【連載】

江戸テクでござる - 毎日使える和の知恵

2 涼風を呼ぶ"夏もの"使いこなし術 前編

    浅倉彩  [2008/07/30]

    今年も猛暑の夏が始まった。原油高で物価が上がる中、懐具合を考えると、家でもエアコンをガンガンかけるのは気が引けるという方、どうぞご安心を。日本には、古来から伝わる夏を涼しく過ごす知恵がちゃ~んとあるのです。ご先祖さまに感謝しつつ、涼風グッズ&テクを駆使してさわやかに楽しみましょう。

    お話を伺った方
    着付師 遠藤蚕乙(てつ)氏
    1946年(昭和21年)青森県八戸市生まれ。伝統的な生活文化の残る集落で幼少期を過ごす。20代で上京後、着付師に。春夏秋冬を着物で過ごし、故郷で受け継いだ暮らしを営みつつ、都内各所の着付け教室で講師を務める。

    扇子を持ち歩く

    金魚をあしらったものなど、扇面の柄は種々様々。お気に入りを見つけよう 撮影協力:浅草 はねだ

    手始めに、男性のみなさまは内ポケット、女性のみなさまはバッグの片隅に、扇子をしのばせよう。夏用に漉かれた透ける和紙を扇面に用いたものを選べば涼しげで◎。また、少々値は張るが、夏の着物に使われる綿や麻を荒く薄手に織った布地や、絹を夏用に織った絽や紗を扇面に用いた扇子もあるという。

    革靴を脱いでわらぞうり

    さらっとした肌触りと藁の香りが涼やかだ。 撮影協力:菅波

    外出先から戻ったら、革靴と靴下を脱いで藁草履に履き替えよう。藁はそれ自体が呼吸する通気性・吸放湿性に優れた素材で、足の汗を吸い取ってくれる。表面に木綿布を編み込んだ粋なデザインなら選ぶのも楽しく、自然にできる編み目のデコボコは疲れた足裏に心地よい。

    目と耳に涼しい金魚鉢や風鈴

    日本庭園の池をおすそわけしてもらったようなミニチュア感がかわいい

    暑さや寒さは五感でとらえるもの。風や水を目と耳で感じることで、気分で涼しくなれる。かめや金魚鉢に水を張って玄関先や室内においてみよう。水草を入れて金魚を放せば彩りを添えてくれるし、自然と水の存在に意識が向く。また、風のありかを静かに知らせてくれるのが、風鈴だ。揺らいで涼しげな音を立てれば、暑さで茹だった頭に一陣の風が流れ込むようだ。

    石でできたかめを選べば、生える苔もまた風流 撮影協力:布もと

    金属の棒とビー玉で音を鳴らす風鈴 撮影協力:浅草 はねだ

    ガラスの"鐘"部分に使用し、短冊が鐘の内部の"舌(ぜつ)"を揺らして音を立てるオーソドックスな風鈴 撮影協力:浅草 はねだ

    南部鉄器を使用した南部風鈴。"鐘"と"舌"の形をとらないユニークな一品だ 撮影協力:菅波

    金魚といえば花火大会やお祭りの縁日の華、"金魚すくい"を思い浮かべるかたも多いのでは? 次回は夏真っ盛りを記念した特別企画。みるみる獲れる金魚すくいのコツを伝授する。

    撮影にご協力いただいたお店

    菅波 〒111-0035 東京都台東区西浅草2-5-2

    浅草 はねだ 〒111-0032 東京都台東区浅草1-32-11

    布もと 〒111-0035 東京都台東区西浅草2-13-7

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