Excelには、文字の配置を「左揃え」「中央揃え」「右揃え」に指定する書式が用意されている。この書式を使って「均等割り付け」の配置を指定することも可能だ。文字数が異なるデータを、左右の両端を揃えて配置したい場合に活用できるので、使い方を覚えておくとよいだろう。

「均等割り付け」の指定

通常、セルにデータを入力すると、文字データは「左揃え」、数値データは「右揃え」で配置される。もちろん、「ホーム」タブのリボンにあるコマンドを使って「左揃え」「中央揃え」「右揃え」を自分で指定することも可能だ。

横方向の配置を指定するコマンド

では、Wordの「均等割り付け」のように、文字の左右を揃えて配置するにはどうすればよいだろうか? 全角スペースや半角スペースを挿入して配置調整を行う方もいるようだが、この方法は「2文字」のデータを「3文字分の幅」に配置する場合など、限られた状況にしか対応できない。

全角スペースを挿入して配置を調整した例

それ以前の問題として、データの途中に余計なスペースを挿入すること自体、大きな間違いといえる。上記の例の場合、B4セルのデータは「東京」ではなく、「東(スペース)京」として記録されてしまう。これでは検索や並べ替えなどが正しく機能しなくなるため、後々、トラブルを引き起こす危険性がある。

文字の配置を整えるときは、「スペースの挿入」ではなく、「書式指定」で配置を調整するのが基本だ。実は、Excelにも「均等割り付け」の書式が用意されている。指定方法を順番に解説していこう。

まずは、文字の左右を揃えて配置するセル範囲を選択する。続いて、「配置」の領域にある「ダイアログボックス起動ツール」(小さい四角形のアイコン)をクリックし、「セルの書式設定」を呼び出す。

セル範囲の選択と「セルの書式設定」の呼び出し

この画面で「横位置」に「均等割り付け(インデント)」を指定すると、セルの幅全体に等間隔で文字を配置できる。

「均等割り付け」の指定

「均等割り付け」で配置したデータ

「ホーム」タブに「均等割り付け」のアイコンは用意されていないが、「セルの書式設定」を使えば「均等割り付け」を指定することも可能である。念のため、覚えておくとよいだろう。

左右の余白はインデントで指定

「均等割り付け」の書式を指定すると、セルの幅全体に文字が等間隔で配置される。このままでは少し見にくいので、左右に適当な余白を設ける方法を紹介しておこう。

セル内に余白を設けるときは、「ホーム」タブにある「インデントを増やす」のアイコンをクリックする。すると、1文字分の余白が追加される。以降は、アイコンを1回クリックするごとに1文字分ずつ余白が追加されていく。なお、「均等割り付け」の場合は、セルの左右に1文字分ずつ余白が追加される仕組みになっている。

セル範囲を選択し、「インデントを増やす」をクリック

左右に1文字分のインデントを指定した例

もちろん、「セルの書式設定」を使ってインデントを指定しても構わない。「均等割り付け」の書式を指定するには「セルの書式設定」を呼び出す必要があるので、一緒にインデントも指定しておくと効率よく作業を進められるだろう。

インデントの指定

「前後にスペースを入れる」の活用

最後に、「前後にスペースを入れる」の設定項目について紹介しておこう。この書式は、配置に「均等割り付け」を指定し、インデントを「0」にしたときのみ有効になる。

「前後にスペースを入れる」の設定項目

この項目をONにすると、データの前後にスペースがあるものとして「均等割り付け」が処理される。つまり、セルの両端にスペースがあると仮定し、残りの文字を等間隔で配置するように処理される。少し分かりにくいと思うので、以下に具体的な例を紹介しておこう。

「前後にスペースを入れる」を指定した「均等割り付け」

文字の両端が揃わなくなるため、通常、この設定項目を使用する機会はほとんどない。この設定項目は、縦書きの文字を「均等割り付け」で配置する場合などに活用できる。以下の例は、縦方向に4マスずつセルを結合し、文字を「均等割り付け」で配置した場合の例となる。上下に1文字分のインデントを設けているが、「東京」の文字が間延びしているように感じてしまう。

縦書きの「均等割り付け」の書式設定(インデント1文字)

先ほどの書式設定で配置した文字

このような場合は、インデントを0に戻し、「前後にスペースを入れる」をONにすると、間延び感をなくすことができる。状況に応じて活用するとよいだろう。

インデント0、「前後にスペースを入れる」で配置した「均等割り付け」

今回紹介した例のように、Excelでも「均等割り付け」を指定することは可能である。表の見た目を整えるテクニックの一つとして、覚えておくと役に立つだろう。