キムチチャーハンがバージョンアップ

チャーハンの食材として定番化してきたキムチ。なので、今更普通のキムチチャーハンをつくっても面白くない。ということで東京・青山の中華料理店「Essence」のオーナーシェフ・薮崎友宏さんに考えていただいたのが、石焼ビビンバ風のキムチチャーハン。"おこげ"が楽しめる一品になっているのだ。

今回紹介するのは「厚切りベーコンとキムチのピリ辛おこげチャーハン」。「キムチは豚肉と相性がよいです。そこで、豚肉の代わりに一般家庭の冷蔵庫に眠っていることが多いベーコンを使い、旨みを出しました」。今回はより旨みのある厚切りベーコンを使ったが、通常のベーコンでも代用可能。

おこげは、ごはんをフライパンに押しつけ、強火で加熱してつくる。これで香ばしいカリッとした食感が加わり、石焼きビビンバのような味わいが楽しめるのだ。味付けには韓国の調味料・コチュジャンを使い、食欲そそるピリ辛味に。調理時にはやや焦げやすくなる点に注意し、香りやごはんの焼け具合をひっくり返して確かめるなど、気を抜かずに仕上げてほしい。

「厚切りベーコンとキムチのピリ辛おこげチャーハン」

材料(1人前)
ごはん180g / 厚切りベーコン 1枚 / キムチ 50g / 豆もやし 50g / ニラ 20g / 卵黄 1個分
調味料(サラダ油 小さじ1 / 塩 小さじ1/3 / 胡椒 少々 / コチュジャン 小さじ1/2)

つくり方

1.ごはんは電子レンジで温め、ボウルに入れておく。
2.フライパンを火にかけ、サラダ油を入れる。温まったところでベーコンを入れ、中火で焼く。焼き色がついたらベーコンを取り出し、1cm幅ほどに刻む。
3.ベーコンから出た油はそのままにしておき、フライパンにキムチと豆もやしを入れ、中火で炒める。油が足りない場合は足す(分量外)。
4.もやしがしんなりしたら、1のごはんを入れ、炒める。大体混ざってきたら、2のベーコンを戻し入れてさらに混ぜ合わせる。全体が混ざったら、塩、胡椒、コチュジャンで調味する。
5.コチュジャンが混ざって色が均一になってきたら、3~4cm幅にカットしておいたニラを加えて炒める。
6.ニラがしんなりとしてきたら、ごはんの中央部分にくぼみをつくり、卵黄を落とす。その後、卵黄を潰しつつ炒める。
7.おこげをつくるためにごはんをフライパン全体に薄くのばし、鍋肌に押しつけて強火で加熱していく。焦げ目がついたら皿に盛りつける。コチュジャンや卵黄によって焦げやすくなっているので、おこげをつくる際はひっくり返して焦げ加減を確かめつつ焼こう。

今回、卵は黄身の部分のみを使用している。この連載を熟読しているアナタならその理由がわかるはず! 連載第6回「ホタテと卵白の白チャーハン」の回では卵の白身のみを使っており、最後に卵黄の活用法を紹介すると皆さんに約束した。その活用法が今回のチャーハンである。味わいの面でもピリ辛味には、卵黄のコクが好相性。しっかりめの味付けなので、ビールをグビグビッといきながらいただきたいものだ。

教えていただいた料理人

「Essence」オーナーシェフ・薮崎友宏さん

横浜中華街の老舗「菜香新館」にて修業を開始。26歳で立川店の料理長に抜擢される。その後、広東省で家庭料理を学び、北京の大学で薬膳の研修を受ける。中国政府認定の国際薬膳調理師の資格も有する。2007年3月に東京・青山「Essence」料理長、2008年に同店オーナーシェフに。同店では薬膳も取り入れ、広東料理をベースにした料理を提供。チャーハンは4種類を用意し、近隣へのデリバリーも行っている。

「Essence」
住所: 東京都港区南青山3-8-2 サンブリッジ青山1F
TEL: 03-6805-3905
この連載では、家庭で再現しやすいよう、卓上コンロと一般家庭にあるテフロンフライパンを使って調理していただいています。


撮影: 中村浩二