どこの家庭でも多めにカレールーをつくり、数日にわたって食べるというのは普通のパターン。しかし、どんなにおいしいカレールーも3回連続して食卓に並ぶと「えー、またカレー」という言葉が発せられる。家族の心ないこの言葉は男のプライドを傷つける。そこで、「簡単」「早い」「美味しい」「安い」「飽きない」こだわりのカレーを考えてみたい。

誠に個人的な感想だが、筆者の経験上、つくり置きのカレールーは2回までなら家族からなんとか文句が出ない。しかし、先に述べたように3回目ともなると非難の声が出始める。まあ、3回も連続して同じ料理を出されれば無理もない話だ。だが、一度つくってしまったルーには手を加えたくはないし、ライスやパンにワザワザお金と時間をかけて工夫を凝らして食べるというのも男の料理としてはあまりにも芸がない。

カレーうどん。だし汁を入れるのと入れないのでは、食べた感じがかなり違う

では、ライスとパン以外にカレールーをかけて食べられる食材は何か? もちろんそれは「麺」である。麺といえばすぐに思い付くのが「カレーうどん」。きっと読者の皆さんは、「なんだよ、カレーうどんなんて当たり前の料理じゃないか」と思われるだろうが、カレーうどんといっても茹でたうどんにそのままカレーをかける方法とだし汁(麺つゆを使うと便利)をどんぶりに半分ほど入れて、そこにカレーをかける方法ではかなり口当たりが異なる。これにちょっとした具をのせるとさらに違った味が楽しめるのだ。

カレーそばとカレー焼きうどん

カレーそば

カレー焼きうどん

また同じ方法で、ベースをそばにかえて「カレーそば」をつくるとまったく別のカレーになる。カレー料理ながら、かなりあっさりとした味わいだ。うどんもそばも、スーパーで50円~60円ぐらいで売られている「ゆで麺」を使えば、茹で時間たったの1分ほどで完成というわけだ。もちろん、少々時間とお金がかかるが、生麺から茹でてつくればさらにおいしいカレーうどん、カレーそばになる。しかし、ゆで麺でも十分おいしいので、ぜひ試してもらいたい。少々亜流ではあるが、うどんとカレーをフライパンで炒めるカレー焼きうどんもおつまみ感覚で結構いける。こちらは、焦げ付かないないように油を多めに入れて、少し長めに炒めたほうがコクがアップするし、香ばしさも高まり食欲を刺激してくれる。

カレースパゲティー

さて、うどんやそばでは「男のカレー」として納得がいかない方には、カレースパゲティーがオススメ。スパゲティーの麺を茹でるのは結構時間がかかるが、最近は3分ぐらいで茹で上がる製品も登場している。カレースパゲティーで注意する点は、煮詰まって濃度が高まったカレールーをそのまま使わないこと。すこし水分を足してゆるめのルーにしておこう。こうすることで、なんと「これって、カレー? 」と思うような上品な味のスパゲティーが完成する。

カレーライスを2回連続で食卓に出した後に、カレーうどん、カレーそば、カレースパゲティー、カレー焼うどんとつくっていけば、計6回は違った味が楽しめるはず(途中で飽きるようだったら、筆者の力不足ということでごめんなさい)。しかも誰でも簡単につくれて、失敗することもほとんどなく、調理時間は極めて短くて済むなんてすばらしい! また、今回は取り上げなかったが、ラーメンや沖縄そばを使ってもおいしくカレーを食することができる。麺を使ったカレーは、ライスやパンに負けない料理だと筆者は自負している。ただし、冷麺系はやめたほうがいい。なぜなら、冷えた麺にカレールーをかけると油分が固まってしまい、食感が粉っぽくなってあまりおいしくないからだ。

では、お父さんでもお子さんでも食べたい時に、あっという間につくることができる麺のカレーをご賞味あれ。