お歳暮や年賀状は経営の観点からも重要な役割を果たすが、忙しい時期だけに送り忘れや重複といった事態が発生しがちだ。そこで今回は、Googleドキュメントのスプレッドシートやフォーム機能などを使って、送付・受領状況の管理ができるデータベースサイトをご紹介しよう。

まずはスプレッドシートで送付・受領リストを作成

年末年始にかけては、何かと忙しくなる時期。そんな中でも忘れてはならないのが、お世話になっている顧客やパートナー企業に日頃の感謝を込めて送るお歳暮や年賀状だ。時としてプロジェクトの円滑な進行やビジネスチャンスの拡大に繋がるため、経営面から見ても重要な役割を果たすといえるだろう。

しかし、送り忘れや同じ相手に何通も重複した年賀状が届くようでは失礼にあたるだけでなく、社内の管理体制が良くないとも判断されかねない。このような送り忘れや重複などのリスクを排除するには、お歳暮・年賀状管理用のデータベースサイトを作成し、社内の情報共有を促進する方法が効果的だ。

お歳暮・年賀状管理用のデータベースサイトは、主に送付先を一覧化したリストと、そのリストへ登録するためのフォームで構成される。まずはGoogleドキュメントのスプレッドシートで、送付先リストを作成してみよう。

リストに記載する基本項目は自社の担当者と部署、そして先方の企業名・部署・担当者・住所など。年賀状は1枚のスプレッドシートで送付・受領を管理し、お歳暮管理は御礼状などもあるので送付用と受領用に分けて管理すると便利だ。

年賀状送付・受領リストでは毎年の送付および受領状態が一覧化できる項目を用意

年度別で業者への発注・発送状況を記載できるほか、その年に送る商品の指定項目も設けられたお歳暮送付リスト

受領日の入力と先方に対する御礼状送付の確認ができるお歳暮受領リスト

画像の挿入で見やすさをアップ

次に、完成したスプレッドシートを使って、お歳暮・年賀状管理用のサイトおよび各ページを作成する。ポイントは、スプレッドシートを挿入する際に表示形式で「リスト」を選択すること。ソート機能で、各項目ごとに並べ替えができるので"うっかりミス"の防止にもつながる。

また、企業によっては相手先に応じて贈答用の商品を変えている場合もあるだろう。そんな時には、リスト上部に商品写真を挿入しておくとイメージがつかみやすい。操作は非常に簡単で、挿入したい場所にカーソルを合わせて「挿入」から「画像」を選択。画像をアップロードするかURLで指定し、位置やサイズを決めたら完了だ。同様の方法で、相手先に応じて年賀状の絵柄や文面を変えることもできる。

お歳暮・年賀状管理用のサイトおよび新規ページを作成。スプレッドシートを挿入する際は表示形式で「リスト」を選択しよう

写真を入れたい場所にカーソルを合わせて「挿入」から「画像」を選択

任意の画像をアップロードしたら「OK」をクリック

挿入した画像をクリックすると、配置やサイズを簡単に変更できる

写真に記号と商品内容を併記しておけば、どのような商品が贈られるのか一目瞭然だ

ちなみにGoogleサイトでは、11月16日よりサイト作成時に「ギャラリーでさらに検索」からテンプレートを選べる新機能が加わった。世界各国のユーザーによってビジネス用コラボレーションやイベント、教育向けなど多彩なテンプレートが公開されており、さらに簡単かつ表現力豊かなサイト作成が可能になっている。もちろん従来通り、50種類近いテーマから選択することも可能だ。

「ギャラリーでさらに検索」からテンプレートを選べる新機能が加わったサイト作成画面

送付・受領用のフォームを作成

続いては、各担当者が総務部に発注・発送依頼を行うフォームの作成だ。先ほど作成したスプレッドシートに各担当者が直接入力することもできるが、それではどうしても重複や未処理など業務上の混乱が生じやすくなる。多少の手間はかかるが、リスク回避のためにはスプレッドシートの変更権限を与えず、別フォームで集計した内容を総務部で一括入力する方が良いだろう。

フォームの作成手順は、第3回で情報収集用のアンケートを作成した時と同様、Googleドキュメントの「新規作成」から「Form」を選び、必要な項目を入力・設定していこう。

Googleドキュメントの「新規作成」から「Form」を選び、お歳暮の送付に必要な項目を入力・設定する

新規ページを作成し、「挿入」→「スプレッドシート フォーム」から先ほど作成したフォームを指定する

同様の方法で、年賀状送付・受領およびお歳暮受領用のフォームを作成する。サイドバーに表示されているナビゲーションの並び順が気になる時は「サイドバーを編集」をクリックし、ナビゲーション項目の「編集」で「ナビゲーションを自動的に整理する」のチェックを外せば項目の移動ができる

これでお歳暮・年賀状管理データベースサイトの作成は完了だ

なお、歳暮・年賀状管理は、ベイテックシステムズのお中元、お歳暮、年賀状、暑中見舞いハガキのデータベース管理機能を利用すると、データインポート、エクスポート、変更履歴、変更通知、アクセス権限管理も行えて便利だ。

お歳暮・年賀状管理用としては時期がギリギリになってしまったが、今回紹介した手法は暑中見舞いやお中元などにも使えるので、ぜひ社内の情報共有に活用していただきたい。