【連載】

SDS講座 - 基礎から導入まで

3 第3回 SDSでハイパーコンバージドインフラを構築 - 後編(1)

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今回の連載では、SDSとしてEMC ScaleIO用いたハイパーコンバージドインフラを構築する方法を紹介する。SDSを使用することで、手軽にはじめ、スケールアウトできる仮想化インフラの構築が可能になる。Iaas基盤をデプロイするCloud OSとしてはMirantis OpenStackを使用している。ESXi上のゲストOSに、すべてのMirantis OpenStackのノードをデプロイした。

1. Mirantis OpenStackのインストールと構築

Mirantis OpenStackのインストール方法としては、Virtual Box上にall in oneでインストールする方法と、手動でインストールする方法ある。本稿では主に手動インストールの方法について解説する。

Mirantis OpenStackの代表的なコンポーネントは以下である。

  • Fuel Master Node
    Mirantis OpenStackの特徴であり、ノードをデプロイするためのUIを提供し、デプロイメントを自動化する。

  • Fuel Slave Node
    Master Nodeによってデプロイされるその他のNodeをSlave Nodeと呼ぶ。Slave NodeにはOpenStack Controller、OpenStack Nova Node、Storage Nodeなどが含まれる。

今回は次のような環境を使用した。

物理サーバはCPUがIntel Xeon E5-2420 1.9GHz x2、メモリが64GB、ESX 5.5(vCenterで管理)。ゲストOSはFuel MasterはvCPUが2、メモリが4GB、ディスクが128GB x1、Fuel SlaveのOpenStack ControllerはvCPUが2、メモリが4GB、ディスクが128GB x1、OpenStack Nova NodeはvCPUが2、メモリが4GB、ディスクが128GB x2(1本はScaleIOのデータ用:100GB以上必要)。

簡単にするため、OpenStack Controllerの冗長化は構成していない。Network構成は図1-1のようになっている。Management LANがルータを通してインターネットにつながっているかローカルのubuntu/OpenStackレポジトリ(別途作成)につながる必要がある。

図1-1. ネットワーク構成

また、Public/Floating LANはルータを通してインターネットにつながっている必要があるほか、ESX環境では次の2つの設定が必要になる。

  1. vSphere web Clientから、OpenStackのNodeが使用するvSwitchまたはポートグループに無差別モードの設定を行う。

  2. vSphere web Clientから、OpenStackのNova Compute Nodeとして使用するゲストの設定でCPUに"Expose hardware assisted virtualization of the guest OS"の設定を行う。

Mirantis OpenStackのインストール

①Fuel Masterのインストール

https://software.mirantis.com/openstack-download-form/からFuel MasterのISOファイルをダウンロードし、Fuel Master用のゲストOSにマウントして起動すれば自動的にインストールが開始される。基本的にはhttps://docs.mirantis.com/openstack/fuel/fuel-8.0/quickstart-guide.html#installing-mirantis-openstack-manuallyの手順に従ってインストールすればよい。途中、再起動された後に図1-2の画面が表示されたところで何か(aなど)キーを押下し、Fuel Setupの画面に入り、ネットワークなどの設定をする必要がある。

図1-2. Fuel Setupへの入り口

Fuel Setup(図1-3)から、Fuel User(今回はデフォルトを使用)、Network、PXE、DNS、Bootstrap Image(今回はデフォルトを使用)、NTP、Root Password(今回はデフォルトを使用)、Feature groups(今回はデフォルトを使用)の設定を入力する。Fuel Setupの入力方法は次のようになっている。

図1-3. Fuel Setupの画面

  1. 最初に表示されるdefault admin passwordに関するWARNINGに対して、リターンを押下(closeを選択)し、設定メニューに入る。

  2. キーボードの矢印キーを使用して移動し、必要項目を入力する。リターンで協調表示されている操作を実効。

  3. 次のメニューに進む前にCheckを実行すると設定ミスなどが確認できる。

  4. Network設定ではインタフェース毎にApplyの実行が必要。

  5. Feature groupsもApplyを実行。

  6. 最後はSave and Quitを選択すると設定開始。

設定が終了すると、コンソールにrootのパスワードやFuel UIへのアクセス情報が表示される(図1-4)。

図1-4. Fuel UIへのアクセス情報

②Fuel Slaveのインストール

Fuel Slave用のゲストOSを起動すれば自動的にインストールが開始される。Virtual Box環境であれば、https://docs.mirantis.com/openstack/fuel/fuel-8.0/quickstart-guide.html#installing-mirantis-openstack-using-the-mirantis-virtualbox-scriptsの手順に従って、シェルを実行するだけで①②は終了する。ファイヤーウォールやウィルススキャンが動いているとインストールが正常に進まないことがあるので注意してほしい。

③OpenStack環境のデプロイ

Fuel UIを使用してOpenStack環境をデプロイする。

  • Fuel UIへのログイン(図1-5)
    ブラウザから、https://Fuel MasterのPXEネットワークのIP:8443/にアクセスし、ログイン(user/password=admin/admin)

図1-5. Fuel UIへのログイン画面(左)と初期画面

  • OpenStack Environmentの作成
    New OpenStack Environmentを選択して、Name and Release、Compute(Hypervisor:今回はQEMU-KVMを使用)、Network Setup(テナントネットワークの実装方法:今回はNeutron with tunneling segmentationを使用)、Storage Backends(今回はLVMを選択)、Additional Service(今回は未選択)を設定してFinish画面でCreateを実行。

  • OpenStack Environmentの設定(図1-6)
    Fule UIからネットワークとノードの設定を入力して、設定を実行。

図1-6. OpenStack Environmentの設定画面

  1. Networksタブからネットワーク設定の入力は、Default(Public, Storage, Management Private(tunnel用)ネットワーク)、Neutron L2(今回はデフォルトを使用)、Neutron L3(Floating、Internal(teant用)ネットワーク、Guest用DNS)、Other(Host用DNS、NTP)を設定する。各画面でSave Settingを押下。

  2. Nodesタブからノードの構成を設定。Nodeの追加は初期状態で起動しているNodeにRoleをアサイン(ControllerとComputeノード)、選択後Apply Changeを押下。Interfaceの設定(全ノード)は全ノードを選択して、Configure Interfaceを押下。ゲストOSに割り当てられているポートグループに対応するようにネットワークを設定(ドラッグアンドドロップでネットワークを移動)してApply。Diskの設定(Computeノード)はComputeノードを選択して、Configure Disksを押下。/dev/sdbはScaleIOのプールとして使用するので、右上の×を押してUnallocatedに変更してApply。

  3. ネットワーク接続のチェックが必要で、NetworksタブのConnectivity CheckからVerify Networkを実行(1回目エラーになっても、少し待って再度実効するとテストが通ることがある)。

  4. 設定の実行はDashboardタブからの変更実行はDeploy Changesを押下。デプロイが終了した画面は図1-7のようになる。

図1-7. デプロイの終了画面

次回は引き続き、ScaleIO(無償版)のインストールと構築を紹介する。

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インデックス

連載目次
第10回 仮想化された重複排除バックアップアプライアンス - 後編
第9回 仮想化された重複排除バックアップアプライアンス - 前編
第8回 SDSで支店・支社にエンタープライズNASを導入 - 後編
第7回 SDSで支社・支店にエンタープライズNASを導入 - 前編
第6回 SDSでインフラ開発/テスト環境をスリム化
第5回 SDSでハイパーコンバージドインフラを構築 - 後編(3)
第4回 SDSでハイパーコンバージドインフラを構築 - 後編(2)
第3回 第3回 SDSでハイパーコンバージドインフラを構築 - 後編(1)
第2回 SDSでハイパーコンバージドインフラを構築 - 前編
第1回 第1回 SDS(Software Defined Storage)って何?

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