「OK Google」を運転中に生かそう

「OK Google」を利用できる機種で、基本設定もできている状況ならば「Android Auto」も利用できる。これは自動車運転中にスマートフォンを活用するための機能だ。

リリース当初は対応機器を搭載している車両でのみ利用できたが、後にスマートフォン単体で利用可能な形に進化した。Googleマップのナビ機能をカーナビとして利用している人も多いだろうが、「Android Auto」を利用すればより便利にスマートフォンを多機能なカーナビとして利用できるようになる。

やるべきことは「Adroid Auto」のアプリをインストールするだけ。ただし、インストール時に関連する別のアプリのダウンロードや、各種機能へのアプリからのアクセス許可などが必要になるから、実際に利用するより前に準備をしておこう。

インストール時には各種機能の許可作業などが必要だ

運転モードの使い方に慣れよう

アプリを起動すると、画面がかなりシンプルなものになる。位置情報を取得して、現在地の天気などが表示されるはずだ。タップで利用するなら、左下にある大きな「○」が現在機能の終了やAndroid Auto自体の終了ボタンになる。その右に並ぶのが、左から順にナビゲーション、電話、音楽再生だ。どれも大きなボタンで表示されており、一旦ホームに戻って別のアプリを起動するという手間もいらないため、駐停車時に使うのに向いている。

左上のボタンからは設定が行える。基本的に設定変更の必要はないが、車載のオーディオやカーナビ機器のBluetooth機能を利用して、車に乗ったことを自動検出してAndroid Autoを起動させることなども可能だ。

基本的な操作方法は「OK Google」と同じで、最初に「OK Google」と呼びかけて音声入力の待機状態になってからキーワードを話しかければよい。運転中は意外と周囲がうるさいもので、車種や周辺環境によっては走行中はうまくキーワードを聞き取ってもらえないこともある。信号待ちなどをうまく利用するとよいだろう。

また、「OK Google」では機能にうまくはまらないキーワードの時には検索結果が表示されたが、Android Autoでは検索は行われず「○○の答えが見つかりませんでした」と言われて終わる。本番利用前に少し練習しておくと上手に使えそうだ。

縦画面でも利用可能。車載ホルダーを用意して運転時に邪魔にならない場所へ設置しよう

横画面にするとカーナビ風の使い方がしやすくなる

自動起動や自動応答は設定画面から利用

音声入力で道案内や周辺スポット検索を利用

実際に利用することが一番多い機能は、カーナビだろう。「OK Google」の後に「○○へ道案内」や「○○へ行きたい」とスポット名や住所などを使って指示すると、「渋滞の場合、○○は現在地から○時間○分です。目的地への到着時刻は…」という案内の後で、ナビゲーションがスタートする。Googleマップで事前に職場や自宅の設定がしてあれば「職場へ道案内」などのキーワードも利用可能だ。

さらに「近くのガソリンスタンド」や「近くのコンビニエンスストア」といったキーワードでスポット検索をすると、通常の「OK Google」では現在地を中心に全方位で距離の近いスポットが検索されたが、Android Autoでナビゲーション中はルートに沿った方向で検索してくれる。完全にルートに沿ったものではなく、少し外れた位置については短時間の迂回が必要であるという注釈付きで表示される。

ナビゲーション中に「OK Google」を呼び出し「キャンセル」と言えば、案内は中止される。

スポットを指定して道案内を開始。渋滞などを鑑みた到着時間も教えてくれる

ナビゲーション中はカーナビ風の表示になる

周辺スポット検索はルートに沿った場所から探される

SMS送信やハングアウトのやりとりも可能

運転中にメッセージを送りたい時は、連絡先に入っている名前を利用して「○○にメッセージを送って」と言えば、音声入力でメッセージを送信できる。例えば、渋滞で遅刻しそうな時や、待ち合わせ場所を知らせたい時など、手を使わずにメッセージを送ることができるのは便利だろう。ただし、今のところSMSでの発信になるようだ。

また、メッセージを送る前にないようを確認してくれるのだが、音声入力したものをテキスト化してから読み上げているせいで「今東京にいます」が「コン東京にいます」と発音されたり、「15分位遅れます」が「15分イ遅れます」と読み上げられたりすることがある。テキスト自体はきちんと入力されているから、あまり気にせず送ってしまおう。

また、送信はSMSなのだが、着信はハングアウトのものも取得してくれる。着信を知らせる画面やAndroid Autoのメイン画面の履歴をタップすると、メッセージが読み上げられる。最後に「音声ボタンを押して返信と発声してください」と言われるが、ボタンを押さずに「OK Google」の後で「返信」と言うのでもハングアウトで返信作業ができる。

また、設定画面で自動応答の設定をしておくと、設定画面から1タップで運転中であることなどを知らせることも可能だ。

ハングアウト着信時に「メッセージを…」という部分をタップすると読み上げが行われる

Android Autoのホーム画面からは1タップで自動応答に設定したメッセージが送信できる

電話応対や音楽再生にも便利

電話着信時も大きなボタンで簡単に受話できる。通話中は標準でスピーカーフォンになっているから、ハンズフリー通話が可能だ。また、通話の録音も行えるから、ゆっくり聞いている余裕がない時でも一方的に話してもらって録音して後から確認するといったこともできる。

音楽ファイルが端末にあれば、音楽再生も可能だ。カーナビ、カーオーディオ、ハンズフリー通話という運転中に使いたい機能をひとまとめにして、音声操作と大きなボタンをタップするだけでほぼ利用できるようにしてくれるのがAndroid Autoだ。まだスタートして日の浅いサービスだけに多少使い勝手にぎこちない部分などもあるが、Google以外が提供しているアプリで連携可能なものもいろいろ用意されている。運転する機会の多い人は試してみよう。

電話着信時にはAndroid Auto上で受話

標準でスピーカーフォンになっているが、不要ならば名前下の左端ボタンでオフにできる

一番右のボタンからは通話録音も可能だ

「音楽を再生」などのキーワードで音楽再生もできる