連載の第1回目で紹介したコーヒープレス。ペーパーフィルターやネルを使わず、金属フィルターで抽出する点が特徴的である。ペーパーフィルターやネルの場合、コーヒー豆のおいしさでもある油分が吸収されていくのだが、コーヒープレスの場合は金属フィルターなので吸収されない。つまりはコーヒー豆の味わいをストレートに楽しむということで、スペシャルティコーヒーを扱うカフェや喫茶店では、コーヒープレスを使用している店も多い。

「スターバックス コーヒー」で販売している「コーヒープレス・モカ(ステンレス)」(写真は容量960mlタイプで5,500円)

今回使用するコーヒー豆「アイスコーヒー ブレンド」(1,400円 / 250g)

ホットコーヒーの淹れ方については第1回目で紹介済みなので、今回はアイスコーヒーの淹れ方を紹介する。教えていただくのは、「スターバックス コーヒー」のコーヒースペシャリスト・田原象二郎さんだ。コーヒー豆は前回に引き続き、ラテンアメリカ産と東アフリカ産豆をブレンドした「アイスコーヒー ブレンド」(1,400円 / 250g)を使用する。

コーヒープレスで淹れるアイスコーヒー

材料(5~6人分)
コーヒー粉(ペーパードリップより、やや粗めに挽いたもの) 100g / 湯 900cc / 氷 適量

つくり方

1.コーヒープレスにコーヒー粉を入れて、コーヒー粉にまんべんなくいきわたるよう湯を注ぎいれる。温度は90℃~96℃。
2.スプーンで湯とコーヒー粉を軽く混ぜる。
3.プランジャーで蓋をし、4分経ったら静かにプランジャーをおろす。
4.表面に浮いている粉を取り除くため、抽出液を少量捨てる。
5.氷を入れた容器に注いで急冷し、スプーンでかき混ぜて全体が冷えたらグラスに注ぎ入れる。

アイスコーヒーだが香りがしっかりと感じられ、「アイスコーヒー ブレンド」の特徴であるすっきりとした後味も楽しめる。「急冷することで、アイスでも香りが引き立ちます」と田原さん。「コーヒーを抽出する際には、できればカルキ臭等がない軟水を使っていただきたいのですが、アイスの場合、氷も同様の水でつくったものを使用すると、よりおいしさが高まります」。

注意したいのは手順3。プランジャーをおろす際、あまり力を入れすぎないようにしてもらいたい。ギューギューと押さえてしまうと、不快な苦味や微粉が出てしまうことがあるとのことだ。

コーヒー粉の使用量は、ホットの2倍。大量のコーヒー粉を使用するので途中で不安に思うかもしれないが、手順5の段階で氷がとけて抽出液が薄まることを考えての分量となっている。躊躇せず、レシピどおりにつくってみよう!

「スターバックス コーヒー」コーヒースペシャリスト 田原象二郎さん。2000年、スターバックス コーヒー ジャパンへ入社後、6年半にわたる店舗勤務を経て現在に至る。同社の社内職位であるコーヒースペシャリストとして、社内外のコーヒー啓蒙活動を行っている


撮影: キミヒロ