【連載】

Google世代の整理術「デジタル情報整理ハックス」

54 書評をコツコツ書き貯める

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情報整理をするときには、インプットされた情報をただ整理するだけで良いのでしょうか。今回は原点に戻って、情報整理と生産性について考えてみましょう。

何のための情報整理?

いささか「そもそも論」に立ち戻る印象だと思いますが、この連載も50回を超えてきましたので、「いったい情報整理とは、何のためにしているのか?」というテーマについて、少しだけ考えてみたいと思います。

私自身、「整理魔」的な人間で、人が何と言おうととにかく整理しているだけで喜ばしくなる、というところがあります。20歳そこそこの時には、「それで何になるのか?」「それをしてどうなるのか?」というようなことに対して反応過剰で、「手段と目的を取り違えるな」というような格言を、自らはき散らかすようなところが多々ありました。

しかし30代になるとさすがにもう少し落ち着いてくるもので、無駄なことをしていても必ずしも気にならなくなってきます。掃除や整理の「やり過ぎ」は、無駄かもしれないが、別にかまわないだろう、好きなんだから、と開き直ることができるようにもなったわけです。

しかしそのこととは別に、情報を整理し、適切な形でアウトプットした方が、少なくとも生産的だとは思ってもらえる。自分に対しても、他人に対しても、立派な理由づけにはなる、という思いは持っていました。つまり、整理魔であるにせよ、整理だけで終わるよりは、整理したものをアウトプットした方が、全体としてみればいいことだろう、という意味です。

問題は、「情報のアウトプット」がやりやすくなったとは言え、理想的な形でアウトプットしようとすると、なかなか思うようにいかない、という困難が、アウトプットにつきまとうことです。

ここから先は、「読書ノート」のアウトプットを例にとり、それに話を絞ります。

たとえば「読書ノート」をアウトプットするにしても、殴り書きのメモでは、読む方は読んでいられない。しかし、これをきちんと読みやすい形で出そうとすると、いささか面倒です。また、Amazonのレビューにつけるようなやり方ですと、意図してもいないのに、著者や著者のファンの人に嫌な思いをさせることにもなりかねません。 たとえば「読書ノート」の適切な形とは私にとって、「書評」には届かない、「読書のミニブログ」のようなものでした。こういうものにあまり手間暇はかけられないし、しかし、あとで自分の「メモ」を探そうとしたときには、すぐに見つけられる程度のものではあって欲しい。簡単にまとめれば、

・デジタルノートとしての整理機能はばっちり
・望めばミニブログのようにも使える
・評価が主体ではない

という条件を満たすツールが欲しかったわけです。

もちろん、読書ノートに限らず、ノート一般について同じような欲求があるわけですが、やはり「情報整理」といえば、読書ノートは外せません。ここからインプットする情報量は多いからです。そして、上手にまとめられた読書ノートであれば、アウトプットする価値も高そうです。

ライフハック:メディアマーカー

少なくとも、書籍、およびAmazonで入手できる「メディア」に関するレビューに絞れば、今では理想的なツールがあります。メディアマーカーがそれです。

このコラムでも、メディアマーカーについて紹介したことがありました。しかしその時には、私もこのサービスを、単なる「書籍管理ツール」として認識していました。その目的で利用するだけでも十分に便利だったのですが、現在の機能は明らかにそれ以上のものを目指しています。

メディアマーカーは単なる書籍管理ツールではなく、「本を読む人のためのミニブログ」なのです。そのようにとらえ直すことで、読書家がブログを作る際には、もっとも利用しやすいサービスの1つとして、活用することができるはずです。

書籍管理に優れるメディアマーカーに書評を書き込むことで、読書とアウトプットを結びつけることができる

実際、私はそのような目的で利用していますが、この目的で使ってみると、書評ブログを1つ立ち上げずに済む、ということがよく分かります。かなりの知識がないと、簡単に設定できるデザインには限りがありますが、およそ「書籍管理」と「ブックレビューに関する管理」についていえば、このサービスで相当のことができます。これ以上のことを実現するにしても、手間がかかりすぎて現実的ではありません。

メディアマーカーはもともと書籍管理サービスです。このサービスでは、登録した書籍が1000近くになろうと、十分管理できるようなデータベースの構築が目的でした。一般のブログサービスを書評ブログにするよりも、メディアマーカーをミニブログとして使うことのメリットは、ここにあります。

一般的に言って、ブログのエントリが1000を超える頃には、エントリの一貫した整理は厳しくなってしまいます。もともと、どちらかと言えばエントリが「流れて」行くことを許容するスタイルになっているからです。

しかし、大量の本を「扱う」ことが主眼のメディアマーカーならば、これをブログ化しても、依然としてその「登録書籍」と一体化しているエントリの管理が、スマートにできるわけです。登録書籍数が多くなればなるほど、そのメリットがはっきりします。

それに、ブログだとまず「書く」。そして「書き続ける」というスタイルになりがちですが、メディアマーカーのようなサービスならば、まず「整理する」。それから気が向いたら「書き始める」。というスタイルをとることができます。このほうが、アウトプットのプレッシャーを感じることなく、アウトプットに向かいやすいし、整理の意義もあわせて実感できるでしょう。

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インデックス

連載目次
第54回 書評をコツコツ書き貯める
第53回 ブラウザで進捗管理
第52回 スキャンした雑誌・書籍の全文検索
第51回 異なる環境で同じブックマークを使う
第50回 電車の乗り換え情報をアレンジする
第49回 ブラウザのタブを整理する
第48回 電子ファイリングで雑誌をデジタル化する
第47回 DailyFeedでまとめてしまう
第46回 そこで忘れずにこれをする
第45回 タスク情報を整理する
第44回 Twitterの情報を整理する
第43回 情報と情報源
第42回 メールの整理を難しくする「心理」を納得させるテクニック
第41回 「Googleデスクトップ」でEVERNOTEのデータも検索してしまう
第40回 すぐに未読であふれるRSSリーダーをどうするか
第39回 EVERNOTEの階層式タグを使う
第38回 Webサイトの記事を一気に読む
第37回 情報整理と文書作成をひとつのツールで
第36回 EVERNOTEとGmailを組み合わせて強力な検索機能を使う
第35回 異なるブラウザでブックマークを同期する
第34回 フォルダ+タグの使い方の一例
第33回 紙copiNetで一気に大量にチェックする
第32回 PDFファイルは開きたくない
第31回 「情報ノート」をタスクリストとしても使いたい
第30回 あれとあれが一緒になれば
第29回 本で得た知識をまとめたい
第28回 IT時代の記憶術
第27回 中途でやめたサービスのデータは…
第26回 情報からアイデアを発想する
第25回 活用したいと思った情報を必ず活用する方法
第24回 ぼんやりした記憶を頼りに検索する
第23回 「とりあえずとって」おきたくなる原因
第22回 書籍もタグで管理する
第21回 「どうしてもとっておきたいエントリ」はどうするか?
第20回 よくある問題 ブックマークはもちろんしています
第19回 大事な情報に限って出てこない
第18回 連絡先情報をどうするか?
第17回 よくある問題 取っておいても読むチャンスがない
第16回 文字情報をとにかく貯めておく
第15回 英語サイトから情報を!
第14回 分類のされかたを研究する
第13回 ネットで気になる情報。とりあえずどうする?
第12回 タグ自体はどう整理する?
第11回 趣味で文具を買っていませんか?
第10回 情報は回遊させる
第9回 大事な情報はトスアップする
第8回 情報の一元化は超難題
第7回 よくある問題 メールの整理ができない!
第6回 ブックマークを同期する
第5回 よくある問題 RSSリーダーの中の大事な情報
第4回 「仕事用資料」の埋没を防ぐには
第3回 よくある問題 情報のタスク化
第2回 よくある問題 [あとで読む]でも読まなくなる
第1回 よくある問題「タグ」を扱う難しさ

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