良質なコーヒーメーカー、発見

そういえばまだまだ子どもだった頃、いつもインスタントコーヒーを飲んでいた両親が、日曜日の朝だけはコーヒーメーカーでコーヒーを淹れていた。その頃はコーヒーを飲んだことがなかったけれど、コポコポというコーヒーの抽出音は大好きだった。日曜日という「今日は休み」という開放感と、ちょっとノスタルジックな感じのするその音で、なんともいえないゆったりとした気分になったからだ。

私にとってちょいと思い出のあるコーヒーメーカーなのだが、実はこの連載で登場するのは初めてである。コーヒー抽出はハンドドリップ、エスプレッソマシンは全自動ではなく手動式、といったようにこの連載では紹介してきており、それは読者の皆さんには、コーヒーにこだわりを持ってほしいと思っていたからだ。

「ドリップコーヒーメーカー CMB6」

しかし、現実問題として忙しい仕事の日の朝に、ハンドドリップでコーヒーを淹れるというのはなかなか難しい。そんな時間がない時に役立つのがコーヒーメーカーである。でも、コーヒーメーカーで淹れるにしても、やっぱりおいしいコーヒーでなくちゃいけない。そこで、少し前から「良質なコーヒーメーカーはないかな……」と探していた。そうして出会ったのが、デロンギ・ジャパンが4月末に発売した「ドリップコーヒーメーカー CMB6」である。同製品の発表会会場にて、このコーヒーメーカーで抽出したコーヒーを飲み、そのおいしさから「ぜひ、紹介したい」と思ったわけだ。スペックに関しては既報の通りなのでそちらを見ていただくとして、ここからは実際に家庭で使用してみての感想をお届けしていく。

「ドリップコーヒーメーカー CMB6」
価格: 18,900円
カラー: レッド(CMB6-RD) / ホワイト(CMB6-WH) / ブラック(CMB6-BK)
寸法: W170×D260×H295mm
タンク容量: 780cc
ガラスジャグ容量: 780cc
重量: 3.0kg

インテリアのアクセントにもなるそのデザイン

カラーは3色あり、今回はレッドを選んだ。ブラウンが基調の我が家では、ビビッドな赤がアクセントとなってちょうどよい。スクエアなすっきりとしたデザインに惚れ惚れしつつ、早速コーヒーを淹れてみる。まずは水を入れるために、コーヒーメーカー上部を開ける。

ふと目に留まったのが給湯口。9つの穴が開いており、ここから熱湯がシャワー状に出てくる。こうすることで、コーヒー粉にまんべんなく湯がいきわたり、コーヒー豆の持つ旨味を余すところなく引き出してくれるのだ。

9つの穴が開いた給湯口。ここから熱湯がシャワー状に出てくる

タンク内に目を向けると、2杯、4杯、6杯の目盛りが。これはコーヒーカップ(1杯125cc~130ccと設定)で飲むときの水の量。マグカップ(1杯200cc~215ccと設定)で飲む際は、ガラスジャグの右側に付いている目盛りを活用すると便利。今回はコーヒーカップで2杯分抽出するので、タンク内の2杯の目盛りまで水を入れる。

と、ここでプチアドバイス。コーヒーを淹れる際の材料といえば、コーヒー豆と水のみ。豆にはこだわっても、水は見落としがち。使う材料が限られているからこそ、きっちりとこだわりたいものだ。そこで今回は、軟水のミネラルウォーターを使った。

写真上がタンク内の目盛り。写真左はガラスジャグについているマグカップ用の目盛り

ペーパーフィルター不要!

このマシンは、ペーパーレスフィルターがついている。文字通り、ペーパーフィルター不要のフィルターだ。挽き具合は中挽きから粗挽きがベスト。ペーパードリップより、少し粗めといったところなので、豆を購入する際に「中挽きから粗挽きで挽いて下さい」とお願いしよう。

付属のスプーンで2杯分のコーヒー粉を入れ、いよいよ抽出。しばらくすると、ポコポコというあの懐かしい音が聞こえてくる。カップ・ラックにある蒸気孔からは蒸気が立ち上がり、部屋全体にはコーヒーの香りが漂う。香りと音の癒し効果でしばしリラックスするが、抽出したコーヒーが冷めないよう、コーヒーカップには湯を入れて温めておくことを忘れずに。

ペーパーレスフィルターにコーヒー粉を入れ、いよいよ抽出。しばらくすると、抽出音と共にコーヒーの香りが漂ってくる

すると、シューという音が。抽出完了の合図だ。カップにコーヒーを注ぐ。今回は、朝にピッタリなレモンを連想させる酸味のあるタイプの豆を使っている。果たして豆の持ち味はきちんと引き出されているのだろうか。

淹れ立てのコーヒー

実際に飲んでみると、ネルドリップのようなまろやかさがありつつ、爽やかな酸味が後追いする。眠い目をこすりながら起きてきた夫は、「朝からハンドドリップしたんだ。やっぱりおいしいね」と言いながらコーヒーを飲んでいる。どうやら夫はこのコーヒーを、ハンドドリップで淹れたものだと思っているようだ。

なお、このコーヒーメーカーには、保温用ヒーターがついていて、80℃~85℃といった適温で保温される。煮詰まったコーヒーはいやなすっぱさが出てしまうが、それが防げるのだ。しかし、コーヒーの香りや味わいを大切にするためにも、保温は30分程度が限度だろう。

忙しい朝はもちろん、急な来客時に。また、少人数のオフィスでも活躍してくれそうな「ドリップコーヒーメーカー CMB6」。私にとってはデザイン的にも機能的にも大満足な1台である。