが、基板が製造されて、手元に届くまではじっと我慢して待ちます。

ダミーモデル

とは言うものの、基板が届くまでの間、書いたプログラムを実際に動作させて実験してみたいと思ったので、ユニバーサル基板と手元にある部品で本物に近い構成の回路を製作してみました。

ユニバーサル基板を用いて作ったダミーモデル

P板.comにて製造が行われている基板とは全然見た目が違いますが、ただプログラムが正常に動いているかを実際に実験するためのものなので、まったく問題はありません。

書いたプログラムをこのダミーモデルで実験して、調整を行いました。ある程度はシミュレーションで検証していましたが、やはり実際に実験するとまた違う問題がが見つかります。

ただし、あくまでも"本物に近い構成"のものなので、本物で変更しなくてはならない部分を考え、その部分をプログラム上でパラメータ(マクロ・定数)として記述しておき、一部の数値を変更するだけで対応できるようにしておきます。

例:#define PHOTO_LEVEL (700)

例えばPHOTO_LEVEL についてですが、これはどの程度部屋が暗くなったら夜と解釈するか、そのレベルについて記述していますが。ここを変更するだけで、プログラム自体を書き換えなくても変更できます。

さて、ようやく基板設計を経て、発注まできました。はじめてプリント基板設計ソフトで設計を行ったので、やはり一発OKとはいかず、データを入稿したあともいくつかミスを直す作業が入りました。そのため思ったよりも日数がかかりましたが、次回からはもっと余裕を持ってデータを作成すべきだという教訓を得られました。

後は届いた基板にはんだ付けして部品を載せさえすれば作品自体は完成する訳ですが、大変なのはそこからのプログラムの調整です。事前に予測していたこと以外に、予期せぬことが起きることもあるので、次回からは実際にハーブの鉢に「ハーブのきもち」をさして実験をしていく段階に入っていきます。