【連載】

ぐうたら夫婦のいまさら聞けない株式投資入門

17 下がった株はいつか上がる……ハズ? - 損失を増やさないためのルール

    井原歩  [2008/07/08]

    保有株を実際に売ってみることで、自分の利益を確定させることも大切だとわかった舞込夫婦。早速、自分たちなりの売り時のルールを設定しようとしたところ、損失を出している銘柄があることに気付き、あわてふためく2人。そんな2人を見て、今回はマイカブ君が「売り時のルール」が「損失拡大を防ぐ」際にも有効であることを説明する。株には、時として損を覚悟で売る必要性もあることを覚えておこう!

    主な登場人物

    舞込さとし(32歳)・まゆみ(28歳) 結婚3年目に突入した舞込夫婦。そろそろ子どもも欲しいけれど、お金もかかるし面倒か……と、ついつい会社以外ではぐうたらと過ごしてしまう2人

    マイカブ君(年齢不詳) 舞込夫婦のパソコンから突如として現れたネット株の妖精(?)。ネット株の便利さを伝えるために奔走しているが、お化けと間違えられる日々

    ※この物語はフィクションであり、実在の人物、団体とは関係がありません。

    初心者に塩漬けは有効? 無効? 損失を最小限に抑えるには!

    マイカブ君に指導を仰ぎつつ、売りのタイミングをつかむ勉強をはじめたさとしとまゆみ。いつものように保有銘柄のチェックをしていると、大きく値下がりしている銘柄があることに気付き、愕然とする。しかし、あまりにマイナスが大きいため、いつか値上がりすることを期待して売るのを躊躇する2人。そこで今回は、マイカブ君が損失を拡大させないための「売り時のルール」について教えてくれることに。

    さとし~、売るタイミングってのもなかなか難しいものよね~。

    そうだね。これぐらいまで株価が上がったらって設定しても、もう少しあがりそうとか思っちゃうし……。

    でも結局下がって売り時を逃してしまうことも多いものね……。

    そうそう。決めたルールも守れなきゃ意味がないってことがよくわかったよ。

    利益を出すのも結構大変……って、ちょっと、さとし大変よ~!!

    え~? なになに、どうしたの?

    見てよコレ! この銘柄、かなり損しちゃってる~!!

    あぁ~、そういえば昨日のニュースでこの会社出てたよね……。

    えぇ~、ちゃんとチェックしておいてよ~。このままじゃ半額以下になっちゃうじゃない~!!

    そんなこと言われても、昨日は忙しかったんだよぉ。

    うぅ~せっかくかった株が値下がりするなんてぇ……。明日になったら元に戻ってるとかないかしら?

    さすがにそれはないと思うけど、時間をかけて元に戻る可能性もあるよね。

    そうよね、ずっと下がり続ける株もないっていうし……。見なかったことにしよう!!

    コラコラ!! ちゃんと見てるぞ~!!

    あぁ~見つかっちゃった。

    だってマイカブ君……、こんなに値下がりしちゃったんだもの、悔しいじゃない!!

    悔しいのはわかるけど、そのまま塩漬けにするってのもどうかと思うカブ。

    塩漬けって……?

    塩漬けっていうのはね、買った株が予想通りに値上がりせず、逆に値下がりして売るに売れなくなって保有し続けてしまうことなんだ。

    その塩漬けをすると、なにか問題があるの?

    もちろん、株価が戻れば問題ないかもしれないけど、そのまま値下がりが続けば、損失を拡大させることになるカブ。

    それはわかっているけど……、売ったら損失が確定しちゃうのよ?

    その発想がいけないカブ~!! 時には損を覚悟で売らないと、より大きな損失を出すこともあるんだよ。







    ここでマイカブ君の補足をしておきましょう。もちろん「下がり続ける株もなければ、上がり続ける株もない」という株の格言を聞いたことがある人は多いかと思います。また、大きく下がった株は、一定ラインで反発し、戻る(上昇する)という例もないわけではありません。しかし、予測に反して下降する階段のように値下がりしていく場合があることも忘れてはいけないのです。

    このような場合には、損をこれ以上大きくしないために、ある程度の損を覚悟で売るという選択肢も必要になってきます。マイカブ君が説明したように、塩漬けにするということは「含み損を大きく抱えた株」を所有し続けることになりますので、売り渋りをしたことによって、結果的に損失を拡大させることにもなりかねません。

    とはいえ、株価がどの程度まで下がるのかわからない状態ですぐに売るという判断をくだすのも難しいものです。ですから、損切りをするラインとして「株価が○円まで下がったら売る」「株価が○%下がったら売る」というような、自分が耐えられる損失の範囲内でのルールを決めておくことが必要となるでしょう。

    そっか~。保有していればなんとかなるってものじゃないんだね!

    たしかに……。半額になってからじゃ遅いってこともあるわよね。

    でしょう? もちろん、今回のようにニュースが原因で値下がりした場合なら、その会社が今後どんな対策を発表するかによっても株価は変わってくると思うけど。

    あ、そうか。まずは、その銘柄が今後どんな動きをするのか調べてみなきゃいけなかったんだ!!

    そうそう。見なかったことにするんじゃなくて、まずはどんな要因で株価が下がり、その会社がどう動くかも見極めていかなくちゃね!

    うぅ~、ごめんなさ~い!

    勉強になりました~!

    わかればいいカブ~! でも、売り時のルールが利益確定にも損切りにも必要なことがわかったでしょう?

    本当だわ。過大な目標設定をしないこと、損失を出したらそのままにしないことが大切なのね~。

    それに、しっかり損切りができれば、次の投資にもつなげることができるカブ!

    そこで損失を取り戻せるように頑張ればいいわけね?

    まゆみも大人になってきたね!!

    うんうん、2人ともちゃんと成長してるカブ~!







    予告

    休日の午後に買い物に出かけたさとしとまゆみ。夏に向けて新しくクーラーを購入するかどうか悩んでいた2人は、ふと季節の銘柄がどう動くのか気になった様子。そこで次回は、マイカブ君が季節ごとに動きを見せる銘柄について教えてくれることに!

    ※「株式用語の基礎知識」では、株式投資に関する疑問や質問などを随時募集しています。こちらから気軽にお送りください。

    イラスト : 岩井勝之

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