【連載】

独占スクープ「映画『デスノート』の最終ページ」 5時間4万字の記録

17 『聖の青春』で体形変化!? 松山ケンイチ8年ぶりL再演は「声だけではない」

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『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた映画『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。

マイナビニュースでは「スクープ連載」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第17回は、『デスノート』シリーズで夜神月・藤原竜也と並んで語り継がれるL・松山ケンイチ。その復活劇の裏側とは?

10年前のL
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社 (C)2006「DEATH NOTE」FILM PARTNERS 監督:金子修介

10年ぶりLは「声だけではない」

――Lでの大ブレイク以降、松山ケンイチさんは幅広い役柄を"憑依型"と評されるような渾身の役作りで確固たる地位を築いています。今回の8年ぶりのL再演はいかがでしたか?

今回は前作の月とLの対決から10年後の世界を描くと決めていたので、夜神月と同様に、普通に考えればLが登場することはありません。でも、やっぱり僕自身がLを見たいと思った……というか観客の皆さんもLを感じたいに違いないと思ったので、松ケンに「再びのL」をお願いしました。

松ケンはインタビューで「ワイは、『聖の青春』の撮影中でかなり太っていました。だからプロデューサーが、映像としての新撮をしてくれなかった」と言ってますが(笑)、『聖の青春』に入る前から既に10年前のLとは体格が全く違っていたので、そもそも僕の中には新撮のつもりはなかったですけどね(笑)。

デスノート対策本部捜査官・三島創(東出昌大)が操作するモニターにはLらしき姿が……
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社 (C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

Lは外見が非常に大事なので、そこはLのイメージを守らなければなりませんから。そのことは松ケンも分かっていて、昨年この企画の話をしたときに自分で「さすがに今のワイではLのルックスは無理ですよね。でも声だけならLになれると思います」と言ってましたよ。ただ、竜也くんの新規撮影よりも後に松ケンの収録は行ったので、「竜也さん、どうでした?」と、さかんに気にしてましたね(笑)。

でもまだ観ていない方に詳しくは言えませんが、「松ケンのLは声だけではない」とはお伝えいたします。ぜひ劇場でご確認ください!

『L change the WorLd』後の出来事

――実際、再びLを演じてもらう現場ではどんなことを伝えたんですか?

映画劇中および脚本でも、はっきりとは説明していない時系列についてまず説明しました。今回あらためて演じてもらうLは、『デスノート the Last name』の夜神総一郎さんに笑顔を見せた最期の時の少し前、『L change the WorLd』のラストの夕暮れに向かって歩いていった後の出来事だと思ってくれと伝えました。あの「笑顔の意味」を池松壮亮演じる竜崎へのメッセージに込めてくれとお願いしました。

さらに無茶な要求ですが、その芝居の裏側に、今回の後継者を演じる池松くんに俳優として、事務所の先輩として後輩にバトンを渡すような思いも込めてくれとお願いしました。「なんなんですかそれは!」と本気では受け取らない風にしていましたが、実際の松ケンの芝居には十分その思いが込められているように感じました。

10年前に対峙した夜神月とL
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社 (C)2006「DEATH NOTE」FILM PARTNERS 監督:金子修介

僕は現場に行けなかったんですが、やっぱり松ケンも竜也くんと同じように「どんなんだっけ」みたいな感じで探り探りだったみたいで。でも、信介監督にとっては、「L=松山ケンイチ」みたいに思ってるところもあるので、演出するというよりも、松ケンの中から出てくるものを待つ……という雰囲気だったそうです(笑)。

Lは喋り方にもかなり特徴がありますからね、難しかったとは思います。姿勢をLっぽくしたり、仕草を再現したりしながら、自分の中のどこかに眠っている「L」を呼び起こしに行ってたんでしょうね。

役者として至福の時間「どんなんだっけ」

――なかなか印象深い場面ですね。

竜也くんも松ケンも、脚本を読んだ段階で、出番は少ないけれど、二人それぞれが後継者に託す大きなテーマを背負っていることは分かったはずです。伝説化してしまったキャラクターを再び取り戻し、その影響力をしっかりと表現しなければならないのはそれなりにプレッシャーもあったと思います。ただ、二人とも数々の作品で主演を張り、作品を背負ってきているので、今回については作品を背負うのは後継者たちで、自分たちは与えられた役割をしっかり果たせばいいだけだから、主演作品よりはだいぶ気楽だったはず。大きなものを背負うことなく、久しぶりに夜神月とLを純粋に演じることに集中できる。きっと幸せな時間だったんじゃないですかね。

左からL、夜神月、弥海砂、その10年後とは……?
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社 (C)2006「DEATH NOTE」FILM PARTNERS 監督:金子修介

――10年後の弥海砂を演じた戸田恵梨香さん。2人と比べて、負担は相当なものだったでしょうね。

そうですね、弥海砂は10年の経過を表現しなければならないし、今回の後継者たちとも地続きで対峙しなければならない。そこは竜也くん&松ケンとは全く次元の違うプレッシャーが恵梨香ちゃんにはかかっていたと思います。

■プロフィール
佐藤貴博(さとう・たかひろ)
1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。

(C)大場つぐみ・小畑健/集英社 (C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

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インデックス

連載目次
第20回 「これですべてを終わらせる」の真意とは? "最終ページ"のラストメッセージ
第19回 東出昌大を救った"陰の恩人"がいた! 愛されキャラの意外な桐島デビュー秘話
第18回 佐藤Pがまさかの異動! Huluオリジナル3作裏話と"デスノの真髄"
第17回 『聖の青春』で体形変化!? 松山ケンイチ8年ぶりL再演は「声だけではない」
第16回 藤原竜也、10年ぶりキラもCG修整なし!「夜神月もう1回やりたい」撮影秘話
第15回 松坂桃李、死神・ベポ抜てきの"40分"とは? 原作コミック13巻から現実世界へ
第14回 菅田将暉が映画界で愛される理由とは? 松山ケンイチと池松壮亮の共通点
第13回 デスノ続編、なぜ東出・池松・菅田を起用? 役者としての進化と魅力
第12回 川栄李奈の愉快犯役、なぜ『デスノ』に必要だったのか? 池松も驚く女優魂
第11回 戸田恵梨香のミサミサ誕生秘話、10年後の"女優・弥海砂"を演じる葛藤
第10回 集英社との再交渉、日テレドラマ班が先手!? 6冊ルール真相と死神大王の思惑
第9回 デスノ、10年後復活には裏テーマがあった!「GANTZのその先へ」「桐島の真逆」
第8回 映画業界の掟破り!? "反則技"の地上波放送で視聴率24%
第7回 レッチリにクラヴィッツ、海外大物アーティストが主題歌を提供した真相
第6回 Lの"終活"、ポテチトリックに気づいていた可能性 - スピンオフ『L change the WorLd』
第5回 死神・リューク役、なぜ中村獅童? 実物大人形が「ボロボロ」になった理由
第4回 デスノートルール解釈法とは? 夜神月の正義感と結末の真相
第3回 松山ケンイチ、『デスノート』抜てき秘話とLが憑依するまで
第2回 天才型俳優・藤原竜也が生み出した、夜神月と聖地・新宿ジョイシネマ
第1回 10年前にも連ドラを企画!? 映像化権取得と2部作連続公開が決まるまで

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