【連載】

わずか5分でスキルアップ! Excel熟達Tips

24 上下ボタンを使って数値を手軽に増減させる

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今回は、フォーム コントロールのスピンボタン(上下ボタン)を使って数値を増減させる方法を紹介する。マウスをクリックするだけで数値を等間隔に増減できるので、値を何度も変更しながら結果を確認する場合などに活用すると、快適な操作環境を構築できるだろう。

フォーム コントロールと「開発」タブの表示

Excelにはフォーム コントロールと呼ばれる機能が用意されている。これは、

 ・数値を増減させる上下ボタン(スピンボタン)
 ・一覧から値を選ぶ選択肢(コンボボックス / リストボックス)
 ・チェックボックス
 ・ラジオボタン

などのパーツを設置するために用いられる。これらのパーツはVBAと組み合わせて利用するのが一般的であるが、中には単独で利用できるものもある。今回は、フォーム コントロールの中で最も手軽に利用できる「スピンボタン」の使い方を紹介していこう。

以下の例は、住宅ローンの借入額、金利、返済期間から「毎月の返済額」を自動計算するシミュレーションだ。「毎月の返済額」の計算には関数PMT()を使用している。

住宅ローンのシミュレーション

このシミュレーションを実際に使うときは、「借入額」「金利」「返済期間」の数値を色々と変化させながら「毎月の返済額」を確認していくことになる。このように数値を何度も変更するセルにスピンボタンを設置しておくと、その都度、数値を入力しなおす必要がなくなり、快適に操作を進められるようになる。

それでは、スピンボタンの設置方法を解説していこう。フォーム コントロールのコマンドは「開発」タブのリボンに用意されている。よって、あらかじめ「開発」タブを画面に表示しておく必要がある。まずは「ファイル」タブを選択し、「オプション」をクリックしよう。

オプション画面の呼び出し

すると、以下の図のような設定画面が表示される。ここでは「リボンのユーザー設定」を選択し、「開発」の項目にチェックマークを付けてから「OK」ボタンをクリックする。

「開発」タブを表示するための設定変更

これでExcelの画面に「開発」タブが表示されるようになる。

数値を増減させるスピンボタンの設置

続いては、ワークシート上にスピンボタンを設置するときの操作手順を解説していこう。最初にスピンボタンの描画を行う。「開発」タブにある「挿入」をクリックし、「スピンボタン」のアイコンをクリックする。この状態でワークシート上をドラッグするとスピンボタンを描画できる。

スピンボタンの描画

描画したスピンボタンは、四隅のハンドルをドラッグするとサイズを変更できる。また、スピンボタンそのものをドラッグすると、スピンボタンの位置を移動できる。

スピンボタンの配置を調整できたら、スピンボタンの動作を設定していこう。スピンボタンを右クリックし、「コントロールの書式設定」を選択する。

「コントロールの書式設定」の呼び出し

すると、以下の図のような設定画面が表示される。ここでは、初期値として表示させる数値を「現在値」に指定し、「最小値」と「最大値」を指定すればよい。さらに、上下ボタンのクリックでどれだけ数値を増減させるかを「変化の増分」に指定する。最後に、スピンボタンで操作するセルを「リンクするセル」に指定する。

数値の範囲とリンクするセルの指定

上記のように設定した場合、C4セル(借入額)の数値をスピンボタンで増減できるようになる。その初期値は2500で、最小値は1000、最大値は8000。上下ボタンを1回クリックする毎に数値が100ずつ増減するようになる。

「OK」ボタンをクリックして設定画面を閉じたら、一度スピンボタンの動作を確認してみるとよい。上下のボタンをクリックする毎に、C4セルの数値が100ずつ増減していくのを確認できるはずだ。

スピンボタンを使って、数値の増減を確認

もちろん、C4セル(借入額)の変化に応じて「毎月の返済額」も自動的に再計算される。このように数値を頻繁に変更するセルにスピンボタンを設置しておくと、その都度数値を入力しなおす必要がなくなり、快適にExcelを操作できるようになる。

なお、今回の例では、スピンボタンで数値を100ずつ増減させているが、2550のように100で割り切れない数値をC4セルに入力することも可能だ。この場合は、普通にC4セルを選択してキーボードから数値を入力すればよい。

同様の操作を繰り返して、C6セル(金利)とC8セル(返済期間)にもスピンボタンを設置すると、以下の図のようなワークシートが完成する。

スピンボタンを3つ設置したワークシート

スピンボタンのサイズや位置を揃えて配置したい場合は、スピンボタンを右クリックして、「書式」タブにある「オブジェクトの配置」や「サイズ」を利用するとよい。

「書式」タブを使った配置調整

ちなみに、不要になったスピンボタンを削除するときも、右クリックでスピンボタンを選択する。その後、「Delete」キーを押すと、スピンボタンを削除できる。スピンボタンを普通にクリック(左クリック)した場合は、スピンボタンに設定されている動作が実行されてしまうので、スピンボタンを選択するときは「右クリックを使用する」と覚えておこう。

増減値を1以下にする場合は?

これで、スピンボタンの基本的な使い方を解説できた。しかし、ひとつだけ注意すべき点がある。それは「変化の増分」に小数点以下を含む値を指定できないことだ。たとえば、「金利」を操作するスピンボタンの「変化の増分」に0.1を指定しても、その増減値は0.1にならない。

「変化の増分」に指定できる値は整数だけなので、上下ボタンのクリックにより0.1ずつ値を変化させる場合は何らかの工夫が必要となる。最後に、この問題の解決方法を紹介しておこう。

まずは「金利」を操作するスピンボタンの設定を変更する。今回の例では、金利の初期値を1.50、最小値を0.10、最大値を7.00とし、上下ボタンをクリックしたときに数値を0.10ずつ増減させたいと考えている。そこで、これらを100倍した値を各項目に設定。また、「金利」のセル(C6セル)を直接操作するのではなく、未使用のE6セルをリンクボタンで操作するように設定を変更した。

「利率」を操作するスピンボタンの設定変更

これでスピンボタンの操作対象はE6セルになる。その初期値は150で、10~700の間で10ずつ数値が変化することになる。このE6セルを利用して「金利」の数値を変化させる。具体的には、「金利」を入力するC6セルに「E6セルの値を1/100にする数式」を入力すればよい。このように他のセルを経由して数値を変化させると、「金利」を0.1ずつ変化させることが可能となる。

数式を使って数値を1/100に調整

このとき、E6セルに150などの数値が表示されるのを気にする方もいるだろう。この場合は、E6セルの書式を「文字色:白」に変更してしまえばよい。これで、見た目上は、E6セルに何も表示されなくなる。

E6セルの文字色を「白」に変更

このように、スピンボタンで「1未満の増減値」を指定するときは少しだけ工夫が必要になる。スピンボタンの応用テクニックとして合わせて覚えておくとよいだろう。

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インデックス

連載目次
第32回 ピボットテーブルの基本的な使い方(1)
第31回 行と列を入れ替えた表の作成
第30回 グラフシート、近似曲線など、覚えておくと役立つグラフ関連機能
第29回 「縦棒」と「折れ線」を組み合わせた複合グラフの作成
第28回 横軸のカスタマイズと「軸の交点」を変更したグラフ
第27回 グラフの縦軸の書式を詳しく指定する
第26回 グラフを自在に編集するための基本テクニック
第25回 コンボボックスを使って選択肢からデータを入力
第24回 上下ボタンを使って数値を手軽に増減させる
第23回 フォームを使ってカード型データベースのようにExcelを使う
第22回 並べ替えに必須の「ふりがな」を自動入力する
第21回 データバーの書式を自由自在に設定する
第20回 条件付き書式を使いこなす
第19回 数式の利用時に覚えておくと便利な機能
第18回 相対参照と絶対参照を使い分ける
第17回 Webに掲載されているデータの有効活用
第16回 データをグループ化して表示/非表示を自由に切り替える
第15回 集計機能を使った合計の自動計算
第14回 サイズの大きい表を印刷する応用テクニック
第13回 サイズの大きい表の印刷
第12回 “見出し”の固定と画面分割の活用
第11回 VLOOKUP関数の使い方と応用テクニック
第10回 データの前後に「〒」や「様」などの文字を自動付加する
第9回 日付データから年齢や期間を算出する関数DATEDIF
第8回 時刻の表示をカスタマイズする「ユーザー定義」の表示形式
第7回 月日を必ず2桁で表示する「ユーザー定義」の表示形式
第6回 「列の幅」と「行の高さ」をcmで指定
第5回 一覧から項目を選んでデータを入力
第4回 「フォントの指定」と「行の高さ」の関係
第3回 データの一括入力と書式指定の繰り返し
第2回 文字数が異なるデータの両端を揃えて配置
第1回 セル範囲を短時間で自由自在に選択する

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