人民元とはどのような通貨か

人民元には呼び名が多い。英語でRenminbi (レンミンビー略号RMB)またはChinese Yuan(チャイニーズユエン略号CNY)とも呼ばれている。実際、中国人は人民元のことをなんと呼び発音しているかというと、快銭(Kuaiqian)クヮイチェンと言っている。まだ記憶に新しいのが、2005年7月21日の人民元切り上げである。

それまで対ドル固定(ペッグ)相場制であった1ドル=8.28元から1ドル=8.11元に2%程度切り上げられ管理フロート制へ移行したが、それでもまた管理変動相場制であって、完全変動制ではない。それにこの後の項目で記すが、現状はまだ何かと規制の多い通貨である。

人民元の対ドルレートはこの切り上げの日から上昇し続けていたが、最近では金融危機の進行に伴ってほぼ横ばいで推移している。(12月5日現在の対米ドルレートは6.8502元、切り上げ以来の上昇率は18.39%)。中国は景気減速の影響を受ける輸出企業支援のために、人民元安を誘導させるかもしれないが、米国からの人民元の切り上げ圧力は引き続き強いことから、将来的な中国経済の回復と共に長期的には人民元高になるのではと予想している。対円では急速な円高の進行で、今年は8月18日の高値16.10円をピークに12月1日に年初来安値13.28円まで21.23%下落している。

対円チャート : ひまわり証券提供

人民元預金口座開設に必要な物および注意事項

私が口座を作ったのは深センの香港上海銀行(HSBC Bank China, 深セン分行)と中国銀行(Bank of China,深セン市分行)である。なぜ深センなのかというと、私は香港を訪問する機会が多いので、そこから最も近い中国として選んだが、近さと大都市という点から上海も対象となるだろう。また、英語が通じるということや国際的な展開をしていることを評価してHSBCをメインに口座を開設した。私は行く前に万全を期すため、HSBCに直接電話やメールをして必要な物や不明点を確認してから出掛けた。両行共、一長一短なので、以下を参考にして、自分に使いやすい銀行を選ぶようにしたい。

■注意事項
HSBC =パスポートと住所証明(英文の銀行取引明細書など)できるもの。日本語免許証も可。中国銀行=パスポートのみでOK。
日本から現金を持ち出す場合、1人あたり100万円以上は税関申告が必要。
中国への外貨持ち込みは、1人あたり5000米ドル相当以上は税関申告が必要。
銀行窓口での外貨(現金)の預金は、1人1日あたり5000米ドル相当までに制限される。従って、人民元へ交換して預金する場合も同金額までしかできない。
外貨から人民元に両替できる金額は1人あたり1年間で5万米ドル相当まで。
中国からの人民元持ち出しは、1人2万元まで。現在中国国内で外貨に交換するのは禁じられている。ただし香港に持ち込んで外貨に両替は可。
テレフォン・バンキングは両行とも可。インターネット・バンキングは、HSBCは英語可。中国銀行は中国語のみ。
HSBCは「Normal Account」=最低残高10万人民元相当、「 Premier Account」=最低残高50万人民元相当の2口座のみ。(人民元でも外貨でも預金可)
中国銀行は普通預金は1元からでもできるが、定期預金は50元から。
外銀はATMカードを発行できないため、HSBCにはATMカードはない。中国銀行はその場でATMカードを発行してくれる。
HSBCは毎月ステートメント(銀行取引明細書)を郵送。それ以外にも取引のあるたびに通知される。中国銀行は、預金通帳のみ。
人民元預金の利息に掛かる税金は5%。(以前は20%)

人民元預金口座開設の基本的な流れ

次回以降、いよいよ具体的な口座開設の方法を記していく。

執筆者紹介 : 香澄ケイト氏

主な略歴 : 為替ジャーナリスト
米国カリフォルニア州の大学に留学後、バヌアツ、バーレーン、ロンドンでの仕事を経て、帰国。外資系証券会社で日本株 / アジア株の金融法人向け営業、英国系投資顧問会社でオルタナティブ投資の金融法人向けマーケティングに従事する。退職後、株の世界から一転してFXに関する活動を開始し、為替情報サイト、マネー雑誌などの執筆、ラジオ番組への出演およびセミナー等の講師を努める。著書に『あなたのお金を10倍にする外貨投資術』(フォレスト出版)、『今すぐ始めるFX5人の投資家が明かす勝利のルール』(すばる舎)がある。