「駿台・浜学園」という中学受験塾をご存知だろうか。2013年10月に開設され、第1期生を2016年春に送り出した進学塾だ。

関東ではいわゆる4大塾(SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー)が中学受験塾として実績があるとされている。それに対し、浜学園(兵庫県西宮市甲風園1丁目5-24)は、1959年創設と歴史があり、12年連続で灘中学の合格者数が日本一という関西でトップクラスの塾。その浜学園がいよいよ「駿台・浜学園」として関東に進出した。

関西トップクラスの中学受験塾が関東に進出! 「駿台・浜学園」の実力やいかに

首都圏開設にあたりタッグを組んだのは、大学受験のイメージの強い「駿台」。「駿台・浜学園」という会社を新たに設立し、東京・御茶ノ水に最初の教室を開校した。2014年2月に神奈川・センター南、同年12月に東京・吉祥寺、2016年2月に東京・成城、4月に東京・自由が丘と現在、5カ所に開校している。

同塾の指導内容について、駿台・浜学園 代表取締役の竹森勝俊さん、駿台・浜学園 取締役の齊藤彰さんに聞いた。

小1から指導を行う”算数に強い塾”

駿台・浜学園 代表取締役の竹森勝俊さん

同塾の大きな特徴は、小学2・3年生は2教科、小学4年生以上は4教科を学ぶ「一般コース」のほかに、小学1年生から受講できる「最高レベル特訓 算数」というコースを設けていることだ。関西で灘中学に多数合格者を輩出してきた「浜学園」は、算数の指導に力を入れている。「難関校では年々、算数の入試問題が難しくなっています。算数の実力差が、受験を制しますから」と竹森さん。関東と関西で場所は変われど、この傾向は変わらないので、心強い。

しかしいずれのコースを選ぶにせよ、受けなくてはならないのが入塾テストだ。テストは毎月第3土曜日と第3日曜日に実施。その間、保護者への説明会も開かれる。同塾によれば、「テストは学年相応の内容ですが、読解力が必要なタイプのテストなので、入塾前に文章問題の対策をされる人もいます」とのこと。このテスト結果が基準点に達していたらようやく塾に入ることができる。不合格の場合、3カ月の間に2回までチャレンジすることが可能で、合格率は約7割。かつては、浜学園に入塾するための塾が存在していたというから驚きだ。

「入塾される子は元々、優秀なお子さんが多いです。学校のテストではほぼ満点、80点以下なんて取ったことがない子が、塾のテストを受けると30点、40点だったりすることもあります。本人も親御さんもビックリされますが、テストの点で一喜一憂しないでくださいと伝えています」と竹森さんは語る。

「復習テスト」で着実な学力アップが可能

普段の授業はまず、前回の学習内容を出題範囲とした30分前後の「復習テスト」からスタートする。同塾では講義を受けたあと、その範囲を家庭学習として復習する学習方式をとっている。テストを実施することによって自分の弱点を確かめ、復習を徹底することで、学力アップにつなげることができるのだ。それに加え、毎月の実力を試す塾全体の公開学力テストがあり、小2と小3は年間129本(年間43回×2科目+計算テスト)、高学年であれば年間約172本(年間43回×4科目)ものテストを実施する。テストが次々と実施されるのも同塾の特徴のひとつといえる。

そして月1回実施される公開学力テストで4科目の男女総合順位が300位以内、または算数順位が600位という条件(小6の場合)をクリアすれば、「最高レベル特訓 算数」を受講する資格が得られる。一般コースとこの特訓コースを併用する塾生は全体の1/3~半分ほどだという。

こちらのコースでも毎回、授業はテストからスタート。1回の授業(小6の場合)で、算数漬けの215分はかなり力がつきそうだ。

遠くは秋田、栃木や群馬から通塾している子もいるという。お茶の水教室は教室数が6つあり、黒板で講義が行われる

さて、気になる塾の料金は……。小6の例を教えていただいたので、塾選びの参考にしたい。

入学金 2万2,500円
(1)一般コース 例: 4教科、週3回、1回235分(休憩15分含む)
・受講料 5万4,000円(月額)
・教材費概算 約7万4,000円(年額/支払いは分割納入のみ)
テキスト、補助教材、家庭学習ノートなどは年間4回程度に分けて配本。1冊あたり200~2,500円程度になる。


(2)最高レベル特訓 算数 例: 週1回、230分(休憩15分含む)
・受講料 2万1,600円(月額)
・教材費概算 約1万1,000円(年額/支払いは分割納入のみ)

次回は手厚いフォローが特徴である同塾の指導体制や、関西トップ塾が関東に進出した理由などをご紹介する。

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