小さな箱に大きな扇風機…組み立ては簡単

なんとエアマルチプライアーが2010年のグッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)を受賞。さすが、私の選んだ扇風機だけのことはある。あっ、犬は受賞していませんので念のため

じゃーん、ついに届きました。ダイソン「エアマルチプライアー AM03 フロアーファン(ホワイト)」。フロアータイプは、高さ140cm、幅45cmという巨大な扇風機なのでかなり大きな箱なのかと思ったら、それほどでもないのでビックリ。うーん、この中に140cmの高さにもなる扇風機が入っているのかと首をひねる。高さと幅は空気を出す丸い枠のサイズぐらいしかなく奥行もほとんどない。この箱の中に本当に私の「エアマルチプライアー」が入っているのだろうか? では、実際に取り出してみよう。写真で細かく解説するので興味のある方はどうぞ!

(1)これが箱。手に持っても重さはあまり感じられない。面積はそれなりにあるが、奥行きはほとんどない。この中に高さ140cmにもなる扇風機が本当に入っているのだろうか? 箱の表面には製品の特徴が、裏面には機能や仕組がプリントされている。よく見たらフロアータイプはリモコンも付属しているらしい…知らなかった

(2)箱のフタを開けたところ。最近の家電らしく緩衝材には段ボールを加工したものを使用。環境に配慮してか発泡スチロールは見当たらない。空気を送り出す丸い枠(プロジェクタと言うらしい)を最初に取り出す。軽いので片手で容易に持ててしまう

(3)モータなどが入っている土台部分を組み立てる。全体を支える丸い皿のような足にモータが入ったパーツを「▼」「▲」の部分を合わせて取り付け、時計方向にカチッと音がするまで回す。この部分には吸気口があり、最大で1秒間に33リットルの空気を取り込めるそうだ。ちなみに重心を下に集めるためにこの部分はとても重く作られている

(4)次にパイプ(スタンドと言うらしい)を土台に取り付ける。土台に比べて非常に軽い。これも同様に「▼」「▲」の部分を合わせて時計方向にカチッと音がするまで回す。これでなんとなくフロアータイプの扇風機のようなスタイルになってきた。パイプの中にはバネが入っているそうで、手で簡単に高さが調節できる

(5)最後に一番上に載る丸い枠を取り付ける。こちらも「▼」「▲」を合わせてグイッと押し込むだけ。上下の角度は手動で20度ずつ前後に倒すことができる。さあ、これで「エアマルチプライアー」の完成だ!!

組み立てはこのようにとても簡単で15分もあれば作業は完了する。ただし、扇風機が必要ない季節は分解して片付けてしまうという人はちょっと注意が必要なので、以下のことに気をつけよう。まず、土台の丸い足はひっくり返して底面のツメを押しながら回さないと外れない。無理をするとパーツが割れてしまう恐れがある。また、位置合わせで貼ってあった「▼」「▲」のシールを剥がしてしまうと次の組み立て時に合わせる場所がわからなくなってしまうので、シールを貼ったままにしておくことをオススメする。せっかくグッドデザイン大賞まで受賞した製品なので本当は剥がしたいところだが、間違いなく再組み立ては楽になる。まあ、噛み合う部分を確認しながら組み立てれば大丈夫なのだが、自信がない人は剥がさないほうが無難だ。

それにしても土台以外のパーツはあまりにも軽くて驚いてしまった。「エアマルチプライアー」は「安定した重心」を実現するため、モータ等の重い物はすべて土台に集中させ、上は軽く下は重くという設計になっている。これは、普通の扇風機のように羽根の後ろに巨大なモータが付いていると重心が高い位置になって不安定になってしまい、ちょっとぶつかっただけでも凄い勢いで床に転倒するからだ。私の古い扇風機が壊れた原因はワンちゃんがぶつかったためだが、場合によっては彼らが下敷きになってしまう可能性もあったわけだ。小さなお子さんがいる家庭ではファンに指を挟まれるのと同じぐらいに危険なことなのだ。もちろん「エアマルチプライアー」もぶつかれば倒れてしまうが、丸い枠とパイプの重量がとにかく軽いためにけがしたり、壊れたりといったトラブルにはつながりにくい。

細かい部分をチェック…確かにダイソンだ

では、使い始める前に細かい部分をチェックしておこう。まずは土台。ここにはテーブルファンよりも大型化されたというモータが納められている。このモータには「ミックスフローインペラー」と呼ばれる飛行機のエンジンにも使われているファンが取り付けられており、もの凄いスピードで回転して空気を吸い込んでスタンドを経由して枠のスリットから排出する。排出した空気がなぜ18倍(テーブルファンは15倍)もの風量になるのかは前回説明した通りである。ちなみにAM01のプロジェクタのカーブは15度だったが、私が購入したAM03は7度で少し緩やかになっている。

ハンディクリーナーのDC31(左)には、小型・高出力のダイソンデジタルモータが採用されている。エアマルチプライアー(右/写真はテーブルファンのAM01)に採用されているモータはブラシレスとのことなので、AM03のモータがどのようなものか調べたかったが、分解の方法がわからず断念。ま、使う前に壊してもなんだし…

土台(左)には電源ボタン、風量調整ボリューム、首振りボタン、リモコンの受信窓が配置されている。風量調整ボリュームは扇風機には珍しく無段階となっている。右はプロジェクタのスリット。ここから空気が出る。テーブルファンが約1.3mmの隙間だったのに対してフロアーファンは1mmとなっており、いっそう狭くなっている。どうもテーブルファンとフロアーファンでは仕様が異なるようだ

購入前は見落としていたのだが、タワー型のAM02とフロアー型のAM03にはリモコンが付属しており、電源と首振りのオンオフと風量調整が可能だ。使用しない時にはプロジェクタの上部に磁石で留めておくことができる

準備完了! 電源をオン…気持ちイイ

さて、組み立てが完了したのでコンセントにつないでいよいよ電源をオン。いきなりブオッーという感じで風が吹き出した。風量調節が大きめになっていたのか、かなり強い風でワンちゃんが驚いてちょっと後ずさり。でも掃除機ほど音が大きいわけではないので吠えたりはしない。

だから、大丈夫だって

それにしても風の出方は量販店で見た通り不思議な感じだ。丸い枠の中心に手をかざしてもほとんど風を感じることはできず、周辺からはちょっとした強さの風が出ているだけ。ところが、少し「エアマルチプライアー」から離れると中央部分の空気をともなった大きな風の固まりが絶え間なく私に当たり続けるのだ。

この風は確かに心地がよい。言葉で表すのは難しいのだが、普通の扇風機の風とは明らかに違う。試しに古い扇風機にの風にも当たってみたが感触がまったく異なる。どうしても普通の扇風機は断続的な風のためかパタパタ感がある。なるほど、これがダイソンの言っている気持ちのよい風かあと関心した。

ところで首振り機能は、普通の扇風機が本当に首を振っているのに対して、「エアマルチプライアー」は土台の部分そのものが回転するのでパイプと丸い枠が一緒に左右に動く。首振りというよりは腰振りに近いかもしれない。実際の様子は動画でどうぞ。

設置が無事終了したところで、いよいよ次回は熱帯夜の夜の出来事やどのぐらいホコリや汚れが付くのかなど、3カ月にわたる私の実体験をレポートしたい。電化製品は使ってみないと本当のところはわからないからね。果たして「エアマルチプライアー」は犬の抜け毛でも大丈夫なのか? お楽しみに!