静岡県の大井川鐵道で、「きかんしゃトーマス号」の運行が始まった。大変な人気で、すでにチケットは完売とのこと。キャンセルを狙っても乗れないかもしれないけれど、その姿は見ておきたい。そもそも乗ったら機関車を見られないから、乗らずに眺めるのも楽しいはず。そこで列車ダイヤを作り、同列車の通過時刻を予想してみた。

「きかんしゃトーマス号」を見に行こう! ここは何時に通過する?

大井川鐵道は公式サイトに全列車の時刻を掲載している。この時刻データをもとに、列車ダイヤを作ってみた。ただし、時刻表ページに「きかんしゃトーマス号」の記載はない。同列車の特設サイトを調べると、下り列車は、「新金谷駅10:38発、千頭駅11:51着」だ。これは通常時のSL列車「SLかわね路13号」に相当する。上り列車は、「千頭駅14:10発、新金谷駅15:27着」で、通常時の「SLかわね路14号」に相当する。

列車ダイヤでは普通列車を黒、きかんしゃトーマス号を赤、他のSL列車を青に設定した。また、臨時急行電車を緑で示す。SL列車と臨時急行電車は運転日に注意しよう。

大井川鐵道時刻表(下り)

大井川鐵道時刻表(上り)

大井川鐵道の列車ダイヤ(「OuDia」にて作成)。赤い線が「きかんしゃトーマス号」になる

大井川鐵道は全線が単線だ。下りの「きかんしゃトーマス号」は、上り普通列車の到着を待って出発する。走行中はすれ違いもなく、追い越しもしないで千頭駅に到着する。大井川鐵道は普通列車が少なく、日中の新金谷~千頭間は1時間半から2時間に1本だ。列車で移動するなら、事前に計画を立てよう。上りの「きかんしゃトーマス号」は、五和駅で15時21分に普通列車とすれ違う。この普通列車は金谷駅を15時9分に発車する千頭行だ。川根温泉や寸又狭温泉に行くなら、この普通列車に乗れば、「きかんしゃトーマス号」とすれ違える。

撮影の名所で「きかんしゃトーマス号」を待とう

川根温泉笹間渡駅付近の川根温泉には、日帰り温泉や宿泊施設がある。この温泉は静岡県内有数の温泉湧出量があり、11カ所の全浴槽がかけ流しだという。中でも人気は、「SLが見える露天風呂」だ。温泉に入りながら、「きかんしゃトーマス号」を眺めたい。そこで地図と列車ダイヤを見てみよう。川根温泉は川根温泉笹間渡駅と抜里駅の間にある。下り列車は11時10分から11時20分の間に通過する。

一方、上り列車は14時47分から14時50分の間に通過するようだ。上り列車は川根温泉笹間渡駅の停車時刻が設定されているから、通過時間帯を読みやすい。ただしこれは、「SLかわね路14号」の場合だ。「きかんしゃトーマス号」は途中駅で旅客扱いをしないため、川根温泉笹間渡駅を通過するかもしれない。もう少し早い時間にやってくるかも……。

川根温泉付近には、大井川鐵道の線路が大井川を渡る鉄橋がある。冒頭の写真の場所だ。ここは撮影の名所だそうで、「きかんしゃトーマス号」の報道公開試運転のときも、スタッフがわざわざバスで報道陣を連れて行ってくれた。ここで撮影する場合も先ほど紹介した時間帯を参考にしよう。川根温泉の施設には道の駅もあり、マイカーでもアクセスできる。だけどやっぱり列車で訪れてほしい。川根温泉笹間渡駅から徒歩数分である。

新金谷駅の転車台は誰でも見学できる

下りの「きかんしゃトーマス号」が11時51分に千頭駅に到着した後、駅構内の転車台で向きを変える。その後、伝説の英雄「ヒロ」と並んでくれる。この様子は、乗車券または駅の入場券を持っていれば誰でも見学できる。千頭駅に隣接する「道の駅奥大井音戯の郷」には、トーマスに関するジオラマなどの展示コーナーが設けられている。

上りの「きかんしゃトーマス号」が新金谷駅に15時27分に到着した後も、転車台で向きを変える。こちらは線路敷地の外側から見物できる。その後、少し離れた場所で石炭を積む作業も見られる。新金谷駅の向かい側にある「プラザ・ロコ」には、大井川鐵道のミニ博物館があり、ショップコーナーでトーマス関連のグッズを販売している。「きかんしゃトーマス号」に乗れなくても、眺めて遊んで楽しめる。列車ダイヤを持参して大井川鐵道を訪ねてみよう。

なお、列車を撮影する場合は次のマナーを心がけよう。「無断で私有地や鉄道敷地内に立ち入らない」。田畑も私有地。踏切内にとどまってはいけない。「路上や商店の駐車場で迷惑駐車をしない」。大井川鐵道公式サイトによれば、新金谷駅駐車場と臨時駐車場については、「トーマス列車ならびにSL列車にご予約いただいたお客様」のみ利用可能。見物の場合は千頭駅付近の駐車場を利用してほしいとのことだ。