Google Appsを使えば、現場に直結した販売管理データベースも簡単に作成できる。そこで今回は、複数拠点で展開している中古車販売店を例に、販売管理データベースサイトの作成方法をご紹介しよう。

シート間連携で各店舗のデータを集計

販売管理データベースサイトといっても、基本的には今までの記事で紹介した内容を応用することで簡単に作成できる。しかし、サイトの中身だけを見せても面白くないので、今回はデータやサイト作成時に便利なちょっとしたテクニックを交えて解説しよう。

まずは、販売管理データベースサイトのトップページに来場者数と契約者数の推移を表示すべく、Googleドキュメントのスプレッドシートでデータ入力を行う。ここでのポイントは、シート間連携によって各店舗のデータをまとめていること。各店舗から寄せられたデータを基に再入力するとどうしてもミスが発生しやすくなるが、スプレッドシートでは「='シート名'!セル」の書式で入力することにより、別シートの数値が引用できる。この機能を使えば、ケアレスミスを押さえると同時に効率の良いデータ管理が可能となる。

まずはGoogleドキュメントのスプレッドシートに、1店舗分の来場者数と契約者数の推移を入力する

最下部にある「シートの追加」で2店舗目のデータを最初から作成しても良いが、フォーマットが同じなので、シートのタブをクリックして「コピー」を選択

コピーができたら店名や数値を書き換えていく。同じ作業を繰り返し、4店舗分のデータが短時間で作成できた

次に、シート間連携を使い各店舗のデータを1枚のシートに表示してみる。今回の例で、シート名「川越店」のセル「C4」を表示させたい場合は「='川越店'!C4」と入力

画面右下に「='川越店'!C4」と表示されていることから、セル内の数値が直接入力したものでないことが分かる

Excelと同じように、指定したセルの右下にある「■」をドラッグすれば簡単にコピーができる

各シートの数値が引用できたら、SUM関数を使って全店舗の合計を求める

これで全店舗の来場者数と契約者数が集計できた

トップページにグラフを表示する

続いて、トップページ用のグラフを作成する。Googleサイトでスプレッドシートの挿入を使うと必然的に一番最初のシートが表示されるので、今回はあえてグラフだけそこに置く形を採用した。この方法ならば、販売管理データベースサイトのトップページを開いた時にグラフが表示され、詳細を見たい場合もわざわざGoogleドキュメントを開かずに確認ができるわけだ。

一番左のシートにトップページ用のグラフを作成する。移動はシート名のタブをクリックし「《 左に移動」「右へ移動 》」で可能だ。今回は別シートのデータを参照するので、全店舗の合計シート「全店舗_来場・契約者数推移」を選択する

別シートでデータ範囲を指定したら「OK」をクリック

データ部分に指定したセルが表示されていることを確認。必要に応じてグラフタイトルや軸ラベルなどを入力したら、「グラフの保存」をクリックする

このように、シート間連携では数値の引用だけでなく、グラフのデータ元参照も行える

来場・契約者数に関するデータが完成したら、販売管理データベースサイトを新規作成し「挿入」→「スプレッドシート」で挿入する

各店舗用のページを作成

販売管理データベースサイトのトップページができたら、階層下に各店舗のページを作成する。店舗ページには販売を強化したい商品情報や、各店舗が抱えている在庫情報などを記載すると販売管理に効果的だ。ここでは中古車販売店として表組みを使ったオススメ中古車の情報と、各店舗の入庫リストを作成していこう。

トップページの階層下に店舗用のページを作成する。今回はオススメ中古車情報を掲載するので、写真挿入後に「表」→「表を挿入」からスペック表作りを行う

このようにGoogleサイトでは簡単に表作成が可能だ

次に、スプレッドシートで各店舗の入庫リストを作成する。データが多い場合は1行おきに色を変えておくと見やすくなる

店舗用ページの階層下に入庫リストのページを作成する。スプレッドシートを挿入する際に表示形式で「リスト」を選択すると、項目ごとのソートなどが行いやすくなる

あとは同じ方法で各店舗のページと入庫リストを作成し、トップページにニュースや地図などの必要な情報を追加すれば完成だ

このようにGoogle Appsは営業支援やプロジェクト管理だけでなく、販売管理にも大きな効果を発揮してくれる。今回は中古車販売店としてオススメ中古車情報と入庫リストページを作成したが、内容を工夫すれば多彩な業種で使用できるだろう。皆さんの企業でも、Google Appsを上手に活用して日々の業務効率アップにつなげていただきたい。

さらに、ベイテックシステムズの営業支援・営業管理機能を活用すれば、営業本部からの全員お知らせ機能や営業本部での全員営業報告書の一括閲覧などが利用できるようになる。