【連載】

Google世代の整理術「デジタル情報整理ハックス」

42 メールの整理を難しくする「心理」を納得させるテクニック

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メールの受信トレイを整理するために、注意深くフォルダやフィルタを設定していても、まだ片付かないメールが受信トレイに溜まっていくものです。これには心理的な理由もあるのです。

よくある問題:Gmailの受信トレイにメールが溜まる

メールの受信トレイというものは、油断しているとすぐにメールが溜まってしまいます。フォルダ、ラベル、自動フィルタリングなど、よほど細かくルールを徹底していても、それでも溜まってしまうものです。

少し前、仕事術の本が真っ先に問題にしていたのは、これでした。受信トレイをきちんと整理することを、多くの著者が推奨していました。アメリカ発の『ライフハッカー』という仕事術満載の本でも、やはりまず受信トレイを整理するように、勧めています。

キッチンだろうと、書斎だろうと、オフィスだろうと、受信トレイだろうと、整理されていないよりは、整理されていた方が気持ちいいくらいなら、誰でも納得がいくでしょう。受信トレイを「空っぽに」する方法については、ビジネス書のみならず、あちこちの"知的生産系"のブログで紹介されています。けれどもなぜか、それが難しい。

極端な方法として、受信トレイにあるすべてのメールを「選択」し、Gmailならアーカイブするだけでも、受信トレイは空になります。空にするだけならこの方法を知っていればいいのですが、もちろんこんな方法ではダメでしょう。しかし、この方法がなぜダメかと考えると、受信トレイを空にする本当の方法が見えてきます。

受信トレイにメールがたまる最悪の元凶は、受信トレイにメールを置いておきたい心理です。受信トレイにメールを置いておきたいと思わなければ、受信トレイのメールを一掃するのは、そう難しくありません。

ではなぜ受信トレイにメールを置いておきたいかと言うと、片付けることのできないメールがあるからです。返信しなければいけないメールは当然片付けられませんし、到着と同時にタスクが発生しているメールも片付けられません。また、たとえば解約してしまいたい通信料請求のメールなども、片付けにくいメールです。そのようなメールは、解約という行動のきっかけとしてとらえられるからです。つまり、解約するという行動を促すものとして、いつも目に触れておきたい。それには、受信トレイにあるのが最善、というわけです。

もちろん、たとえ「取っておかなければならない未処理メール」であったとしても、Gmailを使えば、「ゴミ箱」へ捨ててしまうのではなく、「アーカイブ」すればいいだけと思われるかもしれません。「アーカイブ」してしまって、「受信トレイ」からは隠してしまえば、未処理メールは取っておくことができるし、受信トレイから見えなくすることは可能だと。まだ未処理だというなら、「未処理」ラベルをつけたり、スターをマークすれば済む話です。

理屈としてはその通りなのですが、スターを付けてアーカイブしたり、「未処理」ラベルを貼ってアーカイブすることすら、不安だという人は少なくありません。とにかくスターが付いていようと、「未処理」が付いていようと、目の前からなくなるのが不安なのです。目に見える状態にしておくことが「タスクリスト代わり」という方法は、あまりいい方法ではなくても、止められない人がたくさんいます。受信トレイが増える理由も、デスクトップがファイルだらけになってしまう理由も、机の上が付箋だらけになってしまう理由も、みなこの不安が原因なのです。

ライフハック:マルチ受信トレイでGTD式を徹底する

この問題を、大幅に改善してくれるツールがあります。それが、Gmailのマルチ受信トレイです。このライフハックスは残念ながら、Gmailをお使いでなければ、使うことができません。また、今のところこのサービスはGmailラボから提供されているサービスであるため、言語設定を英語(US)にしなければ利用できません。

言語設定を英語(US)に変えたら、ラボのページにアクセスできるようになるので、そこでマルチインボックスを利用できるように設定し直してください。

マルチインボックスはGmailのUSラボから設定できる

色々なサービスを利用できる。マルチインボックスはけっこう下の方

これを設定するとどうなるかと言いますと、下記のように「受信トレイ」にスターを付けたり、ラベルを貼ったメールの表示領域を、並列させることができます。

筆者は、スター、下書き、「予定ラベル」のメールを表示させている

設定は抽出条件に従って、かなり細かくできます。

ペインは受信トレイの他に5つ。配置も右、上、下と選択できる

やってみると、これはかなり便利です。というのも、「スターは付けたけど、まだ未処理だから」という理由で、受信トレイに残しておく必要が全くなくなるからです。とにかく、スターを付けるなり、「予定」ラベルを付けてしまえば、あとはどんどんアーカイブして、受信トレイをほぼゼロに保つことが簡単にできるようになりました。

人間というのはおかしなもので、スターを付けてしまえば、目から見えなくなってもいいように思うのですが、それだと受信トレイに残したままにしておきたくなるものなのです。

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インデックス

連載目次
第54回 書評をコツコツ書き貯める
第53回 ブラウザで進捗管理
第52回 スキャンした雑誌・書籍の全文検索
第51回 異なる環境で同じブックマークを使う
第50回 電車の乗り換え情報をアレンジする
第49回 ブラウザのタブを整理する
第48回 電子ファイリングで雑誌をデジタル化する
第47回 DailyFeedでまとめてしまう
第46回 そこで忘れずにこれをする
第45回 タスク情報を整理する
第44回 Twitterの情報を整理する
第43回 情報と情報源
第42回 メールの整理を難しくする「心理」を納得させるテクニック
第41回 「Googleデスクトップ」でEVERNOTEのデータも検索してしまう
第40回 すぐに未読であふれるRSSリーダーをどうするか
第39回 EVERNOTEの階層式タグを使う
第38回 Webサイトの記事を一気に読む
第37回 情報整理と文書作成をひとつのツールで
第36回 EVERNOTEとGmailを組み合わせて強力な検索機能を使う
第35回 異なるブラウザでブックマークを同期する
第34回 フォルダ+タグの使い方の一例
第33回 紙copiNetで一気に大量にチェックする
第32回 PDFファイルは開きたくない
第31回 「情報ノート」をタスクリストとしても使いたい
第30回 あれとあれが一緒になれば
第29回 本で得た知識をまとめたい
第28回 IT時代の記憶術
第27回 中途でやめたサービスのデータは…
第26回 情報からアイデアを発想する
第25回 活用したいと思った情報を必ず活用する方法
第24回 ぼんやりした記憶を頼りに検索する
第23回 「とりあえずとって」おきたくなる原因
第22回 書籍もタグで管理する
第21回 「どうしてもとっておきたいエントリ」はどうするか?
第20回 よくある問題 ブックマークはもちろんしています
第19回 大事な情報に限って出てこない
第18回 連絡先情報をどうするか?
第17回 よくある問題 取っておいても読むチャンスがない
第16回 文字情報をとにかく貯めておく
第15回 英語サイトから情報を!
第14回 分類のされかたを研究する
第13回 ネットで気になる情報。とりあえずどうする?
第12回 タグ自体はどう整理する?
第11回 趣味で文具を買っていませんか?
第10回 情報は回遊させる
第9回 大事な情報はトスアップする
第8回 情報の一元化は超難題
第7回 よくある問題 メールの整理ができない!
第6回 ブックマークを同期する
第5回 よくある問題 RSSリーダーの中の大事な情報
第4回 「仕事用資料」の埋没を防ぐには
第3回 よくある問題 情報のタスク化
第2回 よくある問題 [あとで読む]でも読まなくなる
第1回 よくある問題「タグ」を扱う難しさ

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