東海地区の老舗塾「名進研」のカリキュラムや指導内容について、前回に引き続き取締役 教育事業本部の金澤篤部長にうかがった。

小学5年生の授業風景

学力を定着させる"2ウェーブ指導方式"とは

同塾が受験指導のための講座を開講しているのは、小学3年生以上。基本のコースとして、小学3年生は2教科、小学4年生以上は4教科を学ぶ「練成教室」が用意されている。1クラスは24人定員。3年生は1クラス、4年生以上は2クラス編成で、いずれもテストの成績によりクラスの昇降格や席順の変更が行われる。

これらのコースで共通して行われている独自の指導方法が1年間で同じ単元の学習を何度も繰り返し行う「2ウェーブ指導方式」だ。1カ月単位では、1~3週で学習した内容を最終週に総復習。さらには前期(3~7月)、後期(9~2月)の終わり、夏期講習などの長期休みの講習でも、それまで学んだ単元を学び直す(もちろん出題内容は少しずつ変える)。一度学習した内容について期間があくと、忘れてしまうということがあるはずだが、繰り返し学習することで、確実な学力を培うことができるという。

さらに小学5年生からは週に一度、1週間で学んだ内容をテストしてその内容を解説する「テストゼミ」が行われ、復習が徹底される。

宿題も塾で! 手厚い家庭学習のフォロー

同塾オリジナルのテキスト。「私立中学校入試問題集」は東海中学など11校過去3年分の入試問題を収録

加えて家庭学習のフォローも抜かりない。例えばテストゼミでテストを終えた3時間後には、インターネットを通じて採点前の答案が各家庭に画像配信される。間違えた問題を復習してもらうためだ。生徒は「ゼミノート」と呼ばれる専用ノートを用意し、答案画像で確認した間違えた問題をゼミノートに解きなおして講師に提出する。すると、教師がゼミノートを細かくチェックした上で、各教科の講師たちが1人ずつのゼミノートにコメントを書いて返してくれるという。このコメントを楽しみにしている生徒たちも多いのだそうだ。

また小学5年生以上の生徒には、「復習・宿題指導講座」が用意されている。算数と国語は宿題の指導を中心に、また社会と理科はテキストの内容に沿ったプリントを配付して、反復学習を支援する。本科コースの授業終了後に、その授業を担当した講師が指導を行うため、生徒がつまずいた部分も即座に解決。疑問点を翌日以降に持ち越さなくても済むのが特徴だ。

ロボット科学教育で理数系学力の基礎を培う

それでは、小学2年生以下に向けた講座はないのだろうか。金澤さんによれば「受験指導とは違ったアプローチで算数・国語のセンスを磨く講座を開いています」とのこと。その内容はさまざまだが、中でも特筆したいのが「ロボット科学教育」だ。

小学1・2年生対象のkicks「ジュニアエリート」コースでは、理科の生態系や社会の出来事に関連した毎月の学習テーマを基に、カラフルなレゴブロックを使って、ロボットを組み立てていく授業を行っている。授業内ではプログラミングも行われ、理数系学力の基礎となる能力を培っていくそうだ。この講座は大変人気があり、小学2年生に向けたクラスは満席になるほどだ。ものづくり名古屋の力の片りんを垣間見たような気がする。

気になる費用については、一般的に小学6年生の子どもを通わせた場合にかかる料金を下記に記したので参考にしてみてほしい。

入会金: 1万円
本科コース(練成教室/4教科)の月謝: 3万4,000円
テストゼミ: 1万5,000円
テスト代: 1万2,000円(前期)、1万4,315円(後期)
復習・宿題指導講座: 7,000円(国語・算数/週1回)、5,000円(社会・理科/週1回)

※価格は全て税別
※その他、教材費や諸経費が加わる