親しみやすいキャラクターと独自のシュールな世界観で観客を不思議な空間に引き込むお笑いコンビ、ジャルジャル。昨年は「笑いの超新星2008」最優秀新人賞を受賞し、現在は『THE THREE THEATER』(フジテレビほか)にもレギュラー出演中で時代を担う新星として今、大注目のコンビだ。そんな彼らの珠玉のコントを集めたDVD「ジャルジャルの戯(あじゃら)2」が2月25日、リリースされた。

期待の新星コンビが放つ珠玉のコントDVD!!

ジャルジャルの後藤淳平(左)と福徳秀介

――まずは今回リリースされるDVDの見どころから聞かせて下さい。

福徳秀介(以下、福徳) : 「そうですね……大阪で新人賞(「笑いの超新星2008」最優秀新人賞)を取った『嘘つき通す奴』のようなちゃんとしたコントもあれば、逆に『ピンク~未知の世界~』みたいな、きっと賞は取れないようなコントまで(笑)、幅広くネタが入っているところですね」

後藤淳平(以下、後藤) : 「前作(『ジャルジャルの戯(あじゃら)1』)同様、なるべく偏らんように集めてみました」

――オススメのネタは?

後藤 : 「僕は『ため口』ですね。改めて見たら面白かったです。ほんまに笑ってしまいました、自分でも(笑)。さすがにあそこまでため口を通す奴には会ったことないですけど(笑)」

福徳 : 「僕は『落語』です。僕らの中ではめちゃめちゃ古いネタですけど、やっとDVDに収録できました。これはほぼ実話のネタなんです。大学で落研が落語の練習をしてて、学生にOBが稽古つけてたんですけど、ほんまにこんな感じだったんですよ(笑)」

後藤 : 「OBも落語のことそんなに分かってんのか、みたいな。全然先に進ませてあげてなくて」

福徳 : 「そんなふうに、基本、自分らの周りで起こったことをヒントにネタを作ることが多いです」

後藤 : 「稽古するしないはコントによってまちまちで、『ため口』はほとんど練習してないですね」

福徳 : 「『同い年家庭教師』はやたら練習しました。逆にあんまり練習したら良くないものもあります」

――黒Tシャツにベージュの短パン(福徳)&パンツ(後藤)という、シンプルな服装は何か特別なこだわりがあるのですか。

後藤 : 「ただ単に楽なんです、ほんまに(笑)」

福徳 : 「コントのたびに衣装替えるとなったら大変じゃないですか」

――今回は特典としてコントが40ネタも収録されたCDが付いてきます。

福徳 : 「いや、これも単に使い道がなくてしょうがなく(笑)」

後藤 : 「舞台でやるほどのもんでもないので、とりあえず集めてみた感じです(笑)」

福徳 : 「でも、コントの数が50以上あるDVDはそうそうないので、ぜひ買ってほしいです。

後藤 : 「ジャケットのイラストのオシャレな感じがインテリアとしても大活躍すると思いますので、どうぞよろしくお願いします(笑)」

コントの源は二人きりのプライベート旅行!?

――2人は高校時代からの仲良しなんですよね。

福徳 : 「はい。高校からずっと友だちでここまで来てます」

後藤 : 「いまだに一緒に旅行に行ったりしてますね」

福徳 : 「よう周りからは『何してんねん』と思われてるんですけど(笑)」

後藤 : 「ほんまに仕事のない時とか、東京にショッピングに行ったりするんですよ。原宿とか」

福徳 : 「旅行先でアクシデントとかが起こると、『あ、これネタに使えるんじゃないか』と。あくまでメインは旅行ですけど(笑)」

――ネタ作りをする上で役割分担はあるのですか?

後藤 : 「いいえ。特にあるわけではないですね」

福徳 : 「そもそも(ネタを)書くこと自体があんまりなくて」

後藤 : 「DVDにも収録されてる『あんまりよくない歌』っていうコントがあるんですけど、これは旅行先でストリートミュージシャンが歌ってるのを見て出来たんです。その時は人もけっこう集まってたんですけど、よう聴いたらあんまり良くなくて……(笑)」

福徳 : 「お客さんの中には泣いたりしてる人もいたんですけどね」

後藤 : 「冷静にCDで聞いたらあんま良くないんちゃうか? と」

福徳 : 「で、ホテルに帰った後、2人で『ぶっちゃけどうやった?』みたいな話をして、そこから作っていきました」

――では、ネタ作りの過程で意見が衝突することは?

福徳 : 「いや、ネタ作りではないですけど、旅行中はよくありますね」

後藤 : 「よくケンカしてます」

福徳 : 「旅館とかって、タオルも2枚くらいしかないじゃないですか。でも、彼は平気で風呂2回入ったりして2枚とも使っちゃうんですよ」

後藤 : 「僕からしたら『頼んだらええやん』って思うんですけど、それで言い合いになったりしますね」

――それでも一緒に旅行に行くわけですか。

福徳 : 「そうですね(笑)。大学の時はめちゃくちゃヒマやったんで、けっこう行ってましたね。最高で週1くらい。毎回、ジャンケンで負けた方が旅費を出す決まりなんですよ」

後藤 : 「先に行き先を決めてからジャンケンするんです。ちなみに、カナダ旅行の時は僕が勝ちました」

福徳 : 「その時はなんとなく"盛大なるジャンケン"ということで、通天閣の上でしましたね(笑)」

――ちなみに、今後の旅行の予定は?

福徳 : 「尾道に行こうと思ってます(笑)」

今明かされるジャルジャル結成秘話&将来の目標

――コンビ結成はどういった経緯で?

福徳 : 「一応、僕が『やろうぜ』みたいな声をかけたんです。でも、途中でちょっと嫌になって」

後藤 : 「養成所に入学する直前に「やっぱ止めよう」って言われたんですけど、僕から誘い直したんです」

――不思議なコンビ名の由来は?

福徳 : 「大学時代、コンビ名を何にしようか思ってた時、目の前に蛇口があったんですけど、ネジが緩んでて全然水が止まらなかったんです。それを見て『(水が)ジャルジャル出てるな~』って言い出して」

後藤 : 「『これや!』と(笑)。でも、一度『スピードスター』に変えようと思ったんですけど、止めました」

福徳 : 「後藤が一時、病んでた時期なんですけど(笑)」

後藤 : 「最初は漫才やってたんですよ。僕がボケで福徳がツッコミで半年くらい」

福徳 : 「漫才でM-1グランプリに挑戦したけど1回戦で落ちて、ネタ見せの授業で見せるネタがなくって、たまたまやってたコントを『しゃあないからやろうか』ってやったら褒めてもろうて。そこからですね。今のスタイルになったのは」

――二人が目標とする存在は?

福徳 : 「高校の時、同じラグビー部の部員で辻村って奴がいたんですけど、そいつがすごい面白かったんですよ」

後藤 : 「辻村はマジでおもろかったですね。今はもうフツーに働いてるんですけど、いまだに僕らの出たテレビ見て『あそこはアカンかった』ってダメ出しをしてきますから」

福徳 : 「顔も動きも面白くて。彼に認めてもらうのはまだまだ先になりそうですね」

後藤 : 「ですから、辻村に認められるのが目標です(笑)」

福徳 : 「実はこのDVDの『戯(あじゃら)』っていうタイトルのも、『つじむら』の"じ"と"ら"を残して言葉をはめて作ったんです」

後藤 : 「最初"ジャルジャルの辻村越え"っていうタイトルが提案されたんですけど、あまりにも通じないと思い、崩していったらこうなったんです。ちなみに、今回のDVDも見てもらったんですけど、辻村は『まだまだ』って言ってました。『もっと出来るやろ、おまえら』と(笑)」

――では、無事、辻村越え(笑)を果たした後は、いよいよ東京進出?

福徳 : 「東京にはぜひ進出したいですね。『笑っていいとも!』のレギュラーになりたいです」

後藤 : 「僕も東京で冠番組が持てたら嬉しいですね。でも、1回行こうとした時、辻村に『まだや』って止められましたので、もう少し先かもしれません(笑)」

彼らの作るコント同様、どこまでホントかどこまでネタか分からない話を真顔で語るジャルジャルの2人。そのどこか真面目で人を喰った感じが、彼らならではの魅力ともいえる。たぐいまれなる仲の良さと唯一無二の持ち味をフルに活かし、ジャルジャルが全国区でブレイクをはたすのもそう遠くはないだろう。

『ジャルジャルの戯2』(3,990円 販売元:よしもとアール・アンド・シー)は現在発売中。購入はこちらから。

ジャルジャル

●後藤淳平 1984年3月20日生まれ。大阪府出身。AB型。●福徳秀介 1983年10月5日生まれ。兵庫県出身。O型。NSC25期生。2006年に第17回オールザッツ漫才で準優勝したのを皮切りに、2007年は第22回NHK新人演芸大賞、第29回ABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞、第19回オールザッツ漫才優勝などお笑いコンテストのグランプリを獲得。『THE THREE THEATER』(フジテレビほか)、『あほやねん! すきやねん!(火曜日)』(NHK総合)、『スキマでジャルジャル』(毎日放送)などにレギュラー出演している。