【連載】

ぐうたら夫婦のいまさら聞けない株式投資入門

22 ただ保有するだけではもったいない! 貸株サービスでおトクな株生活

    井原歩  [2008/09/22]

    「貸株」とは、投資家が保有している株を証券会社に貸し出すことで、「貸株料」を受け取ることができるサービス。配当金や株主優待などの利益とは異なる「+α」として、毎月貸株の金利に見合った金額を得ることができるのだ。そこで今回は、株の売買にも慣れてきた舞込夫婦にマイカブ君がこのサービスを紹介。株主優待や配当だけでは物足りない短期売買派のまゆみと一緒に「貸株サービス」ついてじっくり勉強しよう!

    主な登場人物

    舞込さとし(32歳)・まゆみ(28歳) 結婚3年目に突入した舞込夫婦。そろそろ子どもも欲しいけれど、お金もかかるし面倒か……と、ついつい会社以外ではぐうたらと過ごしてしまう2人。

    マイカブ君(年齢不詳) 舞込夫婦のパソコンから突如として現れたネット株の妖精(?)。ネット株の便利さを伝えるために奔走しているが、お化けと間違えられる日々。

    ※この物語はフィクションであり、実在の人物、団体とは関係がありません。

    長期保有派にピッタリ! 貸株サービスを利用してトクをしよう

    マイカブ君の親切な指導のかいもあってか、少しずつ自分たちの納得できる株を保有し始めた舞込夫婦。その内訳は、とも働きの2人だけにデイトレードより中長期保有できる銘柄がメインになっていた。しかし、配当金や株主優待だけでは利益が少ないのではないかと少し不満げのまゆみ。そこでマイカブ君から、長期で保有するからこそお得な「貸株サービス」について教えてもらうことに。

    うぅ~ん……。

    どうしたの、まゆみ。さっきから唸ってばっかりだよ?

    あのね、前からちょっと疑問に思っていたんだけど、私たちの保有銘柄って、中長期系のものがメインよね?

    まぁ、そうなっちゃうよね。2人とも日中は働いているわけだし、細かく銘柄をチェックするわけにはいかないから……。それがどうかしたの?

    それが嫌ってわけじゃないけど、長く持っている株だと、利益が1年や半年に1度の配当金や株主優待だけになっちゃうのよねぇ……。

    あ、それが不満なのかぁ……。でも、仕事があるわけだから、デイトレーダーのように積極的な儲けを狙うのはなかなか難しいよなぁ。

    まぁ、もちろんデイトレとまではいかないけど、株を長期で保有していても、+αの利益を得ることはできるカブ!

    マイカブ君、それは本当なの!?

    本当だよ! 2人とも、貸株サービスって聞いたことあるかな?

    かしかぶさーびす?

    う~ん、聞いたことないなぁ。

    v

    じゃ、最初から説明するカブ! 貸株サービスは、SBI証券などの一部の証券会社で提供されているもので、この「貸株」とは、自分が保有する株を証券会社に貸し出すことで、配当などの利益とは別に「貸株料」を受け取ることができる仕組みになっているんだ。

    えっと……?

    あ! つまり、銀行でお金を預けて利息が発生するみたいに、貸株の金利がもらえるということ!?

    その通り! もちろん条件は証券会社によって異なるけど、基本的に貸株サービスはほとんどの銘柄で利用できるし、貸株金利も1.0%前後で設定されているから、効率的に利益を得られるんだ。

    なるほど! でも配当金が減ったり、株主優待の権利がなくなったりはしないかしら?

    配当金に関しては、心配ご無用。貸株サービスでは、株を保有する企業から直接配当を受け取ることができない代わりに、証券会社から配当と同じ金額を受け取ることができるんだ。

    じゃ、株主優待はどうなっちゃうの?

    株主優待に関しては、取り扱う証券会社によって異なるから注意が必要になるけど、ほとんどの証券会社で優待の権利を自動的に獲得できる「優待権利自動取得サービス」などを提供しているから、それを利用すればちゃんと優待も受けられるよ。






    貸株サービスとは……

    ここでマイカブ君の補足をしておきましょう。

    貸株サービスとは、SBI証券やカブドットコム証券などの一部証券会社で提供されている個人投資家向けのサービスで、保有する株券を証券会社に貸し出すことで、それに見合った貸株料を毎月得ることができます。証券会社に貸し出された株は、機関投資家などに向けて貸し出される仕組みとなっており、証券会社はその仲介の役割を果たしているのです。

    また、貸株サービスと似ているサービスとして、松井証券の「預株サービス」があります。これは、松井証券を通じて日本証券金融へ株が貸し出されるものですが、この場合、借りたいと申し込みがあった銘柄のみが預株の対象となりますので、貸株サービスとは条件が異なってくる点に注意しましょう。

    貸株サービスを利用する際の注意点としては、貸株中の配当金は、正確には「配当金相当額」になりますので、税務上は配当所得ではなく雑所得扱いとなります。また、基本的に投資者保護基金の対象とならないため、証券会社が倒産した場合などは株が返却されないリスクもあることを覚えておきましょう。

    すご~い、貸株サービスって、上手に使えば便利でお得なものなのね~!

    本当だね~! でもマイカブ君、貸し出し中に株を売りたくなったらどうすればいいの?

    さすがさとし、いい質問だね。実は、株の貸し出し中であっても、売却はできるカブ。だから、いつでも売りに出していいんだよ!

    それじゃ、通常の株式売買と同じ感覚で貸株サービスを利用できるのね!

    もちろん。しかも、このサービスは無料で受けることができるから、証券会社を選ぶ際には、貸株サービスの有無を視野に入れてもいいよね?

    勉強になりました~!!

    じゃさとし、さっそく申し込むわよ?

    え? 結局僕がやるの!?

    善は急げでしょう? 頑張って!

    まゆみの株レベルは上がっても、ものぐさは変わらないカブ……。






    予告

    通常の株式売買に慣れてきたら、今度は株と同様に証券取引所で売買されているETF(上場投資信託)にも注目してみよう。リスクヘッジに長けている金融商品ETFの魅力を一挙紹介!

    ※本連載では、株式投資に関する疑問や質問などを随時募集していますので、こちらから気軽にお送りください。

    イラスト : 岩井勝之

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