最近は画面をあまりスクロールさせずに、クリックすることで次のページへ進むサイトが多くなっています。しかし、まとまった文章を読むときには、スクロールの方が思考の邪魔になりません。今回は、複数のページにまたがる記事を1ページにまとめて読むハックスを紹介します。

よくある問題:続きを読むのに待ちたくない

あ、面白い。と思って下まで辿り着くと、クリックしなければならない

いろいろな理由と事情があるのでしょうが、一読者としての立場に立つと、記事の最後まで読んだところで、「続きを読むにはこちらをクリック」という指示は、ありがたくないものです。

もちろん、クリックした瞬間に次のページが表示されれば問題なしですが、そうでないこともよくあります。何で時間がかかっているのか、妙に待たされるのです。あるいは、待たされる感じがするのです。

個人的に、1と2だけならまだなんとか読む気なりますが、3まであるとなると、この待たされ感をもう一度味わうか、途中で読むのをあきらめなければなりません。

コラムを読むおもしろさとは、ほとんど何の関係もないこのちょっとしたネガティブな感じは、オンラインで文章を読むときにつきものの、何とも残念な感覚です。よほどお気に入りの著者が書いたものでもなければ、好きなライターさんの連載とはいえ、毎回大喜びで読んでいるとも限らないでしょう。そこに、1、2、3とあっては、疲れ切って登っていった山道に、高い塀があらあわれたように感じてしまいます。これがなければ最後まで行くのに・・・。

言うまでもなく、これは書き手の問題でも、文章の問題でもありません。そもそも、最初はあまりおもしろく感じられなくても、中盤から急に読む気持ちが高められたり、最後の落ちのところでそれまでの伏線の意味が伝わるということも、よくあることです。文章を1/3あるいは1/4で判断するということがおかしいのですが、途中で切れていてその後はクリックというのでは、そこまでで判断してしまっても、しようがないことでしょう。

ライフハック:AutoPagerを使う

ブラウザがFirefoxでなければ使えませんが、AutoPagerというアドオンがあります。このアドオンを組み込むと、「続きをクリック」せずとも、次のページをそのままのページにつないでくれるのです。

接続部に入るメッセージ

オンラインマガジンなどを読む場合には必須のアドオンだと思っています。エントリの風景が、大げさに言えば一変します。長くなると「5ページ」にもまたがるコラムなどでも、1ページの巻物のようにしてくれるからです。そしてそうやってみると、「5ページ」のエッセイでも、意外と短いことに気づきます。

記事にもよりますが、短めに区切ってあるコラムなどでは、「1ページ」が800字にも満たないことがあります。これは、書籍で言えば見開き1ページよりもちょっと多い程度の文字数です。したがって、たとえこれで「3ページ」にまたがっていたとしても、あっという間に読み終わってしまう分量です。

こういうことは、紙に出してみるとよくわかることですが、デジタルの上で数ページにまたがっていると、なかなか気づきにくいのです。そのため、「あとで読む」ことにしてしまいがちです。そのときその場で読んでしまえば、意外にあっさり読み終わるものでも、あとで読むストック情報にしてしまうと、未読の情報が溜まってしまい、精神衛生上あまりよくありません。

コラムやエッセイのほかにも、このAutoPagerが活躍するサイトがあります。Googleのような検索サイトの検索結果です。  検索一覧がずらっと並んで、ページの最後まで行くと、

123456789

などとなってしまうサイトでは、どういう場合にでも有効ですが、一度これに慣れてしまうとちょっと手放しがたく感じるほどです。それほどまでに、いちいちクリックしなければならない手間というのは、面倒くさく感じられるから不思議です。

検索結果がつながっている

まとめ

これは要するに、インタフェースの問題に他なりません。よく言われることですが、インターネットはかなり画期的な発明で、しかも歴史が浅いため、インタフェースの試行錯誤が今後しばらく続いていくのでしょう。

「123456789」は、少しも便利な方法とは思えないものですが、今では非常に多くの「検索結果」でこの方式が採用されています。もちろん、AutoPagerの下方へひたすらつないでいく方式が「最善のものだ」とは言い切れません。ただ、私自身はクリックを10回もするよりは、ダウンスクロールしていく方がはるかに理にかなっているし、楽だと感じるだけです。結果として、クリックだと5回もまずしないのに、ダウンスクロールで行けば、60程度のリストは読む気がします。

本記事の冒頭でも書きましたが、文章が途中で区切られていると、そこまでの内容からその後も判断せざるを得なくなります。これは、文章全体に対して不公平な判断です。

同じように、検索結果が分断されていると、そこまでの結果から、その後を判断せざるを得なくなります。リストにまず10項目だけが示されていて、11項目以後は全く目に入ってこないので、10項目目まで見て、「いい結果がないな」と感じた場合、目指している結果が11項目目にあるかもしれないと思いつつ、確認せずじまいにすることが少なくありません。そういう残念な感じを、AutoPagerはずいぶん減らしてくれるのです。