【連載】

わずか5分でスキルアップ! Excel熟達Tips

30 グラフシート、近似曲線など、覚えておくと役立つグラフ関連機能

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グラフ編集に関連するテクニックの紹介も今回で5回目。今回は、覚えておくと役に立つ機能をいくつか紹介していこう。Excelには、グラフをシートに配置したり、近似曲線を描画したりする機能が用意されている。また、横軸を数値軸に変更するテクニックも様々な場面で活用できる。ぜひ、覚えておくとよいだろう。

グラフをグラフシートへ移動する

通常、Excelで作成したグラフは「オブジェクト」としてワークシート上に配置される。このグラフを1枚のシートとして扱うことも可能だ。まずは、グラフを「グラフシート」へ移動するときの操作手順から紹介していこう。

グラフをクリックして選択し、グラフツールの「デザイン」タブにある「グラフの移動」をクリックする。

「グラフの移動」コマンド

すると、以下の図のような画面が表示される。ここで「新しいシート」を選択し、「OK」ボタンをクリックすると、グラフを新しいシートへ移動できる。この際に「グラフ1」の文字を変更し、シート名を好きな名前に変更しても構わない。

移動先の選択

グラフシートは、通常のワークシートと同様に、タブ(シート見出し)で表示される。もともとグラフが配置されていた「Sheet1」からはグラフが削除され、「グラフ1」のシートにグラフが移動する、という仕組みだ。もちろん、「基になった表」と「グラフ」は連動しているので、表内の数値を変更すると、それに応じてグラフの描画も自動的に変更される。

グラフシートのシート見出し

グラフシートに移動されたグラフ

グラフをグラフシートへ移動すると、グラフ内の文字が相対的に小さくなってしまうので、文字サイズの調整を行っておくとよいだろう。この操作手順は通常のグラフと同じ。それぞれの要素を選択し、「ホーム」タブで書式を指定すればよい。

グラフ内要素の文字の書式指定

グラフシートの便利な点は、「基になった表」と「グラフ」を別のシートに分けて管理できること。もちろん、グラフを大きく表示できるという利点もある。さらに、グラフだけを印刷する場合にもグラフシートが重宝する。

通常、グラフを印刷するときは、「ページ レイアウト」の画面表示に切り替えて、ワークシート上でグラフの配置を調整しておく必要がある。一方、グラフシートの場合は、そのままグラフ全体を1枚の用紙に印刷することが可能。グラフだけを大きく印刷したい場合に活用できることもグラフシートの特長といえるだろう。

グラフシートの印刷

古いバージョンのExcelでは、「グラフシート」または「オブジェクト」を選択してグラフを作成する仕様になっていた。しかし、最近のExcelは「オブジェクト」としてグラフを作成するように仕様変更されている。とはいえ、グラフシートの方が便利に活用できる場面も沢山ある。念のため、グラフをシートに配置する手順も覚えておくとよいだろう。

近似曲線の描画

続いては、グラフに「近似曲線」を描画する方法を紹介する。ちなみに、近似曲線の描画は、2-D形式のグラフでのみ実行できる機能となる。グラフを3-D形式で作成している場合は、あらかじめ2-D形式のグラフに変更してから作業を進めていくとよい。

ここでは例として、各店舗の「会員数」と「売上高」をまとめた散布図を使って操作手順を紹介していく。

「会員数」と「売上高」の散布図

近似曲線を追加するときは、データ系列(グラフ上のデータ)を右クリックして「近似曲線の追加」を選択する。すると、画面右側に「近似曲線の書式設定」が表示される。ここでは、近似曲線の種類を選択すればよい。

近似曲線の追加

近似曲線の種類の選択

以上で、近似曲線を追加する作業は完了。自動的に統計処理が行われ、グラフに近似曲線が描画される。

近似曲線が描画されたグラフ

描画された近似曲線の数式を示すことも可能だ。この場合は、近似曲線をダブルクリックして「近似曲線の書式設定」を開き、「グラフに数式を表示する」をONにする。さらに、近似曲線を前後に伸ばすことも可能だ。この設定は、「前方補外」と「後方補外」で指定する。今回の例では「会員数」の最低値が646なので、「後方補外」にも646を指定した。「前方補外」には適当な数値として1000を指定した。

数式の表示と予測補外

数式が表示され、前後に伸長された近似曲線が描画される

このように、近似曲線を前後に伸ばすことで、データが存在しない範囲の挙動を予測することも可能となる。あくまで「単なる統計的な処理」でしかないが、ひとつの目安として参考になる場合もあるので、気になる方は試してみるとよいだろう。

念のため、近似曲線を削除するときの操作手順も紹介しておこう。描画した近似曲線を削除するときは、近似曲線を右クリックして「削除」を選択する。もしくは近似曲線を選択した状態で「Delete」キーを押してもよい。

横軸を数値軸として扱う

最後に、グラフの横軸を数値軸として扱う方法を紹介しておこう。グラフの基となる表で「横軸のラベル」となるセルに文字が入力されている場合は、グラフの横軸は「テキスト軸」として扱われる。

横軸が「テキスト軸」として扱われているグラフ

グラフの基となった表

この場合も近似曲線を描画することは可能であるが、「前方補外」や「後方補外」を指定したときに、「横軸のラベル」が欠けたグラフになってしまう。

近似曲線を描画し、前方補外した様子

このままでは近似曲線の推移を読み取りにくいので、横軸を「数値軸」に変換し、ラベルを表示するテクニックを覚えておこう。まずは、「横軸のラベル」となるセルの値を適当な数値で再入力する。

「月」を数値で再入力

続いて、グラフの横軸をダブルクリックして「軸の書式設定」を開き、軸の種類に「日付順」を指定する。すると、横軸が数値軸として扱われるようになり、グラフ全体に「横軸のラベル」が表示されるようになる。

横軸を「日付軸」に変更

横軸のラベルが追加されたグラフ

横軸に表示する範囲は「最小値」と「最大値」で指定する。Excelでは、日時データも数値として扱われることを知っていれば、「最小値」や「最大値」の値が日付であっても問題なく範囲を指定できるだろう(詳しくは本連載の7~8回目を参照)。

さらに、グラフを読み取りやすくしたい場合は、横軸の目盛線を表示するとよい。この設定は、グラフツールの「デザイン」タブにある「グラフ要素を追加」で指定する。

横軸の目盛線を表示したグラフ

その後、「縦軸の範囲」や「横軸のラベルの書式」を調整すると、以下の図に示したようにグラフをカスタマイズできる。今後の推移を予測する場合などに活用するとよいだろう。

軸の書式を調整したグラフ

もちろん、近似曲線は「あくまで統計的な処理」に従ったものであることに注意しなければならない。状況に応じて「近似曲線の種類」を適切に選択する必要があるし、そもそも統計学どおりに事が進む方が稀である。このような観点を十分に認識した上で、今後の推移を予測するツールの一つとして、効果的に活用していくとよいだろう。

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インデックス

連載目次
第36回 条件に合うセルだけを合計できる「関数SUMIF」の使い方
第35回 「合計」や「平均」を素早く求める快適操作
第34回 ピボットグラフを活用したデータ分析
第33回 ピボットテーブルの基本的な使い方(2)
第32回 ピボットテーブルの基本的な使い方(1)
第31回 行と列を入れ替えた表の作成
第30回 グラフシート、近似曲線など、覚えておくと役立つグラフ関連機能
第29回 「縦棒」と「折れ線」を組み合わせた複合グラフの作成
第28回 横軸のカスタマイズと「軸の交点」を変更したグラフ
第27回 グラフの縦軸の書式を詳しく指定する
第26回 グラフを自在に編集するための基本テクニック
第25回 コンボボックスを使って選択肢からデータを入力
第24回 上下ボタンを使って数値を手軽に増減させる
第23回 フォームを使ってカード型データベースのようにExcelを使う
第22回 並べ替えに必須の「ふりがな」を自動入力する
第21回 データバーの書式を自由自在に設定する
第20回 条件付き書式を使いこなす
第19回 数式の利用時に覚えておくと便利な機能
第18回 相対参照と絶対参照を使い分ける
第17回 Webに掲載されているデータの有効活用
第16回 データをグループ化して表示/非表示を自由に切り替える
第15回 集計機能を使った合計の自動計算
第14回 サイズの大きい表を印刷する応用テクニック
第13回 サイズの大きい表の印刷
第12回 “見出し”の固定と画面分割の活用
第11回 VLOOKUP関数の使い方と応用テクニック
第10回 データの前後に「〒」や「様」などの文字を自動付加する
第9回 日付データから年齢や期間を算出する関数DATEDIF
第8回 時刻の表示をカスタマイズする「ユーザー定義」の表示形式
第7回 月日を必ず2桁で表示する「ユーザー定義」の表示形式
第6回 「列の幅」と「行の高さ」をcmで指定
第5回 一覧から項目を選んでデータを入力
第4回 「フォントの指定」と「行の高さ」の関係
第3回 データの一括入力と書式指定の繰り返し
第2回 文字数が異なるデータの両端を揃えて配置
第1回 セル範囲を短時間で自由自在に選択する

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