【連載】

Facebookで差をつけろ! 事例に学ぶマーケティングの極意

4 B2BとB2C、性格の違うどちらでも結果を残す「クービック」の場合

 

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BtoB向けの予約システム「Coubic(クービック)」と、ネイルサロンなどの当日予約が可能なBtoC向けのモバイルアプリ「Popcorn(ポップコーン)」を提供しているクービック。この2サービスのマーケティングや広告でFacebookを活用しているが、他媒体と比べてコンバージョン率が2倍以上になるなど、大きな効果を上げている。

同社はSNSをマーケティングや広告にどう活用しているのか、Facebookでの成功の要因は何だったのか、クービックでマーケティングを担当している岡崎 哲朗氏に話をうかがった。

クービック マーケティング担当 岡崎 哲朗氏

2つのネットサービスを展開するクービック

Popcornはその日に行けるサロンを探して予約し、事前決済が可能なサービス。今年の2月から提供開始し、現在はWebでも同様のサービスを提供している。

一方のCoubicはスモールビジネス向け。多種多様な業種に対応している予約システムで、予約や顧客の管理が簡単に行える。スマートフォンにも対応しており、2014年4月から提供している。

医療系、飲食店系など業界特化型の予約システムが多い中、Coubicは広く、さまざまな業界に対応していることが特徴だ。ネット予約に加え電話やメールでの予約も1つの予約台帳で一元管理でき、ビジネス全般の予約を一括管理できる。

これまではスモールビジネス、ローカルビジネスをターゲットに展開してきたが、最近は大企業にも採用されている。例えば日本オラクルは新卒採用説明会の予約管理で導入しているほか、採用面接の日程調整や社内研修などで使う企業も増えているという。

また、屋久島町地域雇用創造推進協議会はCoubicを観光イベントの予約や顧客管理に採用。これをきっかけに他の観光協会から問い合わせがくるなど、全国各地、さらには日・英・韓の多言語対応を実現しているので、海外でも利用されているという。

2020年の東京オリンピックに向けて訪日外国人が増えている中、ホテルや旅館などの宿泊施設を提供している人たちが英語の予約ページを作って利用しているケースもある。

広告やマーケティングはほぼWebで

2サービスのマーケティングや広告は、一部、オフラインでもやっているがネットが中心だ。Popcornのユーザーは幅広く、Coubicもターゲットはスモールビジネスをしている人がメインなので地域が拡散している。広いターゲットに一気にアプローチできるネットが適しているという認識だ。

SNSも当然活用しており、Popcorn、CoubicともFacebookやTwitter、Google+でマーケティングを展開している。これらを主に、自社サイトへの誘導やユーザーとのエンゲージメントを構築するために活用。Facebookの場合は2サービスそれぞれのFacebookページと広告を制作し、定期的に更新する。Facebookページに記事を書いたら、それを他のSNSにも投稿するという。

SNSの違いはそれほど意識していないが、Facebookページは長いコンテンツ、Twitterは短い文章で、ということは当然意識する。動画はあまり使わないが、写真はクオリティの高いものを出すように意識しているという。

同社のFacebookページ

動画については、広告を配信したこともあるが、「サービス内容によって効果が分かれる印象がある」と岡崎氏はいう。「自分たちが配信したのは説明的な動画だったので、見る人に響かなかったのかもしれない。いずれにせよ動画は適した内容を探るのに時間がかかり、制作コストもかかる」と述べ、今後もトライしたいとは思っているものの、様子をみている状態だとした。

新機能は積極的に活用する

一方で、1つの広告ユニットで複数の写真を紹介できる「カルーセル広告」は非常に効果があったという。CTRが1.5倍に上がったという結果も出た。この結果について岡崎氏は、「ビジュアルのインパクトがあり、目を引きやすい」からだと分析している。

現在、カルーセル広告はPopcorn用でのみ利用している。Popcornの場合、ネイル、マッサージ、エステ、鍼灸、整体など、さまざまなジャンルの店舗を扱っており、ビジュアルが多種多様。カルーセル広告に向いており、ユーザーもわかりやすいと考えたからだ。

Popcornのカルーセル広告

「Facebookでは次々に新しいサービスが提供されるので、常に新しいものを使うようにしている」(岡崎氏)ということで、さまざまな機能を活用している。

例えば「モバイルアプリ広告」で AppLinks 機能を使うと、クリックするとアプリ内の特定のページに飛ばせる 。Popcornで特定のメニューを訴求したい場合に、モバイルアプリ広告を使って興味のある人を直接アプリ内のページに誘導できる。広告から特定のWebページに飛ばすのは簡単だが、アプリでできる点に岡崎氏は注目している。

また、コンバージョンの達成度を数値で確認できる「コンバージョントラッキングピクセル」が更新され、より詳細に確認できるようになった。これはWebサービスとの相性がよく、特にCoubicで活用しているという。コンバージョントラッキングピクセルを埋め込むと、ページ誘導まで行けた、実際に登録まで行った、有料の機能を利用したなど、最終的な目標に対してどの程度達成したかがわかり、それをもとにサービスを最適化できる。

BtoBでもSNS活用は有効

PopcornとCoubicはターゲットが違うので、マーケティングや広告で訴求する内容は異なるが、訴求内容やクリエイティブを素早く最適化することを両者とも心がけている。多いときは毎日広告の配信結果を分析し、新しいもの、効果的なものに更新していく。そうすることで、かなりビビッドな変化があるという。

「基本的に運用型広告はオークション制、つまり競合の広告と入札をし合っている。タイミングによって一時的にクリック単価が高騰したりするので、最適なクリエイティブを投入するようにしている」(岡崎氏)

時間帯によっても大きく変わる。Coubicはビジネス利用なので、平日の方が効果があり、コンシューマ向けのPopcornは土日、休日の効果が高い。深夜はユーザーがアクティブではないので避けている。

話をうかがって意外に感じたのが、BtoBのCoubicでもSNSでの広告やマーケティングで大きな効果があるということだ。岡崎氏は「仕事でFacebookを見ている人は多い」という認識を示した。

「Facebook内のCoubic広告を見て、クリックして、コンバージョンする人はもちろんいるが、広告を見て『Facebookの広告を見ました』といって電話をかけてくる人もいる。SNSの広告には認知効果があると思う。直接アクションはしないが、関係性ができたり、別経路でビジネスになったりすることがあって面白い」(岡崎氏)

Facebookはターゲティング精度が高い

SNSを積極的に使っていきたいと語る岡崎氏は、Facebookのターゲティング精度の高さを高く評価している。Twitterなど他のSNSよりも精度が高いと感じており、ターゲティングのよさがコンバージョン率の高さにつながっていると考えている。

ターゲティング精度の高さがわかりやすい例が、「カスタムオーディエンス」だ。

広告主が持っている顧客データとFacebookが持っているユーザーデータを照合することで(データは暗号化)、Facebook上で合致した既存顧客へのリマーケティングの効果を高めるとされる機能だ。例えば、これを利用するとCoubicのサイトを見た人がわかるため、メッセージ等を送る場合に、Coubicを知っていて興味を持っていると前提した内容のメッセージを送ることができる。

また、CRMデータとして購買記録を持っていると、過去半年間に買い物をした人、していない人に分けて、Facebook上で違う内容の広告を表示させることができる。スマートに顧客データを使って、よりパーソナライズさせた広告を打てる。

ほかにも、広告主が重要視するユーザーに似た利用者にリーチできるようにする「類似オーディエンス」についても効果が高いと岡崎氏は太鼓判を押す。

「適切なターゲットに適切なタイミングで広告を出せる。また、Facebookはニュースフィードに馴染んだ形、ネイティブに近い形で表示されるのも良い」

効果の高さは、類似オーディエンス実施前と比べて、WebのCPA (ユーザー獲得単価) が50% 改善、リターゲティング広告のコンバージョン率は通常の1.7倍、Popcornアプリのダウンロードのコンバージョン率が他媒体の5倍という、驚異的な数字にも現れている。

「広告を出すと自動的に最適化されていくところがある。最初はターゲットを広くとって出すけれど、コンバージョンされた結果を元に、徐々に適切な人に配信されていくという感覚がある」(岡崎氏)

新しいサービスを積極的に活用していきたい

最近はスマホの浸透で、モバイル広告の重要性が高まっているが、クービックの場合、利用比率はPC とモバイルでそれほど変わらないという。Coubicはビジネス向けであるため、やはりPCで見ている人が多く、Popcornはスマホが多い。

「Coubicはさまざまな業種の人に使われていて、必ずしもパソコンやインターネットに詳しくない方もいらっしゃいます。そういう人はパソコンで検索、情報収集することがまだ多い。また、今は、アプリだけ、Webだけというサービスの方が少ない。PopcornもWebでもサービスを提供している」

今後のSNS活用については、「新しいサービスが提供されたときに、すぐチャレンジしたい」(岡崎氏)と積極的だ。最近多くみられるFacebookアカウントによるログインにも、Popcornは対応している。

「ユーザーさんはFacebookの広告を見て、アプリをインストールして、Facebookのアカウントでログインして予約もできる。一貫したサービス提供ができつつあるので、いろんな形で新しいサービスを生かしていきたい」

同社のマスコットを片手に笑顔を見せる岡崎氏

同社のサービスでは、LINEログインの導入も検討中だという。SNSによる広告、マーケティングの効果を身を持って実感し、今後も積極的に活用していこうとする姿勢が印象に残った。

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インデックス

連載目次
第9回 きめ細やかなターゲティングで中華圏の爆買いを呼び込んだ「北の達人」
第8回 広く深いターゲティングで高いコンバージョン率を獲得した「GILT」
第7回 ふらっと立ち寄ったSNSで潜在ニーズを呼び起こす、Oisixの場合
第6回 テレビ広告との相乗効果でユーザー数を伸ばしたメルカリの場合
第5回 "インバウンド"の情報発信で60万人のファンを獲得、クラブツーリズムの場合
第4回 B2BとB2C、性格の違うどちらでも結果を残す「クービック」の場合
第3回 モバイルファーストは動画でも - アウディジャパンが目指す未来は
第2回 「I'll be back」 - 動画広告の活用で再び劇場へ、パラマウントの取り組み
第1回 "マジ価値マーケティング"を推進するクラウド会計ソフト「freee」の場合

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