液晶ペンタブレットを使ってみたいけど、どんな物があるのか分からない。あるいは、今ペンタブレットを使っていて、液晶ペンタブレットに変えようか迷っている…。そんなクリエイターの方も多いのでは?

連載「しんてぃっく!」の舞台は、日本のどこかにあるかもしれない和込大学(わこむだいがく)のマンガ・イラスト研究会。そこで日夜イラストを描いている女子大生たちも、液晶ペンタブレット「Cintiq」シリーズが気になる様子。彼女たちと一緒に、液晶ペンタブレットについて知識を深めていきましょう。

★登場人物

ひかり:アナログ画材で絵を描いている、絵を描くのが大好きな女の子。デジタルに疎いが絵はとても上手い。

みずほ:デジタル画材を使いこなしている包容力のある先輩。なんでも知っているみんなの相談役。

つばさ:ツインテールの女の子。板タブを使っているが、液タブも気になっている。

のぞみ:学生でありながら、ちまたで人気の作品を描いている漫画家。いろいろと悩み多き女の子。

前回のあらすじ:ついに念願の液晶ペンタブレット「Cintiq Companion2」を手に入れたひかり。しかしその矢先、謎の人物が声をかけてきてわずかに怪しい雲行き。さて、今回は……?

★1月30日 18:30 駅前の家電量販店

みずほ: のぞみさん。ごきげんよう。

つばさ: のぞみセンパイってこんなところにも来るんだ。

のぞみ: 悪い? 消耗品買いに来たんだけど。ペン先。

つばさ: ペン先かー。電気屋に?

のぞみ: タブレットの。

つばさ: あー。そっちか。あれ地味に高いよね~私替えたことないし最初のずっと使ってるー。

みずほ: つばさちゃん。替え芯は定期的に替えることをお勧めするわ。

つばさ: そうなの?

のぞみ: ボクは1枚ごとに替えるね。だから20本入りを買いに来た。それでも20枚しか描けないけど。

つばさ: ほへー!さすが売れっ子プロ漫画家! でも、ちょっと替えすぎじゃない? そんなに大事?

のぞみ: 大事。すごく大事。ボクはアレがないとスピード落ちて原稿も落ちる。

つばさ: 不吉なこと言わないでよね…。

ひかり: お待たせしましたぁ~って! のぞみ先輩!? なんか顔色悪いですよ!?

のぞみ: 徹夜だから…。一応今週のは全部終わった。

みずほ: みんな、ここで立ち話より近くのカフェで落ち着きましょ。

(カフェにて)

みずほ: さて、計らずして電器屋で4人そろってしまったわけだけど。

つばさ: 私たち、今日はひかりの液タブを買いに来てたんだ。

ひかり: そうなんです~! ついに買っちゃいました。今日はお布団の中で抱いて寝ます。

みずほ: わかるわ。大切なものを抱いて寝たくなる気持ち。

つばさ: わかるんかい! のぞみセンパイはさすがにしないよねそんなこと。

のぞみ: ボクは布団が恋しい…。寝たい…。

つばさ: はぁ…4人もいるのに3人がボケでツッコミが追いつかないわっ! さっきのペン先の話なんだけど、ペン先替えてないとスピードって落ちるもんなの?

のぞみ: 別にスピードは落ちないけど…精度が替わるからタッチミスが増えてきてアンドゥが増えて、作業時間が長引く。覚えておいて。1タッチで描けるところ2タッチになるだけで作業時間は2倍になることを…。(真剣)

つばさ: 怖っ! 漫画家って極限の中で生きてるよね…私は同人作家だけど、時間を短縮したいのには同意だわ。でも、芯って最初に買った時に数本ついてた気がするけど、もうどっか行っちゃったな。

のぞみ: 最近のモデルだと、ペン立ての中に収納されてるから忘れない。

最新のペンタブレット「Intuos Pro」シリーズ。手前にあるペン立ての中に、替え芯が立てて収納されている

つばさ: うわ! 本当だ! なんかおもしろーい! 私のはIntuos 2だから知らなかった!

ひかり: うーー! ペン先とかアナログ的な要素もあって、デジタルのお絵かきもすごく楽しそうです! 今日から私も最高の環境でお絵描きができるんですね~、もうわくわくが止まらないです~!

のぞみ: …甘い。甘すぎる。

ひかり: へっ?

のぞみ: ボクから言わせてもらえば、液晶ペンタブレットというのはまだまだ改善の余地がありすぎる…。もっと効率化できる部分はあるはずなんだ。ネムイんだよなぁ全体的に。世の中のプロは睡眠時間を削ってるというのにクソッ!

つばさ: ちょっと! 徹夜明けでイライラしてるのは分かるけど、話の腰を折るようなこと言わないでよ。ひかりが凹んじゃったじゃない!

のぞみ: …ひかりはデジタルになんて手を出さないで、アナログ路線で頑張るべきだったんだ。

ひかり: うぅっ…。

みずほ: のぞみさんの意見も一理あるけれど、この子はイラストをただ「楽しみたい」の。いろいろな画材を試してみたくなる気持ちがあっても良いのではないかしら。

のぞみ: …そうだね。言いすぎた。ごめんね、ひかり。

ひかり: ううん。大丈夫! プロだもん。熱い思いがあるのは仕方ないですよ! わたし、のぞみ先輩から見た液タブのこと、もっと聞きたいです。

のぞみ: ありがとう。この疲れきったボクの話でよければ聞いてほしい。

つばさ: 私も液タブユーザーじゃないけど気になる!

のぞみ: 機材もあるしボクの家においで。カフェだと何をするかわからないから。

つばさ: 何する気だよ!

プロとして活躍するがゆえに、液晶ペンタブレットに厳しい目を向けるのぞみに戸惑うひかり。しかし、プロから液晶ペンタブレットの使い方を聞く絶好のチャンスと思い直し、その熱意を受けたのぞみは彼女を自宅に招きます。果たして寝不足の彼女は再びキレずにひかりにレクチャーすることができるのでしょうか……。次回は、液晶ペンタブレットを使い込むプロが気にする設定について迫ります。乞うご期待!