多めにつくって残ってしまったチャーハン。温めなおして食べるのでは芸が無い。そこで今回は、残ったチャーハンを使った"再利用"するレシピを紹介する。レシピ考案は東京・青山の中華料理店「Essence」のオーナーシェフ・薮崎友宏さんだ。

「チャーハンの春雨スープ仕立て」

残り物のチャーハンは、もちろんのことながら一度炒めてあり、味もしっかり入っている。薮崎さんにとって、「単純に味を足したりせず、どのようにアレンジするか」が難しかったそうだ。悩んだ結果、スープチャーハンをヒントにしたレシピとなった。残りもののチャーハンは電子レンジで温めるのみに留めておく。スープはあんかけにして絡みをよくしたいところだが、今回薮崎さんがとろみをつける代わりに選んだのが春雨。この春雨がスープを吸って味を含み、チャーハンと絡めて食べるのにぴったり。あんかけよりも簡単につくれて失敗もしにくい。しかもちょっとフカヒレっぽいぞ!

材料(1人前)
残り物のチャーハン 1人前(ごはん180g分) / 白菜 60g / 水 160cc / 寄せ鍋用のつゆ(鶏ガラ塩・濃縮3倍タイプ) 80cc / 春雨(緑豆春雨がオススメ) 20g / サラダ油 大さじ1 / 万能ネギ 少々

つくり方

1.残ったチャーハンは、型にぎゅっと詰め、電子レンジで温めたあと器に盛る。
2.フライパンを温め、サラダ油を入れたらやや幅広の千切りにした白菜を強火で炒める。しんなりしてきたら、水と寄せ鍋用のつゆを加えて温める。
3.春雨をキッチンはさみで2~3cm幅に切り、2に加える。強火で混ぜながら加熱して少し煮込み、春雨にスープを吸わせる。
4.水分が少なくなってきたところで火を止め、1のチャーハンのまわりにかける。仕上げに刻んだ万能ネギを散らす。

今回、残り物のチャーハンにはチャーシューやパプリカ、玉子を入れているが、その他どのような具材のチャーハンでも合う。春雨は少し煮込まないと味が入らないが、スープは煮詰めるとその分味が濃くなるので、味加減には気をつけたい。残ったチャーハンにもしっかり味が入っているので、あまりスープが濃くなるとくどくなってしまう。もし濃くなったら水を加えて調整すること。スープは、今回使用した鶏ガラや塩ベースのような、さっぱりタイプをオススメする。

教えていただいた料理人

「Essence」オーナーシェフ兼ソムリエ
薮崎友宏さん


横浜中華街の老舗「菜香新館」にて修業を開始。26歳で立川店の料理長に抜擢される。その後、広東省で家庭料理を学び、北京の大学で薬膳の研修を受ける。中国政府認定の国際薬膳調理師の資格も有する。2007年3月に東京・青山「Essence」料理長、2008年に同店オーナーシェフに。同店では薬膳も取り入れ、広東料理をベースにした料理を提供。チャーハンは4種類を用意し、近隣へのデリバリーも行っている。

「Essence」
住所: 東京都港区南青山3-8-2 サンブリッジ青山1F
TEL: 03-6805-3905
この連載では、家庭で再現しやすいよう、卓上コンロと一般家庭にあるテフロンフライパンを使って調理していただいています。

撮影: 中村浩二