【連載】

Google世代の整理術「デジタル情報整理ハックス」

37 情報整理と文書作成をひとつのツールで

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多機能なメモ管理ツールならば、文書の作成や管理も同じツールの中で行うことができます。情報を整理するツールと作業スペースをまとめることで、作業効率を上げてみましょう。

よくある問題:メモの整理ができるなら

この連載で何度も紹介してきているEVERNOTEですが、これは基本的に、メモやウェブクリップを保存し、データベース化することで、あらゆる糸口から再利用できるようにするツールです。つまり、大変多機能ながら、本質的にはメモ管理ツールと考えて差し支えないわけです。

とはいえ、メモをはじめ、企画材料からタスク管理まで、これほど便利に何でもできるとなると、ファイルそのものの管理もしたくなってきます。現に私は、この原稿も、EVERNOTEを使って管理しています。最終的にWordファイルとして担当の編集さんに送信していますが、下書きの段階ではEVERNOTEで書きます。

もちろん、最初からそうしていたわけではありません。最初は、メモ、ネタ、執筆日程などだけに限ってEVERNOTE。原稿のファイルはエクスプローラで管理していました。しかし、この分散管理がまことに不便だとあるとき気がつき、タスクとしてファイルを扱うことができて、アイデアメモとネタのクリップがそこにあるなら、そこで原稿も書いてしまった方が作業の連続性が保たれるので良いはずだ、と思ったのです。 これはまったくその通りでした。明らかに、ネタをいちいちWordにコピーしたり、ファイルだけはタスク管理ツールの「外側」に出したりするより、全部をEVERNOTE上で管理してしまい、そのまま下書きに入ってしまった方が、便利だし、トラブルも発生しにくくなります。

しかし、EVERNOTEのエディタは、メモ程度なら問題ありませんが、さすがに文章を扱うとなると貧弱です。そもそも文字数すら即座にはわかりません。もちろんワードとは比べものになりません。となると、やはりワードファイルそのものが扱えれば一番良いわけです。

EVERNOTEのエディタ画面

ライフハックス:添付ファイルのようにファイルを扱う

と思っていたところ、EVERNOTEでもファイルが管理できるようになりました。ただ、残念ながら、WordでもExcelでもPowerpointでも、ということになりますと、有料です。年間45ドル(月額約340円)程度ではありますが、無料ではなくなります(または月5ドル、約450円)。無料でもPDFファイルであれば、添付して扱うことができます。

私自身は、この機能を持っているEVERNOTEに、月額400円ほどなら高くはないと思います。しかし、この点は価値観の問題ですし、オンラインアプリケーションが有料となると、とたんに人気がなくなるのは確かなので、深くは言及しません。ただ今回の記事では、有料コースに入っている場合の話を続けさせていただきます。

今「添付」という言葉を使ったとおり、EVERNOTEでのファイル管理は、あたかもメールにファイルを添付しているような感じです。おそらく、EVERNOTEの制作者は、メーラーでメモやファイルを管理しているようなイメージを持たれるように、このアプリケーションを制作しているのではないかと思います。

この原稿のファイルを、EVERNOTEに添付しているところ。

残念ながら、これもある意味ではメーラーと似ていて、添付できるファイルのサイズは、最大25MBまでという制限があります。さらに、一カ月にアップロードできる容量も、500MBまでという制限があります

それでも、Wordファイルなどを文書管理の対象として扱う限り、この容量で何とかやっていけます。もちろん、もっと大容量になってくれないと困ることも今後は出てくるでしょうが、今後は上限が徐々に大きくなっていくはずです。

当然ですが、ファイルを編集した結果は、EVERNOTE上に反映されます。つまり、ファイルをEVERNOTEで他の人と共有することも可能だということです。 ここまで来れば、タスク、企画、資料、ファイルを、シームレスに管理することが可能になります。それらのどのアイテムに関してでも、時間順でも、内容別でも、使用中・済み、重要度、作成者、作成場所等々、好きな属性でいくらでも分類することが可能です。なぜなら、EVERNOTEはタグによる分類が可能であり、さらにはノートブックという、フォルダ管理も可能になっているからです。

まとめ:残るはサービスの存続と信頼性

EVERNOTEでできることは、非常に多岐にわたっています。一般的な意味での個人情報管理ならば、できないことがないほどですし、その上ファイルを添付して利用できるとなれば、たいていのことはカバーできるわけです。残るは、サービスの信頼性と、存続についてです。

このサービスは、ローカルで利用できるアプリケーションを提供してくれますから、すぐにサービスが終わってしまったとしても、一応利用を続けることはできます。ただ、オンラインとデータの同期ができなくなれば、やはり便利さは半減しますし、そもそもサポートされないサービスを使い続けるのも残念です。

もう一つはパスワード管理の問題。気にしない、という方もいらっしゃるとは思うのですが、私としてはやはり、セキュリティに直接関わるようなデータは、オンラインに上げたくありません。この辺は、もしかすれば意味のない感情に絡め取られているだけかもしれませんが、未だにやらずにいるということは、心理的に抵抗が強すぎるのでしょう。そういうことをあえてやろうとは思わないのです。もちろん、EVERNOTEで管理したい「番号」はいろいろありますが、この問題だけは、最後まで解決できないまま残るかもしれません。

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インデックス

連載目次
第54回 書評をコツコツ書き貯める
第53回 ブラウザで進捗管理
第52回 スキャンした雑誌・書籍の全文検索
第51回 異なる環境で同じブックマークを使う
第50回 電車の乗り換え情報をアレンジする
第49回 ブラウザのタブを整理する
第48回 電子ファイリングで雑誌をデジタル化する
第47回 DailyFeedでまとめてしまう
第46回 そこで忘れずにこれをする
第45回 タスク情報を整理する
第44回 Twitterの情報を整理する
第43回 情報と情報源
第42回 メールの整理を難しくする「心理」を納得させるテクニック
第41回 「Googleデスクトップ」でEVERNOTEのデータも検索してしまう
第40回 すぐに未読であふれるRSSリーダーをどうするか
第39回 EVERNOTEの階層式タグを使う
第38回 Webサイトの記事を一気に読む
第37回 情報整理と文書作成をひとつのツールで
第36回 EVERNOTEとGmailを組み合わせて強力な検索機能を使う
第35回 異なるブラウザでブックマークを同期する
第34回 フォルダ+タグの使い方の一例
第33回 紙copiNetで一気に大量にチェックする
第32回 PDFファイルは開きたくない
第31回 「情報ノート」をタスクリストとしても使いたい
第30回 あれとあれが一緒になれば
第29回 本で得た知識をまとめたい
第28回 IT時代の記憶術
第27回 中途でやめたサービスのデータは…
第26回 情報からアイデアを発想する
第25回 活用したいと思った情報を必ず活用する方法
第24回 ぼんやりした記憶を頼りに検索する
第23回 「とりあえずとって」おきたくなる原因
第22回 書籍もタグで管理する
第21回 「どうしてもとっておきたいエントリ」はどうするか?
第20回 よくある問題 ブックマークはもちろんしています
第19回 大事な情報に限って出てこない
第18回 連絡先情報をどうするか?
第17回 よくある問題 取っておいても読むチャンスがない
第16回 文字情報をとにかく貯めておく
第15回 英語サイトから情報を!
第14回 分類のされかたを研究する
第13回 ネットで気になる情報。とりあえずどうする?
第12回 タグ自体はどう整理する?
第11回 趣味で文具を買っていませんか?
第10回 情報は回遊させる
第9回 大事な情報はトスアップする
第8回 情報の一元化は超難題
第7回 よくある問題 メールの整理ができない!
第6回 ブックマークを同期する
第5回 よくある問題 RSSリーダーの中の大事な情報
第4回 「仕事用資料」の埋没を防ぐには
第3回 よくある問題 情報のタスク化
第2回 よくある問題 [あとで読む]でも読まなくなる
第1回 よくある問題「タグ」を扱う難しさ

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